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奈落の底へ?!

ギムナジウムの中等部から高等部への移行期においてつまずいた僕ですが、そのハプニングは自分のギムナジウム生活はもちろん、その後の人生にも影響を及ぼしたと言っても過言ではありません。

ここでまず、ギムナジウム高等部での成績評価法を概観しておきます。10年生までは成績評価が6段階方式(1=大変よい、2=よい、3=満足、4=事足りる、5=欠点が多い、6=不十分)であるのに対し、高等部ではそれが15点満点方式となり、学期中の試験の結果や期末の総合成績はこの方式によって決まります。また、ギムナジウム卒業時において最終成績をつける際は、最終学年で受けるアビトゥアの結果に、高等部での成績が加味されます。つまり、卒業時に優秀な成績を収めるためには、アビトゥアのみならず、高等部に進級したその日から授業で積極的に発言し、筆記試験では高得点をとらないといけないのです。

こんな重要な期間であるにもかかわらず、僕の成績は悪くなるばかりでした。中等部では成績が『上の下』か最低でも『中の上』だった数学を例に挙げると、高等部では常に5点前後を推移、ひどい時は筆記試験で0点をとったこともありました。また、授業中になんの前触れもなく、先生に指されそうになったときは、「先生、頼む!どうか空気を読んで、他の生徒を当ててくれ!」と、下を向きながら心の中で叫ぶのがやっと。

どうしてこんなことになってしまったのか。成績悪化の理由は人それぞれでしょうが、僕の場合は、前述した『クラス解体』が大きく影響したのは確かです。すなわち、「心の許せる仲間と離れ離れになった→授業中に発言する自信をまたなくした→発言する自信がないため、授業内容がわからない時も質問できなくなった→学習内容を理解できず、授業についていけなくなった→語学面・知識面において、ますます自信がなくなった」という、完全な負の連鎖です。

「悲劇の主人公になってばかりいないで、打開する方法をもっと模索してもよかったのでは」と、今なら思います。しかし、当時の僕はまだ16~17歳。そんな余裕はなく、ただただ不安でいっぱいだったのです。

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