【線】
線は越えられない。
「なんとなくだよ」
君は僕の質問に曖昧な返事をした。
それ以上は言及できない雰囲気に僕は「そうなんだ」と頷くしかなかった。
当たり障りのない会話を交わしながら歩く帰り道。
君は手を伸ばせば触れられる距離にいるのに、心は随分と遠い所にいるのだと痛感した。

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