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呼吸

どうしようもなく孤独なのだ!
孤独が確かに魂にへばりついている
わたしは
それを切り離そうと魂をつまむ
赤く熟れすぎた魂は脆い
ハサミで切り離したそれから
どろり、
溢れだす
へばりついていた孤独は
転移していて
魂のなかにまで入り込んでいる
赤い魂は酸素に触れ、黒に変化してゆく

どうしようもなく孤独なのだ!
救いようのないそれを
満たされないとわかっていながら待つ時間を
黒い魂を抱きしめながら
わたしは祈る
なにかもわからないまま、忘れてしまったことを
この点在する孤独が
わたしの肉体から消え去った時
なにが残るのだろうと考えながら
わたしは
酸素を取り込んでいる

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