上海マダムがスイカ愛で溢れてる、子どもの頃のスイカ話で何度でも盛り上がる
2024年に中国上海を訪れました。その際の記録はこちらでどうぞ。上海の在住の方とお話しをする中で印象深かった”スイカ”にまつわるお話しです。
上海の人々とスイカの大切な関係
上海の夏を彩る象徴的な果物といえば、やはりスイカです。特に50代以上の人々にとって、スイカはただの果物以上の存在であり、子供時代の楽しい思い出や家庭の温かさを思い起こさせる特別なものです。この記事では、上海の人のスイカ愛についてご紹介します。
スイカ愛が止まらない上海の50代以上
外灘のおしゃれなレストランでも、蘇州の湖畔に立つレストランでも、デザートにフルーツの盛り合わせが供され、中には必ずスイカがありました。その際のスイカはサイズは8枚切りの食パンを斜め半分に切ったような上品な薄さです。食べやすくカットされた上品なスイカを見ると必ず「これはレストラン用、うちではね・・」と家で食べるスイカの話が出てきます。
上海っ子の子供時代のスイカの思い出
スイカは、上海の50代以上の人々にとって夏の風物詩です。日本にとっても夏の風物詩であることには変わりがないのですが、スイカは単なる果物の1つではなく、子供の頃の思い出や家族との団らんを呼び覚ます特別な存在のようです。
1人半個? スイカを直接スプーンでカプリ
子供の頃、上海の子供にとってスイカは夏の楽しみの一つでした。スイカの甘さと冷たさが、汗だくの体を一瞬で涼しくしてくれます。特に記憶に残るのは、スイカを真っ二つに切り、その片方を独り占めしてスプーンですくって食べることのようです。中庭のベンチでスイカを抱えて楽しむ時間は、子供にとって特別なひとときでした。冷蔵庫もエアコンもなかった時代、スイカは夏の楽しみの一つだったのです。食べたスイカの量は、今でも50代以上の人々の間で武勇伝のようになっています。
10個単位での購入はあたりまえ、道端にスイカ売り
以前は、夏の上海の街角にはトラックの行商がいたそうです。当時スイカは1個数元、トラックに山盛りのスイカを詰んだスイカを10個単位で購入していたそうです。今回の旅でも街角のスイカ売りを見かけました。打ち上げ花火のように薄い和紙に包まれた丸ごとのスイカがトラックに直接積まれていました。
世界のスイカの7割が中国人の胃袋に?というデータも
2019年のデータになりますが、国連食糧農業機関(FAO)のスイカに関する統計データによると、世界人口の20%にあたる中国人が、世界のスイカの7割を食しているということです。
今でも人気のスイカはスーパーでも一番目立つところに
上海の市場では、夏になるとスイカが山積みにされ、多くの人々がそれを買い求めますが、スーパーでは今では丸ごとよりもカットされたスイカの方が売れるようです。フルーツ全体に東京よりだいぶ安いな、と感じました。
カフェにはスイカを使ったジュースや、スムージーがありました。日本ではあまり見かけませんが、カフェで飲んだスイカのジュースはとっても美味しかったです。
スイカ文化も次世代では薄れがち
20代はこのエピソードに苦笑いでした。今では家族も少なく、部屋にはエアコンが入り、甘いものや冷たいものが珍しくもなく、スイカはそれほど有難い食べ物でもないようです。けれど上海のご家庭では今でも日本以上にフルーツを日常的に食べられていますし、多くの家庭で夏になるとスイカを楽しむ習慣が続いています。
スイカの健康効果
スイカの健康効果はどうでしょう。調べてみると、スイカには豊富なビタミンCやリコピンが含まれており、これらは抗酸化作用があり、体の健康をサポートします。また、スイカは水分が多く含まれているため、暑い夏の日に水分補給にも最適です。
スイカの種も栄養価が高く、鉄分やマグネシウムが豊富です。スイカの種をローストして食べると、健康的なスナックとして楽しめます。スイカを食べることで、体の健康を維持しながら、夏の暑さを乗り切ることができます。
スイカの話まとめ
日本でも古い映画で井戸でスイカ丸ごと冷やして楽しむというシーンを見ることもあります。今、東京の子供でスイカが好き、というのはあまり聞かないです。タネも面倒ですし、夏の果物ならシャインマスカットやピオーネ、桃などの方が人気ですね。
東京でも上海でも、スイカを丸ごと買う機会はそうはないかもしれませんが、上海の50代以上の人々にとって夏の思い出であり、今でも家族の絆を深める特別な果物です。子供時代の楽しい思い出や、家族全員でスイカを囲む時間は、今でも多くの人々の心に残っています。
今年は東京はひときわ暑い日が続いています、上海での旅を思い出して、今日はスイカを買ってきて冷たく冷やして食べようかな、と思っています。
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