焦ると冷静さを失う私が大学時代にドイツで体験した話。
2000年3月、私はドイツのケルンで語学研修をした。約1ヶ月ホームステイしながら、語学学校に通い、そのあとドイツチューリンゲン地方にあるイエナ大学で、前期課程を受講した。
ケルンにいる1ヶ月間は語学学校で、ある日、語学学校の生徒達と日帰りで、オランダのアムステルダムにバス旅行することになった。
隣の国とはいえ、片道数時間かかる。
朝の集合時間が早かった。
それなのに、前の日ついつい飲み過ぎてしまい
フラフラで家路に着き、そのまま眠ってしまった。
そしてハッとして起きた。
集合場所まで電車で行く予定だったんだけど、
電車に乗り遅れた。
乗り遅れた、というか寝坊した。
「やばい!!!!!」
一気に目が覚めて、酔いもすっかり覚めて、
急がなきゃアムステルダム間に合わない!!!
考える暇もなく、急いで家を飛び出した。
ドイツケルンの少し郊外にホームステイしていた私。中心地まで電車移動、そして、都会ほど電車が何本も走ってるわけでもなく、
1本逃すとしばらく来ない。
当時はスマホなんて持ってないし、
スマホで簡単に電車の時刻を調べるっていうのも出来なかったし、
私の頭の中は、「どうやって集合場所に集合時間までに行けばいいか?」だった。
それで頭がいっぱいだったのだ。
時間との焦りと、寝坊の焦りと、電車がない焦りと、とにかく私は進むことしか考えていなかった。
走りながらふと線路が視界に入ってきた。
そして何を思ったか、線路に近づき、
線路の中に入り、線路の上を走り出した。
その時の私はこう思ったのだった。
「1番の近道だ」
道路を走るより、線路の方がより早く目的地に着くことができるんじゃないか。
正直、日本でも線路の上を走ったことがない。
線路って電車が走るところだ。
「私はドイツに来て何をしてるんだろ??」
私は自分の不可解な行動を冷静に捉えながらも、線路の上を必死に走ってる私がいた。
時々ドイツ語で書かれた
「高電圧注意」の看板を横目に
私は目的地に向かっていった。
多分時間は明け方の05:00台で、
電車が全く走ってなかった。
走ってるのは私だけ。
人なんていないし、
薄暗い中、日本人の私が線路上を走ってる。
あまりにも滑稽な姿であっただろう。
しかし、私はバスに乗り遅れないように
集合場所に間に合うように必死だったのだ。
しばらく走っただろうか、
途中タクシーが通りそうな
少し大きめの道路が見えてきた。
私はそこでタクシーを捕まえようと
線路から出て、通りに出た。
そして、奇跡的にタクシーが捕まり、
集合場所に間に合った。
超ギリギリだった。
語学学校の生徒たちはすでにバスの中に乗って
待っていた。
そして無事アムステルダムに向けて出発した。
もし、私が誰かに見つかっていたら
もしかしたら警察へ行っていたかもしれない。事情聴取を受けていたかもしれない。
高電圧で感電してたかもしれない。
とにかく、何事もなく今は日本で暮らしていて、結婚もして子供もいる。
私の場合は、焦ると冷静さを失って不可解な行動するんだとその時に初めて知った。
アホだった。
ホームステイ先の電話からタクシー呼んで
迎えにきてもらって集合場所に行けば良かったじゃんと今では分かる。
でも当時はこれが1番の近道で且つ、ベストな方法だと思ったのだ。
人生において、焦ると冷静さを失い、
ビックリするような行動をする。
これは私が学んできたことだった。
お金がない!!
お金が必要!!って焦った時は、
高時給の怪しいバイトに応募しようと
思うくらい、我を見失う。
あとで冷静さを取り戻した時、
まともな思考になっていたりするんだけど、
「焦り」って人を惑わす力があるんだなと
幾度となく経験してきた。
視野が狭くなり、物事を俯瞰して見れなくなるんだと経験から学ぶ。
私の場合は焦るとアホになる。
闇堕ちしてアホになる。
時間、お金、心、全てにおいて余裕がなくなる時、思考がおかしくなる。思考が停止する。
だから、自分を見失わないように
冷静でいるために、常に余裕を持っておくようにしていた。
特に子供が小さい頃の子育てでは常に自分に余裕がないとイライラしたり、取り乱したり笑、ストレスになったりするため、余裕であるために、どんな行動をすればいいかをやっていた気がする。
それでも頭を抱えることも多かったけど。
でも、自分がこうなるとどんな自分になるか、を把握していれば、事前に対処できる。
なかなか自分を見つめることや向き合うことってないだろうけど、きちんと向き合うこと、
自分の取説を知っておくことは大事だと思う。
私は内観したり、感情や思考と向き合ったりするのが好きだ。
そうやってどんどん自分と対話でき、自分の本音を知り、自分が好きになる。
蔑ろにせず、ちゃんと見てあげること、それが大切なことだと学んできたことだった。
焦ると私はアホになる。
だから、私は正常な判断ができる自分でいたいから意識して過ごすようにしている。
日々修行だ。
自給自足生活を始めるために家族で山口県へ引っ越しました。田畑のある築45年の民家を購入し家族5人&小型犬2匹と暮らしています。
半農半Xを目指し、ここでしかできないことを、やりたいことを形にしていきます。
ホームステイ型民泊始めました
地域のお米を使ってカップケーキ作っています