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生活 with 本屋大賞 第四週

本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。


【22日目】 2023年2月10日(金)

こうしてゆっくりとページがめくられ、もう終わってしまったほかのページの上に重ねられる。だが、今のところは読み終わったページの嵩はまだまだ薄く、それに比べてこれから読むべきページは無限に残っている。だが、中尉よ、それでもやはりひとつのページが終わり、人生の一部が過ぎ去ったことにはちがいないのだ。

ブッツァーティ『タタール人の砂漠』脇功訳、岩波文庫(p.219)

カーテンを開けるとしんしんと降る雪が目に入った。少なくとも昼頃までは降らないと思っていたのでこれは計算外だし、「しんしんと」なんて呑気に言えてしまう自分にも驚いた。午前中のうちに買い物に出るつもりだったけど予定変更、家で本読んでいよう。朝ご飯を済ませコーヒーを淹れて『タタール人の砂漠』、ちびちび読み進めていたけど今日はがっつりいきたい気分だ。

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