【飲食店のコロナ対策】売上減少を食い止めるためにやったことまとめ
僕は現在東京都の飲食店でシェフ兼マーケティング担当をしています。
当店でも例外なくコロナの影響を受けていて客数・売上共に減少しています。しかし全く売上が立たないということはなく、できることをできるだけやってある程度の売上を確保しています。
依然として復活の兆しが見えない中多くの飲食店が廃業の道へと進んでいますが、少しでも多くのオーナーさんや社長さん・従業員の方が救われるように当店でやった「飲食店のコロナ対策」をシェアしたいと思います。
【簡単に自己紹介】
調理の専門学校卒業後ミシュランの星付きレストランからバル業態・全国チェーン店など都内の飲食店で修行後独立。3年と少しオーナーシェフとして自身のレストランを運営。その後売却し飲食店のコンサルティング・飲食事業部の立ち上げなどを行いつつ都内のレストランでシェフとして働く。
1. お弁当のデリバリー
まずはお弁当のデリバリーに取り組みました。
これはどこのお店もやっていると思いますが具体的にどう動いたのか?を説明します。
[UberEats]
ウーバーイーツ対応の地域であればまずは登録しましょう!当店はすでにあった自分たちのお店のブランドのブラッシュアップと新ブランドの立ち上げを行い、現在2ブランドをウーバーイーツ内・同一店舗で運営しています。
ウーバーイーツはすでに多くのライバルがしのぎを削り合うレッドオーシャン。その中にポッと自分のお店があってもなかなか注文は入りません。
ウーバーイーツ での注文を増やす方法は
・検索の上位に表示されること
・SNSなどで告知し外部から流入を得ること
の2つが考えられます。
まず既存店舗で検索上位表示を狙いました。このための方法は
・メニューの数を15種類(以上)にすること。
・アプリを常にオンラインにしておくこと。
・メニューに写真・説明があること。
・注文はしっかり受け、キャンセルを出さないこと。
これはウーバーイーツ も推奨しているやり方です。
これらを意識し、既存店の改善を行なったところ今まで相当下の方にあったページが一気にトップ3に!そこからはコンスタントに注文が入るようになりました。
もう一つが新ブランドの立ち上げです。
2月下旬。徐々にコロナの話題が増えてきた頃に「これは準備しとかないとマズイかもしれない・・・」と思いすぐにウーバーイーツ へ連絡。
申請からメニュー作成・写真撮影・ブランディングを最短距離で行い、3月下旬には新しいブランド(ゴーストレストラン)をウーバーイーツ 内にオープンしました!
こちらは主にインスタグラムでブランディングし
・フォロワーを増やしウーバーイーツ へ流入させる
・購入した人をインスタグラムへ誘導する
この2つを意識して運営しています。
この2つの素早い対応が功をそうしてウーバーイーツ の注文である程度の売上を確保することができています。
【Menu】
「Menu」とはウーバーイーツ と似たようなデリバリーサービスです。最近デリバリー業界に本格参入しました。
柱は多い方がいいのでこちらも登録することをお勧めします!
<簡単まとめ>
1. ウーバーイーツ に登録しよう → https://www.ubereats.com/jp
2. Menuに登録しよう → https://service.menu.inc/
2. お弁当のテイクアウト
次にお弁当のテイクアウトです。
こちらはオンラインとオフライン、2つの軸で取り組みました。
【PICKS】
PICKS(ピックス)とはお客さんが近くの飲食店を検索しオンライン上でお弁当をチョイスし決済。その後直接お店に取りに行く、というサービスです。
店頭での待ち時間を無くしたテイクアウトが特徴。
こちらも当店はすでに導入済みだったのでお弁当の種類を増やし本格参戦!注文数は少ないですが、初期費用・固定費が0のためやらない手はありません。
【TABETE】
TABETE(タベテ)とは、フードロス削減をコンセプトにしたテイクアウトサービスです。お店で余った料理をお弁当箱に詰めて登録。すると、それを見たお客さんが購入・決済。その後取りに来てくれる流れです。
現在はフードロスに関係なく出品できるようになっているので普通にお弁当を販売しています。
こちらは単価が安めですがほぼ売れるため確実に売上の補填になっています。
デリバリーや他のテイクアウトサービスで残ってしまったお弁当をTABETEで価格を下げて売り切る、のがいいと思います。
【店頭販売】
店頭に張り紙をして店舗の力で直接購入に繋げる努力も欠かせません。
お弁当のラインナップを整理しチラシを作成。これを店頭に貼ったところ、チラシを見て入店してくれてそのままお弁当を購入してくれる方が増えました!
お弁当告知はぐるなびや食べログなどのサイト・各種SNS・Googleマイビジネスなどでも行いました。
現在では1日10個以上はこの張り紙が稼いでくれています。
店頭で直接販売するときのポイントは
・価格の幅を広めに用意しておく(安くないと買わない人には安く、高くても質重視で買う人には高く売るため)
・既存メニューの食材を回せるようなお弁当メニューにしておく(フードロスをなるべくなくすため)
・待ち時間が長くならないように対策する(クイックメニュー・おしゃべりで気を引く・ドリンクをサービスするなど)
<簡単まとめ>
1. PICKSに登録しよう → https://picks.fun/
2. TABETEに登録しよう → https://tabete.me/
3. 店頭でも売れるようにしよう
3. アフターコロナに向けての準備
いつか来るアフターコロナに向けて僕たちが準備していることも少しお話ししたいと思います。
まずはサブスクの導入。
昨今どこの業界でもサブスクモデルが導入されています。これは飲食店でも例外ではありません。牛角は11000円で焼肉食べ放題で話題になりましたよね?
今やサブスクモデルは飲食業界でも必須になって来ました。
僕たちが準備しているのは「接待サブスク」。
当店は接待利用のお客さんが多い街に立地しています。毎月の接待費が記入された領収書がバラバラになり、管理がめんどくさい。そんな不満を解消するべく毎月固定の金額でサブスクモデル契約し、全ての接待費を1枚の領収書にまとめるサービスをしようと思っています。
似たようなサービスはあるのですがこのモデルは各レストランでも導入可能なので地道な営業で契約を結んでいきたいと思います。
接待利用のお客さんが多いお店は資料を作って既存客にアプローチしてみてはいかがでしょうか?
もう一つが「会員システム」。
不況時に強いのは常連のお客さんや応援してくれる人が多いお店。そのためにお客さんをゆるーく囲っておけるのが会員システム。
僕たちがやろうとしているのはよくあるポイントカードやスタンプカードではなく「会員権」の発行。少額(500円ぐらい?)で会員カードを発行する。会員特典には「値引き」を載せるのではなく「特別扱い」や「優越感」「限定」をサービスとして載せる。
例えば「会員限定裏メニュー」や「予約制裏テイクアウトメニュー」など。
もちろんデザートサービスやワンドリンクサービスなどもOK!(10%オフなど値引きで会員を集めるのはダメ)
ここでゆるーく会員を集めたら上のサブスクモデルへ移行、のような流れも期待できます。
4. 最後に
この情勢がはっきり言っていつまで続くかは誰にもわかりません。
飲食店は個人店レベルであれば内部留保(貯金)が1〜2ヶ月程度しかないため(それでもいい方)ゴールデンウィークを超えたあたりに緊急事態宣言が解除されず、この自粛ムードが5月、6月と続くとかなり厳しくなってくると思います。
ぶっちゃけ5月末で廃業する飲食店が激増する予想です。
お店を開けたくてもお客さんは来ない。そもそもこの時期に集客すること自体が「悪」な雰囲気・・・
それでもお店や従業員を守るため多くの人が今日もお店を開けてお客さんを待っています。なのでこれを読んだ「お客さん」はお店を開けている事業者さんを責めないであげてください。
この記事が少しでも飲食関係の人に役に立てば幸いです。
みんなで乗り越えていきましょう!