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②「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」
前回の続きです。
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私は三人兄弟の真ん中。
優秀な兄と泣き虫な年の離れた弟。
家系によりすでに神職についていた。
仕事は主に日々の祈祷、吉凶、祭事、村町人からの相談。
先代から受け継がれた流れをくんで、寸分違わず執り行う。
幼き頃からその事柄を徹底的に叩き込まれた。
その中でも一番取り扱うのが難しいのが病。
この時代の病は呪い(穢れ)。
名のない者たちが倒れても成すすべはない。
しかし、名のある者たちが倒れると神職が動く。
様々なパターンはあるものの、私は彼にあてがわれた。
“あてがわれる”
この言葉が意味するのもの。
それは…。
穢を自身の身に移し、清め祓うというもの。
“命をもって”
これは
命をかけて行う。
形代(紙を人の形に切ったもの)に託すのではなく、人に託す。
そして託された者は、自身を清め呪いを封じていく。
万が一病人が死ぬと、穢れを抑え込めなかった事。
そして穢れを身に入れていると存在を抹消される。
命までは取られないものの、自由に外に出る事は二度とない。
その呪を祓う、忌厄祓いの話がきた。
対象者と近い年齢の者が選ばれる。
兄弟の中で誰か…という事であったが、長男は正式な後継者の為外される。
そして、年の離れた弟はまだ幼かった。
自ずと私が役目を預かる事になった。
出立の日、母は泣き、父に声をかけられたが何も頭に入らなかった。そして今生の別れになるかもしれないと思うと足もすくんだ。
しかし、自分の気持ちを押し殺しながら家を後にした。
忌厄祓いの場は、人里離れた小さな祠のある屋敷で行う。
そこで私は対象者と過ごす事になる。
屋敷の前には従者が連なり立っていて、敷居を跨ぎ奥間進むと…対象者、そう。
彼がいた。
あの時、私に話しかけたあの子が。