河津ゆき

Twitter(https://twitter.com/Yukiya_KON2) 当方冬生まれ

河津ゆき

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マガジン

  • 日々を綴る

    河津ゆきの日々のこと、おもったこと、色々

  • 創作の詩をまとめています。

  • 小説

    創作の小説をまとめています。

最近の記事

からい生活

前回のnoteを書き終えて、8月中旬に服薬を再開してから、ひさしぶりにオーバードーズをした。 理由は単純に引き受けた依頼がうまくいかなかったから。卒論を放って、徹夜を何度もして、二週間心身を追い込んで作業をしたつもりだった。完璧に完成したはずだった。そして、少し図に乗った。徹夜での入稿だったからそのせいもあったのかもしれない。 昔からそうだった。どれだけ努力をして仕上げても少し調子に乗ると最後には必ず失敗に終わる。そうやって、21年間失敗し続けてきた。 そうなるとわかってはい

    • 鈍痛

      朝6時頃までうまく眠れず、起きたのは16時すぎだった。 暑苦しさで目が覚める。部屋の温度計を確認すると32度を示していたので急いでクーラーをつけてパワフルモードにする。喉も渇いていたので冷蔵庫から冷えた水を取り、飲み干した。 最近、うまく眠れた日は深夜に頭痛のために目覚めることが多い。そのままにしていても頭痛は治らないので鎮痛剤を服薬することが増えた。そんな生活を繰り返していると鎮痛剤の減りが早いのでAmazonで鎮痛剤を注文する。通販で薬を買うとドラッグストアで薬を買うよ

      • 生存と存続

        とにかく、鬱が酷い。 鬱のせいで昨年末から本当に何もできていないし、良いことはあまり起きない。取り敢えずのところは生きている、といったところだ。 2024年8月現在時点では少しだけ回復したように感じるが、これまでの生活が荒み過ぎていて今はその尻拭いをしながら生活をしている。兎にも角にもこうしてノートパソコンを開いて文章を書くまでは回復をしていることは良いことだ。 ノートパソコンを開いたのは本当に久しぶりで、詩や小説(と言っても小説は二次創作だが)の創作は続けていてもその全てが

        • 2023年11月16日

          16日、友人の誕生日だった。大学に入ってからサークルで知り合った友人だ。彼女はびっくりドンキーでびっくりサイズのいちごミルクを頼み、私は普通に夕飯を食べた。 私は友人の撮る写真や、紡ぐ言葉がとても美しいと思う、日々の中にある小さな美しさをきちんと捉えて居る人だ。 私は彼女がとても好きだ、人間として尊敬に値する人だと思う。彼女が今日は誕生日だからと、クリスマスの飾りのような可愛らしいネックレスを見せてくれた。 その事に、かわいいと口々に私は彼女を褒めた、誕生日なのだから、うんと

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        記事

          呼吸

          どうしようもなく孤独なのだ! 孤独が確かに魂にへばりついている わたしは それを切り離そうと魂をつまむ 赤く熟れすぎた魂は脆い ハサミで切り離したそれから どろり、 溢れだす へばりついていた孤独は 転移していて 魂のなかにまで入り込んでいる 赤い魂は酸素に触れ、黒に変化してゆく どうしようもなく孤独なのだ! 救いようのないそれを 満たされないとわかっていながら待つ時間を 黒い魂を抱きしめながら わたしは祈る なにかもわからないまま、忘れてしまったことを この点在する孤独が

          村では2年に⼀度⼟地神に捧げ物をしなければならない。 村の皆の無病息災と豊作のためにその時に取れた質の良い作物をカゴいLぱいに神へ供え ると共に、村で最も美しい娘を捧げる。捧げられた娘は⼟地神と婚姻の契りを交わし。⼆年以内に⼦を授からなければならない。 それは⼟地神の⼒を娘の器に移すという儀式であり、⼟地神の⼒を衰退させないためのもので⼆年以内に⼦を授かることのできなかった娘は⼟地神に殺されてしまうのだ 。 * “狐⼦尊(つちのきつねのしのみこと)”この村の⼟地神の名前で、村

          真実は小説より

          私には⾜がない。 いや、正確に⾔えばきちんとあるのだけれど。 私は⾜が透明なのだ。 この世には先祖返りというものがあって、私の先祖は透明⼈間だった。先祖返りの⼈⼝が多くなった昨今でも、透明⼈間の先祖返りは特に稀らしい。⽗も⺟も先祖返りはしなかったし、中学校での先祖返りは私だけだった。 ⾼校では、私の他にも先祖返りの⼦がいたけれど、その⼦は獣⼈の末裔でクラスメイトによく可愛がられていた。学校や道端を歩いているだけで向けられる鋭い視線に私はすっかりうんざりし、いっそのこと顔が⾒え

          真実は小説より

          ニシキギ

          田村 こころ 十八歳の肖像

          岡鶴学園高等部三年C組出席番号二十五番田村こころ。 この小さな乙女の園で最も輝いていたのは彼女だった。 身長は160センチよりも少し上、肩よりも少し長く伸びた髪を器用に結んでいる。 誰にでも優しく、成績は常に一番で友達がたくさんいる蜘蛛が苦手な女の子。 私はそんな彼女がずっと、ずっと大嫌いだった。 岡鶴学園高等部三年C組出席番号二十六番、身長は150センチに一つ足りず、成績はいつも下から数えた方が早い、無愛想なショートカットをずっと保っている。いつも憂鬱で友達がいない勉強が大

          田村 こころ 十八歳の肖像

          ほんとうに?

          ねえ、 あたしがわるかったのかな あたしがわるかったのかな お天気だったあおぞらが雨に切り替わったのも あまくてふわふわのカステラがしぼんでしまったのも あたしがわるかったのかな あたしがわるかったからないているの? あたしがわるかったから睨んでいるの? あたしがわるいの? あたしがわるくて、わるかったから、 だからなにも話さないの? あたしがわるかったの? あたしがわるかったのかな 本当に? ほんとうに?

          ほんとうに?

          選択

          青にひかる信号機はすぐに赤へとかわる 渡りきれなかった僕と渡り終わった誰か さめざめと降る雨粒は ひとつとして僕を写しはしない 冷えた手は 信号のようにぼんやりと赤を灯し するりと雨粒が手首をつたった カバンに入れるか迷う折りたたみ傘は 頼りなくて そうして 雨が降ると いつも いつも 折りたたみ傘をおもう ねえ、カバンに入れられなかった 折りたたみ傘と忘れられたビニール傘 どっちがかなしいのかな 雨粒をはらって入るコンビニ 他人行儀なホットスナック あたたかそうなコー

          寝床

          空が白むと 少し寒くて 身をよじる 「もうすこしそっちに行ってよ」 「落っこちちゃうからいやだ」 無理やりに 布団を引っ張る 昨日の夜は お月さまのしたで 妖精たちが ワルツをおどってたのに 手をからませて 暖を取る まだ夜だよ きみがそういうなら もう朝だ 詩会クレプスカ発刊『クレプスカ第7号』掲載

          かなめ

          寒くなると 足首が冷える 足首が冷えると かなしい 夏は足首が冷えない だからすき かなしくて さみしい 冬は あたたかい空気を 求めてしまう つめたくなった 足首を かばうように歩く 「今日は鍋にしよう」 厚手のくつしたを履いて グツグツ コトコト わたしがわたしを まもるのだ 詩会クレプスカ発刊『クレプスカ第7号』掲載

          かの人

          か き つ ば た 富士の山に雪がつもり 驚いたあなたは なみだをながしたそうですね いとしい人が 鬼にさらわれ 逃げゆく道中で 何を思いましたか かきつばた むらさきの花弁に 願いをこめて 夢であなたと 逢わないように か き つ ば た 現を 生きる ことの難しさ 詩会クレプスカ発行『クレプスカ第7号』掲載 https://krepuska.booth.pm/items/3449041

          ゲーサイヌ

          今から江古田へむかいます ほんとうは新江古田です ごめんなさい 近くのバス停で まっていてください 黄色い長い 鼻を垂らして 封印されたのは いつ頃だったでしょうか たくさんの お別れもあったでしょうに 封印されたところは どんなところでしたか くらくて さみしい ところでしたか だからいま あなたはファンを 募っているの? きいろいお耳が見えました こんにちは なかなか会えないですけれど

          ゲーサイヌ

          火葬

          完全燃焼のいろは 青色らしい 死にゆくとき 燃やされる炎は まだ赤い だからまだ 行かない いけない 肉が焼けて 骨が灰になる 燃えゆく炎の 熱気におされて まだやわらかい魂は 宙へかえる 灰を海へまく 海は青色 青いままで かえってゆく 詩会クレプスカ発刊『クレプスカ第7号』掲載