
フリースクールでの教育活動
「フリースクールでの教育活動をどのように決めていますか?」というご質問を最近、良くいただいています。
この記事では、活動内容の決め方について、フリースクールHIROでの例を元にご説明していきたいと思います。この記事は、以下の様な方におススメの記事になります。
フリースクールをこれから始めようと考えている方
教育活動を具体的にどのようにしようか悩んでいる方
教育活動での活動内容の幅を広げたい方
記事の内容の中には、個人的見解/意見も多く含まれることから、参考程度に読んでいただけましたら幸いです。
フリースクールにおける教育活動の考え方
フリースクールを利用される生徒及び保護者の方々より必ずある質問の一つが「出席扱いになりますか?」です。フリースクールHIROでは、利用していただいている小中学生全員において、「要録上の出席扱い」として所属学校さんには認めてもらえています。では、どうしたら、出席扱いとして認めら
れるのか?
以前、書いた記事にもありますが、以下の点が重要です。
①「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
②不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行なった場合の指導要録上の出欠の扱いについてhttps://www.mext.go.jp/content/1422155_001.pdf
③民間施設についてのガイドライン(試案)
https://www.mext.go.jp/content/1422155_004_2.pdf
一言でいうと、「所属学校の校長先生」に認めていただけるかどうかということになります。では、校長先生が認めるかどうかの基準についてどのような話/例が今まであったかというと以下の点になります。
科目学習をどのように行えているか?
空間/居場所がどのように設定されているか?
運動をどのように行えているか?
生活(指導)をどのように行っているか?
他の学校さんはどのようにしているか?
上記のことを考えるとポイントは以下のようにまとめられると思います。①科目学習/サポートを行っていること ②生活/学習できる環境を整備してあること であると思います。また、上述の最後に書いた「他の学校さんは?」という質問はほぼ全ての学校さんから聞かれます。やはり、そのフリースクールさんにおいて前例があるかどうか?は学校にとって、非常に大切な情報になるのだと思います。一方で、フリースクールから考えると、最初の1例目のハードルと意見交換がとても大切になるのだと思います。
フリースクールのスタッフ配置について
フリースクールのスタッフ配置…約1年の活動を通して実感していることですが、「教育に携わった経験を持つスタッフ」の重要性です。
フリースクールHIROでは、社会福祉専門職スタッフを中心として開室しました。学習サポートという形で開始したのですが、学習支援をどのように進めていくのか?教育活動をどのように進めていくのか? 社会福祉専門職の姿勢(生徒や保護者と一緒に決めていく)ことを遵守しつつ、サポートしていました。これで十分とは思うこともなく…もっと効果的に教育活動をするには…と悶々とした日々を過ごしていました。
その後、実際に元教師/フリースクール運営経験者/フリースクールでの教育活動経験者であるスタッフと協働させていただく機会に恵まれました。
その結果、利用している生徒一人一人の学習に取り組む姿勢/学習進度&深度/学習の幅/笑顔が格段に良くなった!と実感しました。
フリースクールだからこそできることなのかも知れませんが…生徒一人一人の学びについての考え方を中心として、福祉専門職&教育専門職がそれらを実現可能なものにしていく仕組みが重要であろうと思います。しかしながら、そこまでスタッフを揃えることも難しい…そういう声もあるかと思います。その際に実現可能にする大切なことは以下の点にあると思います。
・教育&福祉に関連した人とつながり/相談できる環境をつくること
・必要に応じてコンサルテーション出来るようにすること
・一人で全てを抱えすぎないこと
フリースクールにおける教育活動の決め方
フリースクールHIROでは、以下の様なタイムスケジュールで1日の流れを決めています。
基本的な考え方として、以下の点を大切にしています。
① 生徒一人一人の学びたいをサポート
② 経験学習→科目関連学習へのつながりを生徒と一緒に考える
③ 興味関心をサポート
根底にある考え方は「生徒/保護者と一緒に」です。
当然ですが、学び方/進度等は生徒一人一人それぞれ違うこと、それらを大切にしつつ、支援者だけで決めない様にしています。
支援者としてできること、得意なこと/苦手なことなども共有しつつ進めていくのが良いと考えています。
教育活動の本質について考える
教育活動は本当に素敵なものであると実感しています。
「教育」の目的などを文部科学省のHPではどのように明記しているのかというと。
「第1条(教育の目的) 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」
文部科学省HP
文部科学省HPに記載された内容を1つ1つ細かく紐解くことはしませんが、私は今までの経験、実践を通して、教育は「人(教育者)と人(生徒/学生)が一緒に成長する営み」であると考えています。教育は人と人との相互作用から生み出される貴重な体験だと思います。教育活動を通して、「人間的成長」「人の価値の醸成」など、様々な気づきや学びがあり成長していく…。そう信じています。
まとめ
様々なスタイルのフリースクールがある中で、これが正しい!という教育活動は正直「ない」のだと思っています。しかしながら、生徒一人一人に寄り添い、「生徒も支援者も成長できる」と実感できるような教育活動が多くの公教育現場やフリースクールなどで実感できるといいな♪と思っています。
以上、長文、最後までお読みいただきありがとうございました!!!