助けを求めてくるのに助けを受け取らない人(心理的ゲーム)
なんでかわかんないんだけどこの人とはいつもうまくいかないんだよなってことあるよね? なんかよくわかんないけどいつも同じようなやりとりになって結局お互いに嫌な気持ちになっちゃうとか。
これ、交流分析っていう心理学でいう「心理的ゲーム」をしている可能性が高いんだよね。
「心理的ゲーム」についてnoteに書こうって言いながらまだ書いてない。交流分析の創始者エリック・バーンの言葉を借りると、心理的ゲームとは「こじれた人間関係やパターン化された対人トラブルを引き起こす自滅的なコミュニケーション」とのこと。
人間として生きていく上で必要な心の栄養を手にれるためにこの「心理的ゲーム」を仕掛けて実行するのだそうだ。人によってゲーム大好きな人もいればゲームを必要としない人もいる。
この「心理的ゲーム」にはいろいろなパターンがあって、今日のタイトルにした「助けを求めるのに助けを受け取らない人」が繰り広げるのは「はい、でも(Yes,But)ゲーム」にあたる。
A ちょっと相談に乗って欲しいんだけど、いい?
B どうしたの? 何かあった?
A うん、ちょっと参っちゃってて。
B 何があったの?
A 職場でトラブルが絶えないというか、部下が思うように動いてくれなくて。
B そうなんだ、大変ね。
A 我慢も限界で強く叱責しちゃったんだよね。そしたら全員で退職しますって乗り込んできて。
B それは参るね。ひとまず強く叱責したことを謝って思いとどまってもらうのがいいのかな。
A うん、でも自分の立場上それはできないな。退職しなかったところで仕事がしにくくなるからね。
B それじゃ思い切って退職を認めちゃうってのはどうかな。部下たちも拍子抜けするかも知れないし。
A うん、でも今やめられると困るんだよ、実際。参ったなあ。
てな具合なやりとりがしばらく続く。Bさんが何を持ちかけても受け取らないAさん。そのうちBさんがキレはじめるんだ。
B てか、参った参ったって何とかしなきゃなんないのにあれもできないこれもできないじゃ埒が明かないよね。
A うん、でも実際参ってしまってるから相談してるんじゃないか。
雲行きが怪しくなってきたね。
このやり取りのはじめの頃、Aさんはゲームの舞台で「犠牲者」の役を演じじている。Bさんはそれを救い出す「救援者」の役。
Bさんは懸命にAさんを救おうとするもののAさん一切受け取らない。途中で演じる役割を変えちゃう。
さっきの
B てか、参った参ったって何とかしなきゃなんないのにあれもできないこれもできないじゃ埒が明かないよね。
A うん、でも実際参ってしまってるから相談してるんじゃないか。
の「相談してるんじゃないか」あたりでAさん、自分の役を「犠牲者」から「迫害者」にチェンジ。Aさんのことを助けようとしても助けられないBさんが無能であると攻撃を開始する。
このあとAさんは「もういい、頼りになるからって君に相談した俺が間違いだった」とかなんとか言ってプンスカ席を立つことになる。
残されたBさんも「なんだよ勝手なやつだな、勝手に参ってりゃいいんだ」とかなんとか、こちらもプンスカしちゃう。
BさんはAさんが仕掛けた「こじれた人間関係やパターン化された対人トラブルを引き起こす自滅的なコミュニケーション」に巻き込まれたと。
人との関わりをもつためには手段を選ばない。たとえ双方が不愉快になっても。ゲームを仕掛ける人には渇望感というか、自分に対する欠落感を抱えている人に多いみたい。自分にOK出せない人ね。
さておきゴキゲンな毎日のためには、まずゲームに気づくことかな。