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読書記録 鈴木哲也(2020)『学術書を読む』

鈴木哲也『学術書を読む』を読みました。京都大学学術出版会から2020年に刊行された本です。

興味深い内容が読みやすい文章で書かれており、読書中どんどん続きが読みたくなりました。

「本はわかりやすくあるべきだ」という風潮には問題があると著者は言います。
基礎的な知識もない読者でもすらすら読めるような本は学問的な精密さや深さに欠けると考えられるからです。

「『本はわかりやすくあるべきだ』という風潮には問題がある」という部分だけを切り取ると誤解される可能性が低くないと思いますが、著者は「本は難しいほどいいと考えているわけではない」と明記しています。

著者が糾弾するようなわかりやすさのことを私は「見せかけのわかりやすさ」と呼んでいます。これは確かに避けるべきものでしょう。

「わかりやすい」という言葉が実はあいまい・多義的なことが議論をややこしくしている気がします。

私が考える本当の「わかりやすさ」は、条件付け・場合分けを理路整然と行うことにより実現できるものです。
条件付け・場合分けの重要性を踏まえて強弱をつけたり取捨選択したりすることも必要です。
このプロセスが稚拙だと「見せかけのわかりやすさ」に陥ってしまいます。


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