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名著「 Who Moved My Cheese?(チーズはどこへ消えた)」から学ぶ成功法則

「チーズはどこへ消えた?」(原題:Who Moved My Cheese?)は、スペンサー・ジョンソンによる自己啓発書で、全世界で2800万部以上の売り上げを誇るベストセラーです。

あなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

この本は、私たちが日常で直面する変化や不確実性にどう対応すべきかを寓話を通して教えてくれる一冊です。この物語に登場するネズミや小人たちは、人生におけるさまざまな選択や態度を象徴しています。それぞれのキャラクターがどのように変化に向き合い、チーズを探すかの過程は、私たち自身の行動を見直すヒントを与えてくれます。

受け手によってさまざまな解釈や教訓が得られる内容になっていますが、個人的に得た気づきを紹介していきます。


物語のあらすじ

物語の舞台は迷路で、そこに住む2匹のネズミ(スニフとスカリー)と2人の小人(ヘムとハ)が登場します。彼らは迷路の中でチーズを探し、それを見つけることで幸せや成功を感じます。しかし、ある日突然、彼らのチーズが消えてしまいます。この出来事を通じて、各キャラクターは異なる反応を示し、それぞれの行動が変化に対する態度を象徴しています。

スニフとスカリーは、すぐに新しいチーズを探しに出かけます。彼らは変化を受け入れ、迅速に行動することで新たなチーズを見つけることができます。一方、ヘムとハは、チーズが戻ってくるのを待ち続け、現状に固執します。しかし、やがてハは変化の必要性に気づき、新しいチーズを探しに行く決心をします。

どんな人にオススメか

この本は、特に変化を恐れやすい人々に向けられています。職場やキャリアの転機に直面しているビジネスパーソンだけでなく、個人的な生活の変化にも適応することが求められる人々、例えば人間関係、健康、財政面など、あらゆる領域において変化が避けられない状況にある人たちがターゲットです。

本書では、変化に対処するために4つの登場キャラクターが描かれます。

・ネズミの「スニッフ(Sniff)」:変化を早く察知し、新しい状況に迅速に対応する。
・ネズミの「スカリー(Scurry)」:すぐに行動し、適応する力を持つ。
・小人の「ヘム(Hem)」:変化を恐れ、状況に固執し続ける。
・小人の「ホー(Haw)」:初めは抵抗するが、最終的には変化を受け入れ、新たな道を見つける。

これらのキャラクターは、それぞれ異なる変化に対するアプローチを象徴しています。読者は自分自身をどのキャラクターに重ねるかを考えながら読み進めることが求められています。

著書で伝えたいことは何か

本書の重要なメッセージは、変化は避けられないが、対応するかどうかは自分次第ということです。Johnsonは次のように書いています。

“Change happens. They keep moving the cheese.”
「変化は起こる。チーズは動き続ける。」

「チーズ」は、仕事、愛情、成功、健康、幸福など、私たちが価値を置くものを象徴しており、その「チーズ」は常に動いている、すなわち変化しているということです。この事実にどう対応するかが重要であり、変化に直面したときの姿勢が成功と失敗を分けると著者は強調しています。

この話には3つの大切な教訓があります。

1つ目は、考えすぎずにまず行動することです。迷路の中の2匹のネズミは、あまり考えずにすぐにチーズを探し始めます。これにより、早く新しいチーズを見つけることができました。

2つ目は、変化に気づくことです。チーズはいつかなくなります。だから、変わりゆく状況に気をつけ、準備しておくことが大切です。

3つ目は、新しいチーズはいつか見つかるということです。動き始めると、状況は良くなります。変化を恐れず、進み続ければ、また成功や幸せを見つけられるのです。

迷路の中にいる小さな人たちの一人は、ずっとチーズがなくなった場所にとどまり、動こうとしませんでした。しかし、もう一人は最終的に「新しいチーズを探そう!」と決め、勇気を持って動き始めました。すると、ついに新しいチーズを見つけることができたのです。

また、物語の中でホーが「新しいチーズ」を探しに出発する際の言葉が、変化を受け入れることの重要性を強調しています。

"If you do not change, you can become extinct."
「変化しなければ、絶滅してしまう可能性がある。」

つまり、変わらないことはリスクであり、変化を恐れて行動しないと、現状維持すら難しくなるという教訓を伝えています。

私たちがするべきこと

この本を読んだ後に取るべき具体的な行動として、次のポイントが挙げられます。

・現実は常に変化していることを認識する  

現実を受け入れ、今の環境や状況が変わったことをまず認識することが第一歩です。

・新しい道を探す勇気を持つ 

変化が起きた後、チーズ(機会や成功)を探し続けることをためらわず、新しい環境や道を見つけることが求められます。 
例として、ホーが最後に壁に書いた教訓に次の一文があります。

"Move with the Cheese and enjoy it!"
「チーズと一緒に動いて楽しんでください!」

これは、変化と共に前進し、変化を楽しむ姿勢を持つことの重要性を示しています。


・変化を恐れない習慣をつける  

変化に対する恐怖や不安は自然な反応ですが、それを乗り越え、ポジティブに変化を捉えるためには、日常的に柔軟性を養うことが重要です。変化を「敵」ではなく「友」として受け入れることを心掛けるべきなのです。

本書の結論

本書の結論は、変化は必然であり、それを受け入れて積極的に行動すれば、新たな成功やチャンスが得られるということです。物語の最後に、ホーは次のように壁に書きます。

“The quicker you let go of old cheese, the sooner you find new cheese.”
「古いチーズを早く手放せば、新しいチーズも早く見つかります。」

過去の成功や安定に固執するのではなく、早く手放して新しいチーズ(新たな成功や機会)を探しに行くことが、私たちが変化に適応するための最も効果的な方法だと結論づけています。

「恐怖や不安にとらわれること」の恐ろしさ

「Who Moved My Cheese?」は、シンプルな物語の中に、現実世界で変化にどう対処すべきかという深い洞察が詰まった本であり、変化に直面している全ての人に強いメッセージを届けています。

また人生やビジネスの中で変化が避けられない現実を受け入れ、それに適応する力を育てることが必要不可欠であるということを伝えています。 Johnsonは、以下の言葉で変化への恐怖心を克服することを強調しています。

“What would you do if you weren’t afraid?”
「もし怖くなかったら、どうする?」


これは、恐怖や不安にとらわれることが、私たちが変化に対応する力を奪っているという洞察です。恐れずに行動することが、変化に適応するための第一歩であると繰り返し述べています。

「恐怖や不安にとらわれること」で具体的に起こる不利益とは

恐怖や不安にとらわれることで直面する「お金に関しての不都合」として、以下の3つを上げさせていただきたい。

投資や資産運用の機会を逃す

恐怖や不安が強いと、リスクを避けたいという気持ちから、投資や資産運用に挑戦することができなくなります。

例えば、株式投資や不動産投資のチャンスがあっても、「損をするかもしれない」「失敗したらどうしよう」と不安に思い、何もしないことで、資産を増やす機会を逃してしまいます。

長期的には、インフレや物価上昇によって貯蓄の価値が下がるリスクがあるため、結果としてお金を減らすことにもつながります。

給与や昇進交渉での不利益

不安や恐怖にとらわれると、自分の価値を適切に評価できなくなり、給与交渉や昇進の機会で十分な主張ができないことがあります。

たとえば、「自分はまだ準備ができていない」「評価されないかもしれない」と感じ、昇進や給与アップを求める勇気が出ない場合、他の人と比較して低い給与やポジションにとどまることになります。

これにより、長期的に得られる収入が減少し、経済的な成長を妨げます。

起業や副業のチャンスを逃す

恐怖や不安が強いと、起業や副業など新しい収入源を探す勇気が出ず、現状に甘んじることがあります。

特に、起業や副業にはリスクが伴うため、「失敗したら借金を背負うかもしれない」「うまくいかないかも」という不安が先行し、行動を起こせなくなります。

これにより、長期的には自分の収入源を増やす可能性を失い、経済的な自由や安定を手に入れるチャンスを逃してしまいます。

さいごに

今回は「Who Moved My Cheese?」について取り上げてみました。

恐怖や不安は誰もが感じるものですが、それにとらわれすぎると、私たちは成長や成功の機会を逃してしまうことになります。逆に、変化を前向きに捉え、新しい環境に適応することで、より良い未来を切り開くことができるのです。

この本はビジネスマンだけでなく、変化に対する不安や迷いを抱えるすべての人にとっての道しるべとなるでしょう。ぜひ、あなたも自分の「チーズ」を探し、新しいチャンスに挑戦してみてください。

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