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そして冬季休業。冬眠に入ります。

おかげさまで、今年も1年間の営業を終え、長い休業期間(冬眠)に入りました。

毎年のことだけれど、さびしいし、不安です。

3ヶ月間も姿を消すのだから、それは顧客離れのこの上ない機会なのです。

こうしてお店を閉じている間に、巷では魅力的な競合他店が積極的に顧客を獲得しようと活発に動いている。

・・目の前のことに忙しくしていると、考えなくて済むようなネガティブなことが、冬季休業中には雪崩のように押し寄せて来ます。

収入もないので、金銭的な不安やストレスも、わびしく物暗い思考に拍車をかけます。

特にこの冬は、冬眠中の出稼ぎ先であったスキー場のコーヒースタンドも、失意の内に閉業・撤退することになってしまった為に、尚更金銭的にも苦しく、精神的にも苦しい。


それでも、この『冬眠』というシステムは、当店が当店らしくある為に、欠かせぬものであることは間違いありません。

・・さびしいけれど、そろそろまぶたが重くなってまいりました。

孤独な冬眠の間、お客様のいない当店はその内側に “森の静けさ” と “止まったかのような時間” をたっぷりと溜め込むのです。

春以降に、此処を訪れたお客様にそんな止まった時間の余韻をお渡しできるように。

さびしいし、ひもじいけれど、
必要な時間だと、私たちは信じています。

※※※

私には、理想の、憧れのカフェがこの胸の中に描かれていて、

そのカフェは、天の采配によって、辿り着きたくとも叶わない長い空白の期間があって、
でもその会えない間にも、かつてそこを訪れたお客様の肺の底には、
温かな思い出と共に、微かでも確かな存在感が、ずっとずっと小さく明滅し続けていて、、

・・それはまるで薪ストーヴの灰の中、
眠りの前に丁寧にうずめられた熾火のように、
夜の間、冬の間、孤独の間、苦難の間、
誰かの心をほんの少しだけ暖め続け、

そして新しい朝が来た時、冷えた手をさすりながら、
灰の中より小さなオレンジの星を丁寧に掘り起こし、
細く長く息を吹きかけると、それは瞬く間に輝きを強め、
再び暖かな火を灯すことができるように、、

いつか、そんなお店になれたらと、
私は強く願うのです。

※※※

それでは、雪が溶け、土が緩み、木々が水を吸い上げ始める、

また春に、会いましょう。

たくさんの感謝を込めて、

【おやすみなさい】

当店『冬眠のご挨拶』より


ひもじい冬の恵みは、ネガティブなことも多くを占めますが、考える時間をたくさんとれることです。

noteにも、なるべくたくさんの考えたことを、書き残しておければ嬉しいなと思っています。

今年1年を振り返って、よかったことの一つに、このnoteを始めたことは間違いなく入っているのですから。


ミサにもあずからないけれど、メリークリスマス。

読んでくださる方のしあわせを祈ります♣︎



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