漢方からみた梅雨の養生①その不調、湿度が原因かも?
傘が必須な梅雨の時期は、もう目の前です。
湿度が高くなると、髪のお悩みも増えるかと思いますが、身体の不調を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、漢方の観点から、「今感じている不調は、実は湿度によるものかも?」ということをお伝えしていきたいと思います。
梅雨の不調は「脾」と関わりあり
漢方では、梅雨は「脾」の季節です。消化をつかさどる「脾」は、湿気が大嫌い。そのため消化機能が低下し、胃もたれや食欲不振、下痢などが起こりやすくなります。
また、湿度が高くなると体内にも「湿」が入り込みますが、湿により脾の機能は低下してしまうため、うまく余計な水分を排出できずに、体内に水が溜まり滞ってしまいます。
いわゆる「むくみ」といわれる症状が起こりやすくなるわけですが、それ以外にも、余分な水分により身体が重だるくなり、頭痛に悩まされる方もいらっしゃいます。
冷えや血の不足、血の滞りなど、頭痛にはさまざまな要因がありますが、梅雨の時期や雨の日に頭が痛くなる……という方は、水の滞りが原因かもしれません。
梅雨の過ごし方
この時期の過ごし方として、以下のことを心がけてみましょう。
一度に大量の水分をとらず、こまめに補給する。できるだけ常温以上の飲み物を。
湿気をためないように、衣服や住まいの通気を良くする。
ゆっくりと入浴をする(暑いからとシャワーで済ませないようにする)。
じわっと汗をかく程度の運動(涼しい時間のウォーキング、ヨガやストレッチなど)をする。
身体を冷やさないように気をつける。エアコンの冷えや、食べ物による冷えに注意。
「脾」を補う食材で消化をたすける
お食事面での対策も重要です。
湿度により「脾」の力が弱くなりがちですので、補ってくれる食材を用いて消化をたすけるようにしましょう。
おすすめの食材
次回は、体内に滞った余分な水分を排出する薬膳についてご紹介したいと思います。
この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。