デザインの答えを出すために、デザイナーに必要な視点
こんにちは。FRACTAのアートディレクター/デザイナーの横井です。
デザインをしていると、自分ではいいものができた!と感じていても、「クライアントは良いと思うのだろうか?」と悩むことはありませんか?
私も自分が作ったデザインを目の前にして、正解が分からなくなって考え込むときがあります。
そもそもデザインに正解はなく、正解か不正解か、売れるか売れないかは、デザインの力だけで測ることはできません。
そんな中でも、リリース時点では一つの答えを出し、どのデザインを世に送り出すのか「判断」が必要になります。そして、その答えはデザイナー一人ではなく、クライアントとともに決断していく必要があります。
今回は、クライアントとともにデザインの答えを出すために、デザイナーに必要な視点は何か?について書いてみたいと思います。
実はデザインには正解がある。けど、
先ほどデザインに正解はないと書きましたが、実はデザインには表現上の正解はあると思います。
例えば、解決したい課題や表現したいキーワードに対して、デザイン案に整合性があることや説明の筋が通っていることは、デザインのひとつの正解のように思います。
ただ、それだけではクライアントが判断できないことが多々あります。
また、見た目が良いこともひとつの正解であるように思います。なんか素敵!と感じさせることができるのは、デザインの持つ力だと思います。
ただ、「なんか素敵!」という感覚は個人の主観が大きく、「本当にこのデザインでいいのか…」とクライアントを悩ませてしまうことがあるように思います。
見た目が良いだけでは、実は何も判断できないのです。
このように、デザイナーは「デザイン表現上の正解」を出すことができます。またそれが仕事とも言えます。でも、どれだけ正解のデザインを作ってみても、クライアントが選べなければそのデザインは答えにはならず、世に出せません。
デザインから一歩さがって考える。
デザインだけ見つめていてもよく分からなくなる…。そんなとき、デザインの外側を見渡すことが必要になってきます。
デザインを見た目だけで考えるのではなく、もっと別の視点を持ってみよう、ということです。
上の図のようにデザインを引きで見ると、クライアントと社会(エンドユーザーと彼らを取り巻く状況)があることが分かります。
今回はこの「デザインの外側」に焦点を当ててお話したいと思います。
デザイナーに必要な視点
①クライアントのことを理解する。
まずは、一つ目の「クライアント」について考えてみます。
世に送り出すデザインを最終決定するのはクライアントです。
デザインを判断する相手がどういう人物なのかを理解することは、実はとても重要なことです。
どんなに表現として魅力的なデザインでも、相手にとって選択しづらい見せ方や話し方をした時点で、それは不採択になる時があります。
デザインを決める相手が、どんな業界の人で、どんな立場の人で、何を心地よく思い、何を嫌がるのか。
どのような伝え方をすれば、理解しやすく決めやすいのか。
相手のことを理解してコミュニケーションを取ることは、重要です。
双方が納得感のある答えを出すために、デザイナーには相手を理解したコミュニケーションを取ることが求められるのではないかと考えます。
②社会に出たときのことをイメージする。
次は、もう少し外側の「社会」のことを考えてみます。
そのデザインは、世の中にとってどんな価値を生み出すのか。事業にお金をかけるからには、ある程度の根拠を求められることもあります。
根拠というと堅苦しいですが、そのデザインが世に出た時に機能する姿をクライアントが想像できることが大事なのではないかと思います。
それは何も壮大なことでなくても良いと思います。
例えば、ロゴはこんな形で展開してみたら、より認知を得やすいのではないかとか。
こういうデザインなら、こういうお客さんに刺さるんじゃないかとか。
こういう楽しいブランドなら、こういうデザインを使ってこんなイベントをやってみたらいいんじゃないかとか。
このデザインにすることでどんなブランドになっていけるのか、ユーザーや社会を絡めてイメージできるように伝える。
そうすることで、クライアントにデザインの可能性を信じてもらえるのられるてもらるのではないでしょうか。
もたらす影響までを想像させる伝え方をすることで、デザインの見え方も変わってくるのではないかと思います。
最適解を出すためにデザイナーができること。
答えの分からないデザインという領域の中でデザイナーに求められるのは、デザイン表現に責任を持った上で、「デザインの外側」を見つめコミュニケーションを取ることだと感じます。
何か素敵なものを作ることだけがデザイナーの仕事なのではなく、クライアントが自分たちの判断に納得し、自信を持ってデザインを世に出せるように、一緒に考えサポートしていく…。これもデザイナーの仕事なのです。
そして、それがきっとプロジェクトの最適解につながっていくのだと思います。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました!
少し頭でっかちなことを書いたかもしれませんが、デザインの持つ「なんかグッとくる」というような言葉にできない感覚は大切にしつつ、より多角的な視点を持ってブランドのお手伝いをしていきたいと思います。
個人的な経験からくる一意見ではありますが、読んでいただいた方の参考になれば幸いです。
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