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大河の一滴
五木寛之の、「大河の一滴」を読みました。
人生というものは、おおむね苦しみの連続である、という書き出しで始まっているこの本の内容は・・・
人はみな大河の一滴である。現世に生れ落ち、人生という川の流れに他の無数の一滴たちとともに身を任せて、いつかしら海(あの世)へと注いでいく。この一滴であるかけがえのない命を、どんな形で全うしていったらいいかを、たくさんの例や仏教の教えをあげて紹介している、というものです。
さらに、プラス思考や頑張ることにもう疲れてしまった人々へむけて、作者は静かに語りかけます。
「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」「傷みや苦痛を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、究極のマイナス思考から出発したのだ」と。
確かに絶望すると、深い穴の中に落ち込んだようですが、不思議に心は鎮まるように感じます。もう、これ以上落ち込まなくてすむんだ、と。幸せいっぱいの時は、見過ごしていた道路わきの小さな花を「お前も頑張って咲いているんだね」と、愛おしく感じたり・・・
生き方の教えのような固いお話ですが、こんなエピソードも紹介されています。
日本の男性が先輩や後輩に対して、最初に発する感嘆詞の音は、猿といっしょだ。電話をうけたとき、先輩からだと、
「あ、◯◯さんですか。」というのに、後輩からだと、
「お、◯◯くんか。」となる。
チンパンジーも自分より強い相手にあうと、
「あっあっあっ」といい、弱い相手には、
「おっおっおっ」と威嚇するのだそうです。
そういえば、わたしも、ケアマネをしていたころ、毎日20回は電話していましたが、相手が出ると、
「あっ、◯◯さんですか?」と言っていたなぁと笑ってしまいました。
電話といえば、最近おもしろい?間違い電話がありました。
わたし;はい。
(未登録の番号からの場合自分から名のらないようにしている)
?さん;おれだけど、ひろみ~、早く来いよ、
待ってるんだからさあ。
わたし;あの、間違い電話だと思いますけど。
?さん;ひろみ、なに、きどってんだよ。
わかってるから!じゃあ、待ってるからな!
わたし;わたし、ひろみじゃありません!
?さん;またまた!いいか、早く来いよ!
で、切れてしまった。これ、なに?ですね~。
間違い電話といえば、同じ相手から何回もかかってきて困ったことがあります。4回目くらいに、受話器をとるとまた同じ声で「◯◯さん?」というので、早口で
Hello! This is Mrs.Latona speaking.May I have your name,please!
と、言ったら、相手は「ア、アイアムソーリー」といって切り、二度とかかってこなかった。やったぁ!です。
ミセス・ラトーナとは、昔英会話をならっていたときの先生の名前です。
こんな、たわいもない、こころのゆらめきの一滴も、集めてみれば、大河になり、生きるのも悪くない、という思いにつながっていくのかもしれない、と思ったりします。
おわり
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