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伊達がグラフに勝った日

いろんなことに行き詰まってつぶれてしまいそうだった頃。

何を見るともなくつけていたテレビ。テニスやってる。

伊達公子対シュテフィ・グラフ。グラフが女王ってことは知ってる。伊達もかなりいい感じに強くなってることも。

ぼんやり眺めていた試合。途中から異様な雰囲気を感じるようになった。ひょっとしたら伊達が勝っちゃうかも知れない。いやいや、さすがにそれはないでしょう。

いや、ひょっとしたらひょっとするかも。

よし、もしも伊達が勝つようなことがあったら、そのときは俺の人生も好転するに違いない。俺の人生をこの試合に賭けてみるか。がんばれ伊達。がんばってくれ! 伊達!

寝転んで見てたが正座に直った。

ファイナルセットはいつ終わるともわからない一進一退。

手に汗握る。足は痺れる。ここで足を崩したら伊達に申し訳ない。俺の足などどうでもいい。人生がかかってるんだ。

勝ってくれ! 伊達!

決勝点の瞬間、思わず雄叫びを上げていた。

その後、俺の人生が好転したかどうかはよくわかんないけど、今こうして元気で幸せに暮らしているのだからきっと良い方向に転んでんだろう。

ありがとう伊達公子。グラフもすごかった。

ふと思い出して書いてみたよ。



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桑原和弘/陽明学/リーダーシップ/幕末好き
世界のゴキゲンが増えるといいなって考えたりしゃべったり書いたりしてます。ありがとうございます。