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『作家1年目でも食えてたの?』不安を抱える見習い作家が先輩作家に作家1年目のあれこれを聞いてみた!
こんにちは!放送作家集団「ライトクリップ」に所属している佐々木將英と岩附優太です!
僕たちが所属している「ライトクリップ」は、テレビ番組のリサーチ会社・フォーミュレーションのグループ会社で、テレビやラジオ、CMなどで活躍する放送作家が所属している作家事務所です。他の作家事務所とは違いライトクリップに入社した社員は、およそ2年間、フォーミュレーションでリサーチの経験を積みながらも、テレビ業界のことも勉強して放送作家として独立します。
下記の記事に詳しい内容が書いてあります!
そして今回は2年間のリサーチを終えフォーミュレーションから独り立ちした2名の先輩に「作家デビュー1年目の仕事・生活」をテーマに将来に不安を抱える作家の卵である僕たち2人がインタビューを行いました!
【インタビュアー】
佐々木將英(ささきしょうえい)・ライトクリップ2年目・23歳
2001年生まれ、広島県出身。好きな芸人はインポッシブル。
現在はNHK「チコちゃんに𠮟られる!」を主に担当しています。
最近、飲み会の最中に家の鍵を無くしたことに気づき、楽しい飲み会の雰囲気をぶち壊しました。
先輩の構成作家1人目 大塚さんに聞いてみた
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大塚晃貴(おおつか こうき)
26歳、構成作家2年目。茨城県土浦市出身。
構成作家として、街ブラ、トーク、クイズ、密着番組まで幅広く担当。
他にも官公庁のニュースサイトや企業系のYouTubeコンテンツ等も担当。
①フォーミュレーション卒業後1年の仕事量や
仕事内容は?またどのような生活だった?
大塚:卒業してすぐは、フォーミュレーション時代に特番で知り合った制作会社の方の番組にお声がけいただき、フジテレビのレギュラー番組に作家として携わりながら、それと並行してフォーミュレーションからのリサーチ業務をやっていました。他にも作家としてライトクリップの先輩方からも企画会議や特番などに呼んでいただき、仕事をしていました。
ー1年目の作家の作業や求められるものは?
大塚:1番はネタ出しだと思います。毎週出される宿題でどれだけ演出にハマるネタが出せること、1年目はそこでアピールすることが個人的には大事だと思います。
ー1年目の作家は会議で発言する機会はありますか?
大塚:やっぱり難しいですね。今でもですが、1年目のときは会議でなかなか発言が難しいため、キャスティングの話になって「今来ているタレント誰だろうね」の問いには若手作家がなるべく言うようにしています。若い人の目線が大事です。若手作家の一言ですぐに企画が通るわけでは無いですが発言を先輩作家が拾ってくれて通ることもあるので、発言はした方が良いと思います。
大塚:もちろんオールマイティ(良いネタ出しと会議での積極的な発言)にできればいいですけど、演出にアピールできることをなんとなくやっていく中で見つける必要があると思います。20代の若手作家がおしゃべりで印象残すの難しいと思います。
大塚:会議でテレビの話題になった時に「この前の番組であれ(例:チャットGPTを使った企画)やっていましたよね」とか「あの時に視聴率上がってましたよね」とか細かいことを言えるところは見習わなくちゃなと思います。
ーフォーミュレーション卒業後は正直食えてました?
大塚:フォーミュレーションからリサーチとか他の業務を振り分けてくれたからアルバイトしなくても困らなかったです。リサーチ+作家業みたいな生活だったのでお金の心配はしすぎる必要は無いのかと、バンバンお金を使えるわけではないですけど最低限生きていけるぐらいは貰っていました。
②フォーミュレーションに入っていた時に
どうやって作家の仕事を貰っていたんですか?
大塚:僕はフォーミュレーション時代に、担当していた部の先輩の元で仕事をしていたのですが、対面の会議で一緒になった演出の方やディレクタ―さん、作家さんなどに自分の作家としての名刺を渡すようにしていました。もちろん、フォーミュレーションとして番組に入っているので、先輩の許可をもらった上でですが、そのおかげで番組に呼ばれることもあったので、やってよかったと思います。
ーライトクリップの企画募集は手を挙げていました?
佐々木:ライトクリップでは先輩からの企画募集や仕事募集の連絡がありますがフォーミュレーションにいた時は手を挙げてたんですか?
大塚:僕は興味があるものに手を挙げていました。実際にTKOのコントライブツアー「周るTKO」はそれで最初から入らさせてもらいました。コント考えたり、舞台を回りました。
ー1年目の作家が準備していた方がいいことってありますか?
大塚:何個か自信がある企画書は持っていた方がいいです。自分の場合は名刺を演出の方やディレクターさん、作家さんに渡したとき、その後挨拶を兼ねたメールを送る際に企画書を何個か送っていたので個人的には何個か企画書を持った方がアピールできると思います。
③作家としてのスキルアップに
努力していることは?
大塚:僕は演出の方やディレクターさん、先輩作家さんが会議中に「こういう理由だから、こうした方がいい(面白くなる)」など、番組を面白くする演出論的なことは、なるほどと思うことばかりなので、インプットする様に意識しています。他の番組の会議や企画を考える上でも会議の発言などを思い出してすごく参考にしています。
ー先程、ネタ出しが大事とのことでネタを良くするために
していることはありますか?
大塚:iPhoneのメモ機能で思いついたものは新ネタや企画書に使えるのでメモするようにしています。
大塚:あとはTikitokを見てます。おすすめの動画をザーと見たりするだけでも全然違う。今担当している番組で一流料理人を探しているので検索するだけでも数がでるのでそれもザーと見ています。あとはダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんがよく行くお店やアンジャッシュの渡部さんの番組も見ています。普段見ない動画が流れてくるのが良いです。
ー他にもおすすめのサイトとかありますか?
大塚:フォーミュレーションのときからネタ出しに使えそうなサイトは今でも使ってます。先輩作家曰く「日刊SPA!」によくネタが落ちていることがあるそうで、週刊文春も変わった人とかをインタビューしてたりするので毎週見ています。作業中や移動時間で見るようにしていますが電車の中で爆睡することもあります。
④ 作家として仕事を貰うため増やすために
意識していることは?
大塚:僕は会議の場で自分にパスが回ってこないとなかなか発言できないタイプなので、宿題はなるべく自分が面白いと思ったポイントが伝わるような資料を作るようにしています。それもフォーミュレーション時代に叩き込まれたことなので、今でも時間の許す限り、宿題の資料はもちろん、企画書もこだわって作るよう心がけています。
ーやっぱり資料つくれることは大事ですか?
大塚:やっぱり大事だと思いますね。先輩作家の方が忙しくてこだわって企画書を書く人はいるんですけど多くは無くて、そこで企画書をこだわって作ることで一つの武器になると思います。その結果企画書がここ1年で頼まれることが多くなりました。
ー宿題の時に気を付けていることは?
大塚:量持っていくのも大事ですが自分のターンが長くなっても迷惑をかける場合もあるので気を付けながらしています。バランスを取るように気をつけながら出しています。
ー呼ばれている作家さんの傾向とかありますか?
大塚:やっぱりしっかりとしたリサーチ情報を入れたネタの方が重宝されますね。それをやっている作家さんの方が毎回呼ばれている印象です。中には2行の目線だけのネタを出す人もいますが、その人はネタで勝負してるんじゃなくて会議の時にどれだけ発言したり盛り上げられるかで勝負している印象です。
⑤仕事を増やす努力をした結果
現在担当している番組・仕事の量は?
大塚:
【リサーチ】
TBS「クレイジージャーニー」、NTV「沸騰ワード」
NTV「超無敵クラス」
【作家業務】
TX「日ビ ニッポン山岳仕事人」
TX「日ビ 一流料理人さん!休日食べる激うまメシ教えてください」
TX「47都道府県プロ100人が感動した!花火ランキング」
CX「インテリ芸能人とロケしたら想像以上にウザかった」
CX「世界!爽快!映像GP」
中京テレビ「センビキ」
長崎国際テレビ「釣り聖地化TV」
BSよしもと「全員半人前」
デジタル庁「デジタル庁ニュース」
TKOコントライブ47都道府県ツアー「周るTKO」など
です。
ー1年目はリサーチと作家業の割合は?
大塚:7対3ぐらいでリサーチが多かったです。
ー作家として提出するものは何ですか?
大塚:台本、企画書、毎週の宿題が基本ですね。
ー1年目でも台本を書きました?
大塚:最初はなかったですけど特番など何回か重ねる中で短い尺の台本を試しで書いて、それが今も続いています。台本の書き方は教わっていなかったが、フォーミュレーションの社内資料の台本を見返して見様見真似で書いてました。
密着番組ならこう、トーク番組ならこう、などパターンにわけて参考にしていました。
⑥現在の1日のスケジュール
大塚:
≪忙しい日≫
ここ最近で忙しかった日を例に挙げますと、
9時〜企画会議(リモート)
10時〜担当番組の出演者オーディション(@赤坂)
12時〜定例会議(リモート)
15時〜番組収録立ち会い(@押上)
19時〜定例会議(一旦収録抜けてリモート)
22時〜台本構成打ち(リモート)
24時〜帰宅
≪余裕のある日≫
会議が入っていない日は、午前中から荻窪にある「なごみの湯」に行くことが多いです。作業できるフリースペースがあるので、そこでたまっている作業を片付けて、目処がついたらお風呂に入っています。
銭湯の種類も多く、漫画も読めて、テレビも見れるので、長い時は1日いることもあります。
⑦フォーミュレーションに入って作家業で
よかったこと・活きていること
大塚:ネタ出しの目線が鍛えられたのはもちろんありますが、業1ではネタの面白いポイントが演出に伝わるような構成の資料を作ることが多かったので、それはフォーミュを卒業して作家としてネタ出しをする際にも活きていると思います、特に日本テレビで担当していた番組での毎週の新ネタ資料の作り方は本当に勉強になりました。
大塚:先程も言いましたが、しっかりとしたリサーチができる作家は重宝されるのでフォーミュレーションでのネタ出しやリサーチ経験がいかされていると思います。
佐々木:たしかに僕も日本テレビの同じ番組を担当していた時には新ネタ会議では自分が面白いと思っているポイントを明確にして発表・資料作成をする必要があると感じました。
⑧自身の作家としてのアピールポイント
大塚:かっこいい企画書こだわって作ります!
大塚さんの話を聞いてみて…
佐々木:正直言うと卒業後にアルバイトをしないで食えていけるのかが心配でしたが何とかなりそうなので安心しました。もちろん大塚さんがリサーチができるからの結果なので、油断せずフォーミュレーションでメキメキとリサーチ力を上げないといけないと思いました!
お話にも出てきたように今はリサーチできる作家さんが重宝されているとのことでフォーミュレーションでのリサーチ経験は、ものすごく自分のためになっていると再確認できたのも大きいです!
大塚さん、お忙しい中インタビューありがとうございました!
先輩作家2人目 山﨑さんに聞いてみた
【インタビュアー】
岩附優太(いわつきゆうた)・ライトクリップ1年目
2001年生まれ。千葉県出身。好きな食べ物はうな重。
現在は「沸騰ワード10」などを担当しています。
暇な時間にラジオ・Podcastを聞く事が趣味です。
山﨑さんプロフィール
![](https://assets.st-note.com/img/1729049369-HYbPxjBK0sXuhWpQVi4kUzMv.png)
山﨑恵輔(やまざき けいすけ)
31歳、ライトクリップ3年目。静岡県出身。
大学時代より構成作家を志し、養成所に通った後、在学中に作家として活動開始。その後、書店勤務を経てライトクリップに所属。構成作家として本格的に活動を再開し現在に至る。
現在、テレ東「正解の無いクイズ」「即今日話」BSよしもと「チャリロトよしもと」「Y-Tube大賞」などの番組の構成を担当。その他、ドラマ企画書・プロット作成や企業CM台本など。過去には、ドラマ「おしゃ家ソムリエおしゃ子 2」の脚本やSpotify「真夜中のテレフォン」の企画なども担当している。
①フォーミュレーション卒業後1年の仕事量・仕事内容は?またどのような生活だった?
―卒業してすぐに作家としての仕事は始められていましたか?
山﨑:レギュラー番組の仕事はありませんでしたが、先輩に呼んで頂いて特番の会議で企画を通したりその番組のSNSの更新だけ担当したりして、そこから徐々に仕事を増やしていきました。
—その頃は生活には困りませんでしたか?
山﨑:僕の場合はもともとやっていたリサーチの仕事を3つほど引き継げたので一応生活するのには困らない程度に働けていました!
―デビュー1年目でいきなりテレビ番組の台本を書くことはありましたか?
山﨑:僕はここに入る前に少し経験があったので、台本を書くお仕事もありましたが、基本的には最初はチーフ作家からもらった細々とした仕事をするところから始まりました。
②フォーミュレーションに入っていた時にどのようにして作家の仕事を貰っていたか
―フォーミュレーションを卒業するまでの間に何か準備をしていました?
山﨑:昔お世話になった作家の先輩に「一緒にやりませんか」と連絡してみたり、あとは動画を制作している会社のHPに営業メールを送ってみたりしました。
―営業メール!?スゴイですね!それは仕事に繋がりましたか?
山﨑:1件だけ仕事に繋がりました! 短いお話のアニメーションのYouTubeチャンネルを作っている会社に「脚本の経験があるので是非お願いします!」と送ってみたらそのまま仕事に繋げる事ができました!
③ 作家としてスキルアップのために努力していることは?
山﨑:普段からスマホでメモを取ることは心掛けています!見て面白かったものなど、特に多いのは番組のキャスティング案を考えるためにタレントの情報をメモする事です。
―たしかに若手はキャスティング案考えることが多いイメージありますよね。
山﨑:そうですね。あと若手の作家だと最近のTikTokerとかを知ってて当然だと周りから思われているので、その辺りの人達の事も知っていたら武器になると思います。
山﨑:フォーミュレーション時代に調べていたタレントのメモは今でも役立っています!「この芸人さんはこんなキャラクターでこんな能力があります」とか知っていると、役に立つ場面が多い気がします。
④作家として仕事を貰うため・増やすために意識していることはありますか
山﨑:仕事を貰うためにという事でもないのですが…
企画が通る通らないは、内容もそうですが通す側のタイミングみたいなところがほとんどだと思うので、とりあえず数は出すようにしています。
書いた自分すら忘れていたような2年前に出した企画書が別の募集で知らない間に通って連絡が来たり、そんなに自信のない企画の方がなぜか通ったり、そんな経験を何度もしてきました。「数撃ちゃ当たる」じゃないですが、色んな場所に種をまいておく事は意識しています。
⑤ 現在、担当している番組・その他業務(広告など)またその番組・業務で何をやっているのか?
―山﨑さんはドラマ脚本のお仕事の経験もあるとお聞きしましたが
それは今もされているのですか?
今はやっていないのですが、ライトクリップで以前に深夜ドラマの脚本の仕事の募集があって、それに参加した事がありました。
―ライトクリップで脚本のお仕事って意外ですが、どんなきっかけがあったのですか?
山﨑:ライトクリップのメンバーにドラマ1話分のテーマの企画募集があったので考えて送ってみたら通りまして、そのまま会議に参加させてもらって脚本も書くことになりました。
⑥ フォーミュレーションに入って作家目線としてよかったこと・活きていること
―フォーミュレーションでの経験は役に立っていると感じますか?
山﨑:もちろんです!知識の量が圧倒的に増えたのでそれは今でも役に立っています。フォーミュレーションの社員達がベタだと思うような情報でも周りの人達は知らなかった事とか意外と多いので、リサーチャーとして得た知識量は今の仕事にも活かせていると感じます。
―ネタ案を出すときにもアイデアだけではなくて情報を出すとかしますか?
山﨑:そうですね。企画書を書く時も具体的な場所とか店の例を入れています。今は作家にもアイデアだけじゃなくて情報を求められていることが多くて、リサーチ兼作家として呼ばれる仕事が全体的に増えている気がします。
⑦自身の作家としてのアピールポイント
山﨑:テレ東「即今日話」10月7日(月)深夜24時30分~
4週連続放送するのでぜひご覧ください!
山﨑さんの話を聞いてみて…
番組SNSの更新やドラマの脚本など、想像以上に幅広い仕事を受けていて驚きでした。知り合いや企業のHPに連絡して仕事を貰うアグレッシブな姿勢は僕も見習いたいと思います!
まずは今やっているリサーチのスキルを磨くところから、僕も2年間頑張って立派な放送作家になりたいです!
山﨑さん、お忙しい中ありがとうございました!
お二人ともお忙しい中どうもありがとうございました!
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