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おひとり様のためのグルメコレクションvol.2

 今回ご紹介するのは、渋谷道玄坂の『スパイスカレー食堂』。

 店外の看板に「この一皿で人生が変わる!」という大胆な宣伝文句が書かれている。

 調べてみると、店主がスリランカで出会ったカレーに衝撃を受け、その味を日本でも広めたいというコンセプトのもとに営業されているらしい。

 果たして、そのお味は……。

ブラックチキンカレー ¥1200


 うん、んま〜〜い。

 サラサラしていて非常に食べやすい。胃に負担をかけないように熱々ではなく、あえて適温で提供しているとのことだが、猫舌にとってこれほどありがたいことはない。

 画像右上に具材の説明が書いてあり、黄色い豆のカレーの部分から時計回りに食べ、最後に全部をごちゃ混ぜにして食べるのがセオリーらしい。

 このカレー、食べていても全く罪悪感がない。カレーは「太る食べ物ランキング」で上位に食い込んできがちな食べ物だが、こちらの『スパイスカレー食堂』のカレーは脂少なめ、小麦粉不使用ということで実際に食べてみた感覚としても身体に優しく沁み渡っていく感触があった。

 申し訳ないことに流石に「人生が変わる」とまでの衝撃はなかったが、それでもこの店が家や職場の近所にあれば定期的に通ってしまうだろうな、とは思った。

 辛さも程よく、ターメリック、シナモン、コリアンダーなど、スパイスの香りも適度に食欲を昂進させてくれる。

 食べる漢方薬と称されてもいるようだが、確かに食べた後は心なしか体調が30%ぐらいの割合で回復したような気がする。

 実はこちらのカレーを食べた時はかなり寝不足であんまり重いモノは胃が受け付けられない状態になっていたのだが(お前いつも寝不足だな)、そんな状態でもしっかりと食べられる上、サウナに入った後のような覚醒感、すべての内臓機能を一旦リセットされたような「整い」感を得られるというおまけ付きなので、なんというか非常に懐の深いカレーである。

 四ツ谷の方に本店があり、五反田にも姉妹店があるようだが、こちらの渋谷道玄坂店ではお姉さんがワンオペで切り盛りされている。

 まあそんなに広い店内でもなく、基本カウンター席(2人用の小さいテーブル席もあるにはあるが)、食券制なので何とかなるのだろう。

 しかしそれでもやはりワンオペというのは大変だよなぁ〜と素人ながらにも感じるので、そんな状況下でも美味なカレーを作り、人当たりの良い柔和な接客をこなす姿勢には素直に感服である。


 お一人様にとって店員の方の接客態度というのは実はかなり重要な要素だ。

 もし気難しい感じの店主がいるラーメン屋とかで「オイあんちゃん、麺は1本ずつ、必ず30cmずつ啜れ?1mmでもズレたら俺があんちゃんの頭をレンゲでカチ割ってやるからな!あとウチはスープ1滴でも残すの厳禁だから、もし残すならシャワーの如く頭からスープを浴びて全身脂ギトギトになりながら帰れよ、そうしないと罰金50万円だから」という理不尽極まりないルールを強いられる場面を想像してみて欲しい。

 もう二度とその店には行かないだろう(というか地球上にそんな店存在しません)。

 だから店員の方が優しく接客してくれるという前情報はお一人様にとっては結構有益なものなのである。

 そんな事情もひっくるめ、また足を運びたいと思えるようなカレー屋であった。

 ちなみに平日は朝10:00〜営業しているのでモーニングカレーにもおすすめとのこと。 


 今度はシーフードカレーが食べてみたいですね。

 つづく

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