孤島の窓辺から #025「形あふれる時代に、必要なもの」
昨日まで信じられないと思っていたことが、
今日の当たり前になってしまうのが
僕たちが、今生きている現代。
漫画の世界で、ドラえもんが四次元ポケットから
便利な道具をとり出して、
のび太くんのピンチを救ってきたように、
人々が必要なものが、いつでも簡単に形になって手に入ってしまう。
そんな現実が、すぐ目の前にまで迫ってきています。
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例えば「3Dプリンター」。
この技術といえば、数年前までは、
小さなフィギュアや道具しか作れない程度のものでした。
「それらしいもの」しか作れない技術に対して、
多くの人が信用などしていませんでしたし、
当時、3Dプリンタで拳銃や武器を作ってしまった人がいたというので
日本でも悪いニュースとして広まってしまい
この技術にはあまり明るいイメージはありません。
5G、AI、ビッグデータ、Iot、Defiなど、
現代には新しい技術やキーワードが溢れすぎて、
いつの間にか耳にすることもなくなっていました。
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実は今、
この3Dプリンタが大変な進化を遂げているんですね。
当時は限られた素材しか扱うことができなかったけれど、
今では、プラスチックやゴムではなく
金属やガラス、石や細胞、食べ物の有機素材まで、
「元素周期表」に載る素材ほとんど(!!)を
再現できるのだそう。
3Dプリンタで人工腎臓や血管なども印刷され、
あと数年もすれば、人工臓器が市場で売買されます。
また、「買い物」の概念も大きく変わるかもしれません。
近い将来、各家庭に「3Dプリンタ出力機」を置いておけば、
ネットで購入した商品が「郵送」されるのではなく、
家の出力機へデータ転送され、
そこで商品が生成されてモノが届けられる。
そんな未来は、
それほど遠い先の話ではないという識者もいます。
それが現実化すれば、
通販どころの騒ぎではないですね、、、。
宅配もいらなくなれば、国をまたいだ関税もいらない。
在庫もなくなるので、廃棄もなくなります。
今後ますます加速するオンライン生活や、
SDGsなどの世界的に持続可能な社会に向けて、
もしかしたらとんでもない技術として発展していくのかもしれません。
その3Dプリンタ。
実はとんでもなく「大きなもの」さえもつくれてしまうまでに
進化しているんです。
今ではアフリカや中国では、
3Dプリンタを使って一戸建てやマンションも作っているらしく、
しかも24時間で建ってしまうのだという。
コスト的にも数十万円程度(!)。
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便利なような、
どこか寂しくもあるような、、、。
あらゆるものが
考えられないスピードとコストで形になっていく。
そんな時代が向かってくるのを、
すぐそこに感じています。
「何にでも形にしていける時代」
そうした時代だからこそ、
「形のないもの」や「形になる前の思い」というものが
大切になってくるのだとも思います。
それはアイデアだったり、
価値観やセンスだったり。
自分の中にどのような考えや想いを育ててゆけるか。
自分の中で熟成させていきながら、
ゆっくりと時間をかけて形にしてゆきたいこともあります。