私の00smusic#33
#321 It's Not Up to You by Björk
アイスランドのシンガーで、映画Dancer in the Darkの主演を経てリリースされた4作目Vespertineから。ここでは無機質な電子音と有機的な弦楽器を織り合わせて、シルクのような仕上がり。大衆受けするポップ音楽とは一線を画して、様々な音楽を意欲的に抽出して、前衛的な音楽の創造、自由に歌を舞いながら、独自のアートへと昇華している印象。自分とっては、最もオルタナティブな存在。
#322 Magic Position by Patrick Wolf
英国のシンガーソングライターの3作目のアルバムタイトル曲。デジタルとクラシック楽器の混合音楽で、他で見ない個性を放っていて、特にこのアルバムはカラフルなジャケットが示すように、よりポップで華やかな仕上がりに。
#323 I'm Throwing My Arms Around Paris by Morrissey
モリッシーもスミスも聴いたことはなくて、むしろただ面倒臭いオヤジのイメージの方が強かったですが笑、ある時に聴いたら、とても印象的で、思いがけず曲も好きだった。04年のアールスコートのライブアルバムも聴いたら素晴らしかったので、良い機会なので、スミスのカタログも全部聴くことに。ゼロ年代にソロ作品を3作残していますが、この頃のモリッシーの曲はよく聴きました。
#324 Fake Empire by The National
ニューヨーク・ブルックリンで結成、活動しているロックバンドの4作目Boxer。最初聴いた時は、トーンの低いボーカルの印象と、その低さですごく距離感が近い印象が強く、その暗さでそんなに親密に近づいてくるんだ?みたいな。
#325 Cities Burning Down by Howling Bells
オーストラリアからロンドンに移転し、活動するバンドのセカンドアルバムRadio Wars。もう少しフックがあったら良かったのにと思う一方、独特な緊張と綺麗な響きがあって、聴かされちゃう魅力?魔力?みたいなのがある。
#326 Maroondah Reservoir by Augie March
オーストラリアのインディロックバンドのメジャーデビュー作Sunset Studies。5つのスタジオ3人のプロデューサーを分けて使っての長期制作、当時の国内最大の音楽賞でも4部門のノミネート、エンジニア部門で受賞しました。ジェフ・バックリーやエリオット・スミスのような歌謡、レディオヘッドやトラヴィスの流れを組んだ作風だと思いますが、デビュー作にして荒削りなところはあまりなく、まるで5、6作目のような落ち着いた説得力、すでに完成された楽曲作りに驚かされます。名作ですね。
#327 Falling Slowly by The Frames
グレン・ハンザード率いるアイルランドのロックバンドの6作目The Cost。静かに動いていく叙情的なメロディに、素晴らしい楽器のアンサンブル、魂揺さぶる歌唱に胸を打たれていくような大感動の傑作だと思うんだけど、彼らがアイルランドでどれだけ浸透しているバンドなのかわからないけど、少なくともこの作品が、日本であまり知られていないのはもったいないかも。
#328 Chains by Mercury Rev
サイケなアメリカンロックバンド5作目All Is Dream。これは当時、まだ知らなかったフレーミング・リップスより先に、店頭にあったのを見つけ、ほぼジャケット買いの形で出会っていて、最初聴いた時は、なんじゃこりゃ!って感じの衝撃を受けました。 ゴージャスなチェンバーロックに、リップスのRace for the Prizeなんかと同様、サイケとドカドカドラムの最高の相性が聴ける。
#329 Agoraphobia by Deerhunter
ジョージア州アトランタのバンド3作目Microcastle。久しぶりに聴きましたけど、良い作品ですね。サイケ感、シューゲイズやガレージロック要素を交えつつ、キャッチーで親しみやすくもある感じ。
#330 Do It All Over Again by Spilitualized
ジェイソン・ピアース率いる英国のバンド4作目Let It Come Down。傑作と叫ばれる前作の宇宙遊泳よりも、この作品との出会いが個人的には先でしたが、内容の素晴らしさは互角だし、わかりやすさで言えば、こちらの方がわかりやすいと思う。オーケストラやゴスペル合唱団も駆使して、100人以上の演者が参加。60年代フィル・スペクターのウォールオブサウンドを押し出して展開。音面はゴージャスだけど、全体的に優しい雰囲気を纏っているのが心地好い。