外に求めなくてもいい
いつものように海を眺めていると、
島の方から小鳥のさえずりが。
いつもより賑やかな様子です。
僕は自分の菜園を作るために
30分ほど歩いた内陸に行くことはあるんですが、
実はこの島の内陸にはとても美しい小さな湖があります。
風もなく透き通った水面は、
その境界線がわからないくらい。
海とは違う、湖水の表情は
広大な海の大らかさとは違い
とてもやさしい。
海にはない、
その柔らかい表情で
自分を内面へと向かわせてくれます。
僕はいつも
島から外の海に向けて
色々な思いを巡らせていることがあります。
大事なものって外に求めがちですよね。
都会にいた頃も
僕は何でも外に求めていましたね。
外にサポートや知恵を求めたり、
遊び場を求めて、お金片手に夜の街に行くこともありました、
何か新しいことを知るために、
いろんな勉強会にも参加したな。
でも、こういう場所にいて、
自然を眺めていると、
不思議なことに外に何かを求める
という気持ちがなくなるんですよね。
考えるのは常に自分の内側。
人は常に外側に何かを求めようとしますよね
例えば知識を振りかざす人も世の中にはたくさんいる。
僕は今までに色々な人と出会ってきました、
そしてそんな中で馬鹿にされたりもしてきました。
ある銀行家にはこう言われました。
「そんな事業で融資できると思ってるんですか?」
「世の中のことしらないんですか?」
ある弁護士はいいました。
「法律知らないんでしょ?」
「言われた通りにしたほうが身のためですよ」
ある女性は僕の服装を見て、
「何その服、流行りのブランド知らないの?」
ある時には、
「人生無駄にしたな」とぐらいまでに
言われたことがある。
でも、そういう人たちは、
なんでも外に求めていこうとする人たちです。
だからこそ自分の価値観を外側に向けて
認めさせようともする。
でもそれはおかしいことなんですよね。
知識や技術というものはあくまで
自分の外にあるものでしかない。
その人自身ではないんです。
もっと大切なのものは
その人の内側にあるものだと思うんです。
内面を見つめる。
このことを考えると僕はいつも
アップルの創設者でもあった
スティーブ・ジョブズを思い浮かべるんです。
彼についてはみなさんも良く知っていると思いますし、
その多くの格言やエピソード時は
よく知られた話だと思います。
彼は若い頃に、
エンジニア仲間と禅の修行に旅をしていたほど
東洋哲学に傾倒していた人物なんですね。
それゆえに、
内面にある本質を
探ることに長けた人でもありました。
あの薄いmacbook airも
パソコンの機能性の限界を
究極までに削ぎ落とした製品ですし、
みなさんも使っているいiPhoneは
電話やパソコン機能、エンターテイメントのすべてを
凝縮させた究極のツールです。
特に僕が当時印象的だったのが、
10年以上も前に発表された
スケルトンデザインのiMacでした。
それまでパソコンといえば
中身の見えないブラックボックスが常識でした。
それを、本体を半透明のプラスチックで覆うことで
中身をあえて見せるパソコンをつくってしまった。
本来ユーザーに見えないはずの
基盤の整然とした内面の美しさ
それを目にして衝撃を受けた記憶があります。
パソコンというのは
これだけの多くのパーツや開発者の努力の結晶で
動いているんだとそのiMacを見ながら感動したのを
昨日のことのように覚えています。
ジョブズという人は、
アメリカの大量消費社会の中で生まれながらも
そうではない部分、内面的なことの大切さを
伝えたかったのかしれません。
人は外ばかりを気にします。
結婚や就職をするのにも
周囲の知人や親戚の目を気にしてしまう。
そしてよく見られたいと
ブランド服を着飾り、
高級車を乗り回したりする。
もちろんそういうものは
人それぞれの生き方だから自由だと思う。
でも、外ばかり見ていないで
もっと内面に目を向けると
色々なことが見えてくると思うんですね。
忘れていたこと。
本当に価値のあること。
内側を大事にしていけば、
他人を羨んだり、
妬んだりもする必要は無くなります。
僕はこの湖を眺めながら
とても不思議な感覚を覚えるんです。
雨は世界中どの場所にも等しく降り注ぐ。
この島にも同じようにです。
その一部は
森林の葉を伝い、幹を伝い、
やがて土にしみこんで、
濾過され湖に溜まっていく。
そうしたこの場所に、
それにふさわしい生態系が生まれていきます。
これは人も同じなんじゃないかな。
その人の内面には
時間をかけて蓄積されてきたものがある。
だからこそ、
そういうものを大切にしていきたいと
いつも思うんです。
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みなさんにとって、
良き一日になるように
今日も遥か遠い場所から願っています。
いつもありがとうございます。
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