生活習慣病(高度肥満)とソーシャルワーク実践について
生活習慣病とソーシャルワーク…何それ!?と思う人も少なくないと思います。また、恐らくこの記事をアップする時(2021年5月)にはまだまだその領域に携わっているソーシャルワーク専門職の方々は少ないのが現状だと思います。
私は医療ソーシャルワーカーとして勤務し始めた1年目から退職するまで約17年間、「生活習慣病、特に高度肥満に対する外科治療のソーシャルワーク」を行ってきました。年間約1,000人の患者と面談及び支援に携わり、延べ15,000人を超える方に携わらせていただきました。
現在は、高度肥満に対する外科治療は一部保険診療にもなり、多くの人に認知される治療になりつつあります。私自身も様々な実践及び研究等で日本における高度肥満に対する外科治療の普及に僅かながらも貢献できたことを嬉しく感じています。
この記事では、生活習慣病、特に高度肥満に対する外科治療とはどういうものなのか?なぜ、ソーシャルワーカーがその分野に関わる必要があるのか?そして、関わることでどんな効果があるのか?などを今までの経験なども含めまとめておきたいと思います。もし、今後、ソーシャルワーカーとしてどなたかが治療に関わる際、この記事を読んだ時に参考になればと思います。また、以下の実践知(実践から得られた知識)は様々な分野で応用可能だと思っています。(実際、教育分野等でも役に立つ知識/技術が多いのではないかと実感しています。)
1 生活習慣病(高度肥満)とは?
高度肥満症の定義は、BMIが35以上とされています。重大な疾病で、重病として扱われるべきものであるといわれ、診断や治療の対象と位置づけられています。BMIは体重(kg)÷(身長(m)の二乗)(=kg/㎡)で計算されます。例えば、身長170㎝、体重75㎏の人であれば、「75÷1.7÷1.7=25.9」となります。私自身がお会いしたことがある方の中ではBMIが100を超えている方もいました。
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