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勝手に占い:露特別軍事作戦のグローバル戦略

勝手に疑問

露特別軍事作戦を語る軍事や政治に詳しい評論家たちは良く、露がウクライナに対し20万人程度の兵隊しか使っていないことへの驚きを口にする。それもその筈、欧州最強と言われていたウクライナ軍の規模は、露の特別軍事作戦開始当初、20万人を大きく上回っていたからだ。この様な人数比率では、露が特別軍事作戦の目的と定義づけているウクライナの非ナチ化は非現実的にも見えなくない。半年以上続く戦闘は長期戦モードに移りつつあるのもひょっとしてこれ故なのかと思われるのかもしれない。そもそも露政府はウクライナの非ナチ化を本当に目指しているのか?プーチン大統領が再三、特別軍事作戦の目的は何が何でも達成される旨で話しているとき、露国民を騙しているだけなのか?だとしたら、露が2014年来、西側との対立に向けて進めてきた準備はどこへ行ってしまったのか?

勝手に分析

露の軍事秘密は分からない身ながら、今までの流れを見て露の特別軍事作戦の狙いを解説して(通称:占って) みたい。

まず、ウクライナは露の西側との対立において数ある戦場の一つに過ぎないことを認識しておく必要がある。それも、最も重要な戦場でもない可能性だってある。

2014年(ウクライナのヤヌコヴィッチ大統領が落とされ、クーデターの結果、米国によってポロシェンコ氏が大統領の座に座らされたとき)の露軍のポテンシャルがウクライナ軍と比べて、今よりも高かった。例えるなら、2014年のウクライナ軍は1995年の露軍と同じレベルだった。にも関わらず、当時露がウクライナとの衝突を避けたのはなぜだろう?それは当然、ポロシェンコ氏の善意を信じ切っていたからではなく、西側との全方位的な闘いに耐えられないと判断したからだ。西側がウクライナを露との闘いに向けて仕立てていたこの8年間、露は西側との経済戦争に向けて着々と準備をしていたのだ。

この経済面こそが露にとっての西側との戦争における最重要戦場だと考えられる。

勝手に占い

ここ半年間で露が西側の攻撃に耐えられ、西側にも同様もしくはそれ以上のダメージを与えた。ここから半年先を予測してみると、きっと露の経済は今までよりも大きな被害を受けるだろうが、一方の欧州諸国(EUを離脱した英を含む)の経済は完全に崩壊しかねない。
となると、米と肩を並べて露と戦う気がある国は(オーストラリアを除いて)残らなくなるのではないだろうか。米国債の動向をみれば分かる様に、欧州とオーストラリア以外の国は買い控えているか明らかに買っていない状況だ。日本だって米国債を買わなくなっている。
欧州の経済が崩壊すると、米の国債がますます買われなくなり、(細かい解説を省いて)今度は米がデフォルトに陥る可能性だって出てくる。もちろん、米の債務規模は米ドルで設定されている訳で、その気になればいくらでも米ドルを刷れるため、それは典型的なデフォルトでない。おそらく、米ドルの価値が急激に落ち、ハイパーインフレの形で表れてくるのではないだろうか。そしてここに、米の国内問題も足される。

で、ウクライナはどうなってしまうのか?

ここで歴史を振り返ってみたい。
1944年夏、ナチスドイツはソ連がウクライナ西部に集中攻撃をすると予測し、同地域に戦力を集めていた。しかしソ連はこの予測に反し、ベラルーシでの集中攻撃を行った(バグラチオン作戦)。これは未だにドイツ史上最大の敗北と言われる。ベラルーシでナチスドイツを破ったソ連は、その後リヴォフ=サンドミール作戦を展開したのだ。

今回も、西側は(1944年のナチスドイツ同様)露がウクライナでの戦いに全戦力を投下すると予測していたのに対し、露は経済面での戦いに集中している。
1944年はベラルーシで勝利を収めたソ連はその後難なくリヴォフを取り戻す。そして今回も、露が西側に経済戦争で勝てば、その後ウクライナを取り戻すのは簡単なことだと考えているのかもしれない。

今日はここまで。

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