苦手な1on1、もし禅僧がアドバイスをくれたら
苦手な理由
リーダーが1on1をやらなきゃいけなくなったら、こんな風に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
何を話したらよいか分からない
仕事の話以外に話すことがない
逆に仕事に以外の話をするとハラスメントだと思われそうで話すトピックが見当たらない
上手くいかなかった理由
また、実際に1on1をやってみて、上手くいかないけれど、リーダーとしてどのように改善したらよいか分からない、という方もいると思います。
仕事の指摘ばかりになってしまった
結局自分がずーっと話していた
仕事のタスク確認のミーティングとの違いが分からない
1 on 1のミーティングの紛らわしい所
本来の主旨は、「部下の育成やモチベーション向上のため」にリーダーが部下を理解したり、サポート方法を共に話し合うことです。
ここに「育成」が入ってくるので紛らわしくなります。
よかれと思って、これまでの仕事ぶりをリーダーがレビューし、直して欲しい点を部下にアドバイスする時間になってしまいます。
そこで、禅僧のひとこと
1on1のやり方やアドバイスは、書籍や記事にたくさんありますが、別の視点を借りて1on1を見てみます。
道元は、時間が現在から過去に流れると説きました。
リーダーのデフォルトは過去→現在
リーダーが部下に何かを話そうとするとき、必ず「過去から現在に」時間を進めて思考します。
過去:(先週の部下のクライアントへの提案の「あれ」が良くなかった)
現在:(だから、今日の1on1でそこをアドバイスしよう)
ほとんどの仕事の場面は評価しているのでこの考え方です。
現在が過去に流れていく1on1とは
禅僧がもし、
「現在が過去に流れていくので、そのように1on1をしてください」
とリーダーにアドバイスをしたら、どんな1on1になるでしょうか。
現在→過去でリーダーが部下に向き合う
①まず、今日まで(過去)の部下のパフォーマンスへの想いは部屋の外において入ります。
部下がそこにいます。
②「今日は何を話したい?」とリーダーが聞きます。
なぜなら過去に思っていたリーダーが話したいトピックはそこに無いからです。
③部下が話したテーマを聞きます。
「話してみてどうだった?」
「どこか気になった点はある?」
「話してみて、改めて重要だと思う点はどこ?」
など、話したことについて、部下が現在どう思ったかを聞きます。
④テーマについて、サポート欲しいことについて聞きます。
「どう進めたいと思った?」
「リーダーの私にサポートして欲しいことはある?」
と聞きます。
過去が部屋にいたら、テーマについての「サポート出来ること」を部下に伝えますが、外に置いてきたのでリーダーは持ち合わせていないので、部下に聞きます。
部下の現在だけに興味を向ける
時間が普段の過去→現在ではなく、現在→過去に逆に流れると1on1もかなり違ったやりとりになります。
リーダーの興味が常に、現時点の部下のみになります。
参考文献:
『新訳 禅マインドビギナーズ・マインド』鈴木俊隆著、藤田一照訳
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