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たとえば

たとえばもし
肉体を捨てて
ただ
やわらかい
ひかりになったのだとしたら
わたしは
わたしを
許せるのでしょうか

おとこだとか
おんなだとか
そういったものを
意識して
肉体と別れられなくなったとき
わたしはもう
とっくに終わっていて
許せないままで

だんだんと
だんだんと

手の指の皮がふやけて
先のほうがしろくなってゆくのを
わたしは
とてもよく知っています

詩会クレプスカ発刊『クレプスカ第7号』掲載


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