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継続はパワー。2024年11月に出会った本など

読んだ本やマンガなどの感想を月ごとにまとめて2年ちょい。今回が「出会った本や映画の月別まとめ」20本目の記事となった。めでたい。

約2年の間にいろんなことがあった。『ONE PIECE』を全巻集める決意をし、ヤクルト1000にひれ伏し、何もかも嫌になって仕事を辞め転職したのち、空いた時間で読書の楽しさを実感して、日本最古の文学作品(現代語訳)を読破した。

当初は投稿が途切れがちだったが、2024年に入ってからは休むことなく続けられている。無理なく書くための仕組みを考え、思い浮かんだことを出力するくせもついた。

これは例の「継続は力なり」という言葉を体現できているのでは?継続は力。継続はパワー。情緒をめためたにしてくれるたくさんの作品に出会えたのだから、そこで生じた気持ちや想いはなるべく言葉に残したい。あらためて自覚するためにも繰り返しておく。継続はパワー。ヤーー。

さて、本などの話である。


2024年11月に読んだ本

はてしない物語 上巻

「本って閉じてあるとき、中で何が起こっているのだろうな?」バスチアンはふとつぶやいた。「そりゃ、紙の上に文字が印刷してあるだけだけど、――きっと何かがそこで起こっているはずだ。だって、開いたとたん、一つの話がすっかりそこにあるのだもの。僕のまだ知らない人びとがそこにいる。ありとあらゆる冒険や活躍や闘いがそこにある。――」

ミヒャエル・エンデ作、上田真而子/佐藤真理子訳『はてしない物語』

居場所のない少年バスチアンが、古書店から盗んだ『はてしない物語』を見つめたときの心情だ。本の世界に心を奪われて、いつしか時間が経っていた。そんな経験がある人なら、だれでも一度は感じたことがあるはず。夢中になれる世界が、両手に収まるサイズの「本」のなかに広がっている。なんてすごいことなんだろう。

物語の舞台となるファンタージエン国を救うために選ばれた少年・アトレーユが、国をおかす「虚無」の原因をつきとめるべく勇気と誠実な心をもって冒険をする。不思議であふれるファンタージエンの景色や生き物が鮮明に、正体不明の虚無がじわりと迫る恐怖とともに描かれ、それを読み手であるバスチアンを通して体験できる。

物語の世界と読み手の世界が交互に語られ、導かれるようにして世界が重なっていく上巻ラストの描写にどきどきぞわぞわする。一刻も早く下巻が読みたい。

2024年11月に読んだマンガ

ONE PIECE 110巻

あまりにも大きな秘密が解き明かされる巻。何書いてもネタバレになる。

宮王太郎が猫を飼うなんて 2巻

マキャベリストの主人公が愛猫ニコロ(本名:ニンゲンコロガシ)にコロコロ転がされるマンガ。相変わらず登場人物全員が変態極まりないが、ニコロの可愛さでプラマイゼロになっている。バランス感がすごい。ニコロはかわいい。

極度に抽象化されたGのエピソードが秀逸過ぎる。本物のGは嫌いだが、このGは極度に抽象化されているので大丈夫。Gに対してらんらんとする猫と、恐々とする家主と、バッターボックスのホームラン王が如く対峙するご近所さん。果たして、無事にGを退治することができるのか、必見である。

パリピ孔明 19巻

幼稚園での抗争を終えた孔明。なんだか幼稚園でWarsするマンガのようだが、無事に解決。英子が民草に歌を届けるための道が確実に拓かれている。

あくまでクジャクの話です。3巻

生物学の知見と高度な煽りスキルをもつ美人女子高生・阿加埜(あかの)と主人公の教師・久慈が人間社会のアレやコレを生物学的アプローチで解決していくマンガ。初めて女子として久慈に意識された阿加埜が、1ページ3コマかけて神に感謝する描写がおもしろかわいい。なんで恋にはそんなポンコツなんだ……。恋する女子のチスイコウモリアピール斬新すぎるよ……。

海が走るエンドロール 7巻

焦りや劣等感でどこにも行けないとき、ある。どうやって折り合いをつけるのか、どこを目的地にするかは自分にしか決められなくて、その指針になるのは、やっぱり自分の「好き」なんだなぁと思った。がんばれ、うみ子さん。

ブルーピリオド 16巻

アーティストは主観と客観のはざまで生きてる人なんだと見せつけられた。夜の世界で酔っぱらってぐるぐると気持ちが巡る視点と、夜の世界を生きるホストを客観的に分析する視点が同居する主人公。純粋で、でもとても思考能力が高い。だからこそ見ててヒリヒリする。

悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~ 5巻

仕事の嫌なことも全部ぶっ飛ぶ面白さでしたわ!白梅ナズナ先生は本当に表現の幅が広く、作品をとことん魅力的に描かれるお方でいらっしゃいますのね……!

気高いものは美しく迫力をもって、悪しきものは隠しきれない邪悪さと愚かさをもって、つぶさに描かれていることが筆致からも伝わりましてよ……!さらにレミリアたんの復讐の鬼と化した表情、嘘をついた者が見る悪夢など、夜眠るのが少しばかり怖くなるほどですわ!

あまりの素晴らしさにお嬢様言葉が止まりませんわ!!(この作品の主人公はこんな言葉遣いはしませんが、原作のまきぶろ先生はたまにお嬢様言葉で告知をされます。)

2024年11月に見た映画

室井慎次 敗れざる者/室井慎次 生き続ける者

もう何も信じられない。こんな絶望と怒りを感じた映画は始めてだ。思い出すだけで手が震える。無理である。どうしようもない気持ちになる。

まとめる気のないまとめ

『悪役令嬢の中の人』と『室井慎次』の感想の温度差すごい。風邪ひくレベル。こんなときは心を強く持て。継続はパワー。ヤーー!


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