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ラジオジャンキーが今週享受した快楽について

 今週はスペシャルウィークということもあり、ラジオを聴くのがいつも以上に楽しい。

 自分にとってラジオを聴くという行為はもう呼吸をすることと同義であるぐらいの価値を持っていて生きるために必要不可欠なものなので、あえてわざわざこの場所で長ったらしくラジオに対しての偏執的な愛を語ることはしてこなかった(はずだ)が、今週は流石にこの面白さを一人で独占していていいのだろうかという感じる必要のない良心の呵責を感じてしまったためうっかり筆を走らせてしまった。

 なので今回は、主に日常的にラジオを聴いている方以外の方に向けて書いている。

 私は個人的に誰かから「オススメです」と言われたコンテンツは無駄にハードルを高く設定しすぎてしまって大体楽しめないので、今回の記事も「興味がなければ読み飛ばしてもらって構わないが、もし少しでも気になったら聴いてみれば良いんじゃね?まあ忙しいとか、私にはアマゾンの奥地に行って幻獣ピザベロス(たぶん顔の代わりにピザが3つ首の上についてて、チーズの匂いに誘われてやってきた人間を捕食する感じのヤツ)を討伐するという重要な使命があるからラジオなんか聴いてる暇ねンだわ、という人は別に読まなくてもいいけど」という、非常に緩いスタンスでお送りします。

 あと真偽不明ですがラジオを聴くのって想像力が刺激されるから脳にも良いらしいですよ。筆者はラジオで培った想像力を変な方向ばかりに働かせて馬鹿になっていく一方なのでまったく説得力がないですが。ピザベロスって何だよ。

今週の私的ラジオハイライト

空気階段の踊り場

 踊り場は2017年ぐらいからずっと聴いてるけど、全く飽きないのがシンプルに凄い。『ねむチキ』のゲストで伊藤舞雪氏が来た時に言っていたけど(もう当然のように話進めてますがわからないワードは各自調べてください)、『ONE PIECE』読み始めたんかと錯覚するぐらい2人のトークが織りなす世界に没入出来る。
 学生時代、自分の社会性の無さによって生死の境界線を彷徨うぐらい懊悩してた時にこのラジオを聴いて良い意味ですべてがどうでもよくなったというか、かたまり(敬称略)ともぐら(敬称略)がまた違うベクトルで社会性が欠如してくれているおかげで自分の悩みのスケールがすごく矮小化したように思えた。
 多分この番組は、まともに生きられない人間とか、まともに生きてるはずなのに端から見たらなんでそうなるんだよと突っ込まれるような生き方しか出来ない人間に対してとても肯定的で、ある意味人間賛歌的な部分がある。だから聴かずにはいられない。
 今週の前半のもぐらのエピソードトークは特に笑った。もぐらの話芸はいつも達者だが、今週は特に凄かったんだよな。話の流れ的にそろそろオチ来るな、ってのはわかったのだが、そのオチがこちら側の予測範囲を遥かに超えたもので久しぶりに声出して笑ってしまった。
 恒例のコーナー『なんか、怒られました』もサイコサイコサイコゥ~でしたね。このコーナーと『孤独なおじさん、いざゆかん』のコーナーから得られる養分だけで生きてる。

Appleのポッドキャストで初回からほぼ全話聴けます。

佐久間宣行のオールナイトニッポン0

 ゲストで手越祐也氏が来た回。筆者は手越祐也氏に対して特に可もなく不可もなく、正の感情も負の感情も抱いていないが、「悩みを感じることがあるか」という問いに対して「忙しくすれば悩みを感じる暇もない」って回答してたのが印象的だった。
 これ、「忙しくすればそのスケジュールのことだけを考えてれば済むから余計なこと考えなくて済む」っていう巷で結構よく見かける解決策な気もするんだけど、何故か手越祐也氏が言うことによって謎に質量を持って脳に入ってきた。
 多分、テレビに出演してない期間、という悩む余地のあるバックグラウンドを持っている人間から発された言葉だからかもしれない。少し前に読んだ『暇と退屈の倫理学』で書かれていたことを思い出した。人間は暇になるとどうしても刺激を求める、でもそのとき外界に刺激が存在しない場合、過去に刻まれた刺激(ネガティブなもの、たとえば自分に向けられた罵詈雑言や誹謗中傷など)を自動的に内界から呼び覚ましてしまうから鬱っぽくなるのだと。それをたしか『サリエンシー』と呼んだはずだ。今回ゲストで出演してた手越祐也氏からはその『サリエンシー』をまったく感じ取れず、それは多分暇の対極としての忙しさに没頭出来る才能を持ってるからなんだろうなと思ったり思わなかったりラジバンダリ、テイッ☆って感じである。
 なんで自分は手越祐也のことをこんなに真剣に考察してるんだろうとふと我に返って最後適当になってしまった。でもこの適当さを許容する生き方こそがテイ越祐也(注:原文ママ)なんだと思う。

マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0

 誇張抜きで今年一番笑ったかもしれん。秋の風物詩リボルバーヘッド回。去年の『マイベスト○○スペシャル』のラジオ部門もたしかリボルバーヘッド回優勝だった。

 インターネットの反応を見ると死ぬほど笑ったという人と全く笑えなかったという人で真っ二つに賛否両論で、まあそりゃそうだよなと思う。かくいう私も1年以上前にリボルバーヘッドのくだりを展開された時に「これ何がおもろいん?」と思っていた時期があったが、マヂカルラブリーの2人を信じてこちら側にリボルバーヘッドを受け入れる態勢が出来てしまうと、面白がれなかった過去の自分がまるで嘘かのようにリボルバーヘッドという名前を聞いただけで笑いが込み上げてくるようになる。

 振られた◯◯というボケワードに対して「◯◯ってなんすか」と一辺倒のフレーズで素早くツッコむ『リボルバーヘッド』という芸人がいて、そこさえ抑えておけばこの回からだけでも聴けるのでテイ越祐也氏のようにこの世から暇という存在を滅却したいと願う人は空き時間にアーカイブを爆音で流すことを推奨する。△△と言えば「△△ってなんすか」、××と言えば「××ってなんすか」と必ず返してくる、それがリボルバーヘッドなんですが、文字で読むより実際に耳で聞いた方が早いと思う。

おまけ

 ラジオを題材にした『波よ聞いてくれ』という漫画も滅茶苦茶好きで、どういうタイプの人間と友達になりたいかと聞かれたらこの漫画のユーモアとペーソスが理解出来る人間と答えるだろう。

 まあ筆者は現実に友達がこれっぽっちもいませんけれどもね。習慣的にラジオを聴き過ぎてラジオパーソナリティのこと隔週で会う友達だと錯覚しちゃってるからもう。伊集院光(以下敬称略)空気階段爆笑問題佐久間宣行ナインティナインマヂカルラブリー霜降り明星オードリーダイアン大久保佳代子神田伯山コロコロチキチキペッパーズ田村ゆかり林原めぐみ水瀬いのり上坂すみれみちょぱこと池田美優のこと全員友達だと思ってる哀しき異常ラジオジャンキーと化してる。以前放送してたCreepy Nutsのオールナイトのジングルみたいに常時ラジオに飢えてハァハァ言ってますからね。

 そんなラジオ依存症の飢餓感を満たすべく今週末はナイナイ歌謡祭と船長のオールナイトニッポン0リスナー超感謝祭~新時代~が開催されるので(今これを書いてるのは土曜の午前なのでイベントの感想等についてはまた後日改めて書きます)、ピザでも貪り食いながら配信で堪能させてもらおうと思います。もちろん現地で観た方がライブ感を楽しめるのはわかっているが、やっぱ社会性が無い人間なんで出来るだけ外に出たくないしハイボール煽りながら配信観るぐらいがちょうど良いんですわ。

 いやでも冷静に考えたらやっぱりラジオが好きでラジオに救われた恩義がある以上、イベントにはちゃんと金銭をはたいて行くべきだよな。ラジオのスタッフの方々とかもイベントのために一生懸命働いてくれてるわけだしそれに対する謝礼として現地へ行ってライブを楽しむべきだよな。
 家で酒飲みながら配信観るのサイコゥ~とか宣ってる私のような罰当たりな人間は、多分ピザベロスとかに捕食されるという報いを受けなければならないのだ(唐突に沸く謎の自責感)。

 そしてもちろん、私がピザベロスの口に呑み込まれながら咄嗟に吐くであろう辞世の句は「テイッ☆」である。


 いやあの、ピザベロスってなんすか。


おわり

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