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卯岡若菜
2018年3月1日 14:22
高三の二月、進路が決まった。春からの生活への期待感と、受験生活が終わった開放感と、これまでの生活が終わりを告げるセンチメンタル感とがないまぜになっていた。母は、ことあるごとに「これからが一番いいときだよ」と言った。「母さんも大学生のとき、周りに“今が一番いいときだよ”って言われて、そのときは意味がわからなかったけど、あとから思うと、学生時代は一番自由な時間だったからね。有意義な時間にしなさ
2018年3月2日 11:32
「卯岡さん、絶対キャリアウーマンになるんやろな」中三の冬。すべり止めの私立高受験からの帰り道で、彼は言った。「えっ、なんで」「えっ、なんで? バリバリやってく感じやん」共に試験を受けたメンバーでぞろぞろと歩道のない道の端を歩きながら、彼は不思議そうな顔をした。わたしは、(いやいや、キャリアウーマンになんてなりたいと思ったこともないんだけど)と思いながら、「そんなことないわあ」と適