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やっぱりイベント出店は苦手かもしれません。弱音。


昨晩は、隣街で開催された夜のイベントに出店してきました。

当店はいつもは18時閉店。でもこのイベントは17〜21時。めずらしく夜に動きました。

そもそも、当店は冬眠中ですし、
平時は森から出ることも少なく、人見知りで臆病で、他店とのコラボレーションやイベント出店も好みません。

今回の出店の動機、あらましは前回の記事に書きましたが、誘ってくれたお店への恩返しの為です。


・・さて、どうだったのでしょうか??

昨晩のイベントに足を運んでくださった皆様、
そして、離れたところからも気持ちを寄せてくださった皆様、

本当にありがとうございました。

やはり、本来は冬眠中の時季のことなので、
一夜明けた今でも、まるで夢の中の出来事だったかのようなのです。


胸の踊るような経験をさせてくださった、会場やとびきりの出店者の方々の優しさやあたたかな雰囲気に、恋焦がれるような気持ちが残る一方で、

自身にはたくさんの反省と後悔が残ります。

折角、並んでお待ちくださったのに、売り切れでご購入いただくことができなかったお客様。

折角、貴重な時間を割き、大変なお手間であっただろうに足をお運びくださったお客様に、しっかりとしたおもてなしができなかったこと。


ただでさえ半人前な店主♂♀が、
慣れない季節の慣れない場所で、あたふた。あたふた。
(言い訳ばかりで、本当に恥ずかしいです)




でも、森とは違う、とくべつな街の夜だった。

それを、いつもは森で時間を分かち合うお客様と、一緒に味わえた。

そして、ついつい、背伸びをしたくなってしまう自分たちの、どうしようもないところを曝け出せた。



街の賑やかさの中には、本当に素敵な人達がたくさんいました。

そして、人と人とが並び立って、お互いの気配の中で、ゆるやかな繋がりに信頼と尊敬を持ちながら、大きなことを成し遂げようとしていました。

きっとこれから更に、楽しいこと幸せなこと、響きあう素敵な人達のおしゃべりの中から、化学的な反応のように生まれ出でてくるのだろうと思います。




森に帰ってくると、そこには灯り一つもなくて、
ヒトの気配も一つもなくて、

フクロウの声だけが、遥か長閑な間隔で行っては帰り、冷え切った暗闇が、樹々の梢の間に塗り込められていました。

灯りが無いといったのは嘘で、
空には、手の届かぬさびしい距離を隔てて、
か細くも珠のような美しさの、星々が秘密を呟いていました。



扉を開けた○○○(当店の名)に満ちていた、
その静けさの濃度といったら。。




あらためて、お詫びさせてくださいね。

ご期待に応えられなかったお客様、
がっかりさせてしまったお客様、

心から、静寂の中から、真にお詫び申し上げます。


そして、巣から離れて、尻尾を丸めて怯える私たちの側にいてくださって、本当にありがとうございました。


さて、また冬眠へと戻ります。

まるで夢の中の出来事のようだった、イベントを思い返しながら。

森の孤独を枕にしながら。



追伸。

昨晩のイベントにて販売した、限定の【星】ですが、
袋の中で擦れてしまって、トッピングしてあった星が剥がれ落ちてしまっている可能性も高いと思います。どうか重ねてご容赦くださいませ。

星が落ちて、流れ星になっています。

願いごとは、叶うかもしれないなと、ちょっと考えています。

イベント後の当店からのご挨拶より

やはり、街の賑やかさは、自分たちには強過ぎたというのが、ここだけで漏らす本音です。

おかげさまで人に溢れた会場になり、子供達も沢山駆け回り、お酒を片手に語り合う大人も多く、普段は閑散とした田舎町の通りを、珍しく出歩く人の多い夜になったようです。

畏れ多いことだけれど、当店の焼き菓子を目当てにオープンの1時間半前から寒い中で列を作ってお待ちくださるお客様もいて、ご用意させていただいた焼き菓子はあっという間に完売となり、コーヒーも50杯以上ドリップさせていただきました。

でも、だからこそ、お一人お一人にしっかりとご挨拶をすることもできず、御礼を言うにも不足していて、不手際や粗相は多く、本当に反省と後悔がどっしりと胸の底に溜まっています。

焼き菓子は早朝から150個くらいは焼きました。


会場の周辺は、いくつかの素敵なお店が集っている地域で、皆で街を盛り上げようとしています。
今回のイベント開催趣旨も、そこにあったようです。

お客さんとしても、地元の店舗経営者さんなどが多くお見えになっていて、みんなお洒落で、オーラが溢れ出していて、、
そんな人達が繋がり合って、相乗効果を楽しんだりしている。

山の中から這い出てきたような自分たちには、なんだか肩身が狭くなるような、そんな思いでした。


今回のイベント出店のポジティブな側面として、大変に感動したこととしては、自慢になってしまって恐縮ですけれども、それは当店のお客様の素晴らしさの再認識です。

誘導もないままに、自然に美しい行列を作ってくださり、長時間待っても文句の一つも言わず、テンパって会計ミスなどを連発する店主♀にも優しく労いの言葉をかけ、そして他のお客様の迷惑にならぬように、遠慮してささっと席を空けてくださり、、

こうして他の出店者さんと並んで立つ時には、それぞれのお店のお客様の個性や雰囲気なども見て取れるものですね。

うちのような足りないところの多いお店だからこそ、そこを補ってくださるような、優しく尊いお客様が多くいてくださります。

「売り切れ」の表示を見て、
やっぱりもう無くなっちゃいましたよね〜。でもお二人に会えただけでもよかったです。
と逆に私たちを慰めてくださるのが当店のお客様。

え〜!?もう完売だってよ〜。がっかり〜。
と、大きな声で言っては不満げな顔で背を向けて行かれるのは、当店に来たことのない、たまたまイベント会場だから立ち寄ってくれたお客様です。

ずっとコーヒーを淹れ続けました。


やはり、イベント出店は、性に合わない部分が多いのだと思います。


変化を嫌がっていては、成長は無いのかもしれません。

交流に疲れているようでは、独りよがりで、大きなことは成し遂げられないでしょう。


不安ですし、自己嫌悪にもなります。

でも、無理をして疲弊して投げ捨てるよりは、
自分らしく、他で我慢をしてでも、細々と続けます。

もうしばらく、イベントには出ません。



夜の森は、本当に静かで、怖いくらいに静かで、

帰ってきた、その安心感は、却って不安になるくらいでした。

くたくたになって、森に帰ってきた。

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