
年に少なくとも2度は、お店を閉店&再開する。
大掃除をしたり、テーブルや椅子を配置したり、レジの設定をしたり、ホームページやSNSのプロフィールをいじったりしています。

まるで、一から新しくお店を始めるみたいです。
私たちのお店には、一年に何度か、このように「新しくお店を始めるような」機会があります。
1.冬季休業なので、春にお店を再開する時。
2.年に1ヶ月程、店内営業を休んで、焼き菓子のテイクアウト販売専門期間を設けているので、その後にお店を再開する時。
今回は、後者の方になります。
このテイクアウト販売専門期間の理由については、昨日書きました。
家具や什器の配置をやり直すこと、そしてお客様への周知や、商品の仕込みのやり直しなど、まさに新しくお店を始めるくらい、手間がかかることをわざわざ行う意味はなんでしょう?笑
昨日の記事に引き続き、自分の為にも言語化しておきましょう。
メリットとデメリットを考えます。
デメリット(こちらの方が多い。笑)
・営業期間、営業スタイルが安定せず、顧客より"面倒なお店” "わかりにくいお店”と思われ、敬遠される。
・業務効率が悪い。準備期間には売上が発生しないので時間対収益のコスパが悪い。時間と労力の無駄。
メリット
・カフェ開業時の初心を、経営者が保てる。
・面倒でもわかりにくくても、それでも来てくださるお客様だけを、ふるいにかけられる。
・お客様への感謝の心が強くなる。
私たちのお店は、開店以来8年間、提供する飲食メニューの内容を変えていません。
そんな、変化も成長も無いお店です。
そんなお店に、開いたり閉まったり、といった変化を、強制的に作っています。
このお店を始める時、不安で不安で仕方ありませんでした。
周囲の多くの人(特に親類や、飲食店経験者)が、『そんなお店では、絶対に食べていけないよ』と、心配して助言をくださいました。
食べていけるかどうかはさておき、自分達と似たような好みの人間が、きっとこの地域にも何人かは存在してくれている筈だ、と祈っていました。
不安な不安な中、お客様がぽつりと来てくださった時、よかった。自分の価値観は孤独死せずに済んだと、安堵しました。
お客様とコミュニケーションすることはありませんが(静かな時間というコンセプトの店なので。)、お仲間ですね。と胸の内で話しかけました。
その時の、不安や感謝を、こうして開いたり閉まったりの度に、味わいます。
閉めている間、お客様は皆、離れてしまったんではないか。忘れられてしまったんではないか。
そしてまた、お客様に救われて慰められる。
だから、貧しくても、肉体がボロボロでも、時に嫌なことがあっても、それでもこの吹けば飛ぶようなちっぽけな店を、続けることができます。
