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どんでんがえしを教えるべからず
趣味を読書だと公言するほど”本”を読んではいないが
読書は好きだ。
ジャンルを渡り歩かず、ほとんどが小説。
年間読了冊数が飛びぬけて多いわけでもなく、気に入った本を2度、3度と思い立って読むこともある。
タイトル買いしたビジネス書や自己啓発系書籍に至っては、目次を読むだけで読了気分になり、おまけに賢くなった気分にさせてくれるので読んでいるうちには入らない。
タイトルと目次だけを吸い取った抜け殻本は、部屋の片隅に追いやられて数年放置されている。
南無阿弥陀仏…
書籍も映画も、まずは紹介文やら紹介動画で調べてから
ほのぼのした日常密着型の内容も好きだが、非日常の中に放り出されるSFやファンタジー、推理するのが楽しいミステリー系の物語も好みだ。
まずはタイトルに惹かれ、文庫本なら裏表紙の概要を読んで吟味する。
新聞書評や雑誌、店頭のポップも参考にする。
時々、テレビの情報番組やSNS、動画配信で書籍を扱ったものも参考に。
これは面白そうだし読みたいなと思った瞬間。
声高らかに呪いの言葉が撒き散らかされる。
どんでん返しがあります!
読書に限らず映画でも同じ呪いの言葉を、さも良さげに宣伝文句に滑り込ませてくる。
ラスト20分でどんでん返し!
あなたは予想だできるだろうか!
ああ、忌々しい呪いの言葉。
どんでん返しがあると事前に知らされているので、身構えるし、予想もするし、新鮮味が無いし、どんでんが返されても驚きもせず、まあそうでしょうねと一人ごちる。
知らずに読んだ時の、知らずに鑑賞した時の新鮮な驚きを奪わないで
宣伝チームの方々は、そりゃ驚いたことでしょうよ。
配信者の方々は、そりゃ楽しんだことでしょうよ。
初見での驚きを共有したいでしょうよ。
でもね。
どんでん返しがあるって知ってしまったら、驚愕なんてしないって。
重要人物が途中で亡くなっても、どうせ生きてるんでしょと思いながら読み進め、あるいは観進めていって、あーやっぱり生きてたのね。
となるんですよ。
親切なあの人、本当は裏切り者なんでしょっていう予想がその通りなんですよ。
途中の仕掛けも全部、どんでん返しがある伏線だなって穿った見方をしてしまうおかげで面白さ半減以下になるのです。
もうガッカリでしかない。
どんでん返しの連続!
あなたは何度騙される!
もういいって。
身構えて読んでも、身構えて観ても驚かないのよ。
だって、知ってるから。
どんでん返されるんでしょ。
推理小説で犯人を教えられたのとイコールなんです。
私のファーストびっくりを返して欲しい!
どんでん返しを事前に報せるの禁止法案をどうか、どうか。