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#415【ゲスト/Webビジネス】小売業界激震! モノが売れない時代の驚異の販売戦略とは?

このnoteは2022年6月14日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。


小売革命を起こす「ライブコマース」は、テレビ通販とは何が違う?

土屋:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める、土屋芳輝です。今日も素敵なゲストをお招きしております。Tailor App(テイラーアップ)の代表取締役社長の松村夏海さんです。フォレスト出版・編集部の森上さんとともにお送りしていきます。松村さん、森上さん、どうぞよろしくお願いします。

松村:よろしくお願いします。

森上:よろしくお願いします。

土屋:まずは私から松村さんのプロフィールをご紹介したいと思います。松村夏海さんは(株)Tailor App代表取締役社長。1997年静岡県生まれのZ世代。法政大学在学中にフォントボン大学に留学、そして卒業。祖父、父と違う事業ではあるものの経営者だったため、自然と経営の道を志していたこともあり、大学の単位を2年生でほぼすべて取り終わり、インターンや業務委託を経験し、インターン先のベンチャーPR会社の紹介でライブコマースシステム会社に入社。ライブコマースのノウハウをひと通り学び、同社が2019年にIT一部上場企業にバイアウトされるタイミングで、2020年に(株)Tailor Appを設立。年間150本以上のライブコマースを企画から行ない、100万円〜1,000万円以上といった売り上げ事例を多く創出しております。この“売れない”と言われてきた“日本のライブコマース”で業界一の実績と事例数から、スタートアップから大手まで業界問わず、過去事例を元にプランニングを行ない、高い評価を受けていらっしゃいます。(2022年)6月13日に発売となった新刊『売れる「ライブコマース」入門』は、今まで培った経験・知識を基に「ライブコマース」のノウハウを完全公開した、初の著書となっております。

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ということで、松村さんは1997年生まれのZ世代で、まだ24歳とお若いのですが、もう創業2年目。そして、売り上げが爆上がりの状況だとお聞きしております。Tailor Appさんは具体的にどのような会社なのでしょうか?

松村:素敵なご紹介をありがとうございます。うちの会社はライブコマースと言って、イメージはテレビショッピングのようなものをスマホ媒体でやることになるのですが、そこで、企業さんから商品を預かったり、企業さんのPRをしたり、ライブコマースっていう形で、物を売るだけじゃなくて、研修もやったりとか、あとはそのためにシステムをつくって提供したりっていうことをやっていますね。

森上:なるほどね。すごいですね。それこそ2020年って、コロナ真っ只中じゃないですか。

松村:そうですね。

森上:そのときに会社を設立したんですもんね?

松村:そうなんですよ。そこを逆に僕は狙っていたというところもあって。時代の流れとしても、10年に1度、例えばリーマンショックがきたりだとか、東日本大震災があったりとか。コロナはゲームチェンジが起きるタイミングだなと思ったので、そこはタイミングが合ったんですけど。プラスでライブコマースの需要が高まった。それこそお問い合わせ件数がいわゆる緊急事態宣言後に6倍に跳ね上がったっていうところもあって、ここにチャンスがあるんじゃないかなと思って、会社を設立したという感じです。

森上:なるほど。リスナーの皆さんも、ライブコマースって「どっかで聞いたことあるな」と思っていらっしゃると思うんですけど。これは本の中にも書かれていますが、ライブコマースって今回は2回目の波が来ているっていう感じなんですよね? 1回目があったんですよね?

松村:そうですね。2018年に一度あったんですけども、例えばメルカリさんがメルカリチャンネルというのをやったりとか、楽天さんも最近ライブコマースに力を入れているんですけど、実はそのときに始めていて、1回なくなってしまったり。あとは、僕の前職のECサイトにライブコマースの仕組みをつくれるシステムもいっぱいあったんですけども、コロナ前だったので、そもそもライブで物を買う人がいなかったところもあったので、盛り上がりはしたけども、1回波が収まってしまったっていうことがありましたね。

森上:なるほどね。ライブコマースというのはひと言で言うと、スマホでSNSとかのライブ機能を使って物を売っていくってことなんですよね?

松村:そうですね。おっしゃるとおりです。

森上:これは通販とは何か違いがあるんですよね?

松村:そうですね。すごく大きなところでいくと、相互コミュニケーションが視聴者と取れるっていうところですよね。テレビショッピングって、例えば「ジャパネット」さんが話して終わりで、しかも5分、10分くらいで終わるものなのですけども、ライブコマースってだいたい60分くらいやるんですよ。なおかつ視聴者が気になっていること、例えば「この服を売ります」ってなったときに、「素材って何なんですか?」っていうこととかを、その場で聞けるっていうのがまた変わってくるかなと思います。

森上:なるほどね。つまり、テレビショッピングは一方通行だけども、ライブコマースはその場に応じて双方向であるといったところが一番の違いだということですね?

松村:そうですね。

森上:じゃあ、出てくる人はかなりのコミュニケーション能力が必要そうですね?

松村:そうなんですよ。あと最近すごく強いなっていう方は、逆に芸能人ではなく、本当にブランドのことが好きみたいな方のほうが売れたりとかしますね。ライブだからこそ編集がきかないですし、本当にこの商品が好きなのか、好きじゃないのかって、人の感覚値みたいなところでわかってしまうので、よりリアルな声を聞けるっていうところから、本当にそのブランドが好きな方はめちゃくちゃ売ったりとかしますね。

森上:だから、変な話、逆にステマ的な人っていうのはすぐにバレちゃう。

松村:そうなんですよ。なので、台本をガチガチに作ってもらって、読んでいる感が否めないだとか、質問されてもわからないみたいなことが結構あるので、そういった部分でいくとやっぱりなかなか売れないなと思いますね。

人気ライバーではモノが売れない!? ライブコマースを成功させる登場人物3役

森上:なるほどね。ちょっと話が戻っちゃうかもしれないですが。日本よりも中国のほうがライブコマースは盛んだって聞いたんですけど、実際は中国と日本の違いというのはどんな感じなんですか?

松村:文化の違いもものすごくあるのですが、市場からお話すると34兆円規模っていう、どのぐらい大きいんだって想像がつかない金額の単位だと思うんですけど、そこまで広がると言われています。日本だと6000億まで広がるって言われているので、一部上場企業のトップクラスの流通額になっていくんだろなと思っていて。で、日本と中国のおもしろいところで言うと、日本はコロナでパンデミックが起きていますけれども、中国ではその前にサーズやマーズみたいな疫病があったりだとか、そもそも国土が広いので、物を買うのに沖縄から北海道に買いに行かなきゃいけないとかっていうところもあったり、そもそも人口も多かったりする部分もあるので、そういったところから商売の文化としてライブコマースが広がっていったんですよ。ただ一方で、日本はライブ配信とか、ライブコマースって言うと、アイドルとか、それこそオタク文化みたいなものから派生しているので。

森上:投げ銭系の。はいはい。日本は投げ銭文化からのライブ文化が育ち、向こうはもう最初から買い物っていう、その大きな違いがあるっていうことですね。

松村:そうですね。特に日本ではそれこそ小売の文化が強かったりとか、おもてなしの心があるっていうところもあると思うのですけど、接客文化が根強いんですよ。自分で商品を触りたかったとか、サンプルを1回使ってみてから試したいっていう方も多かったり、それこそ東京に住んでいたら、何かを買いたいってなると、新宿や渋谷に出るとすぐに物を触れるじゃないですか。なので、あまり必要がなかったので、「なんでライブが必要なのか?」ってなると、その人を見に行ったり、その人と会えるっていうところもありつつも、その人が本当にお勧めしている商品だと、共感性を生んだりだとか。何がいいのかっていうのが本人の声で聞こえるので、そこで接客が始まっているようなものですね。

森上:なるほどね。今回の本の中でもいろいろとお書きいただきましたが、人気ライバーっていらっしゃるじゃないですか。いわゆるティックトッカーとかも含めてなんですけど。その人が何か商品を売ったところで売れないっておっしゃっていたじゃないですか。それよりも、コマーサー的な人のほうが売れる。商品知識がある人の方が売れる。この辺りのライバーとコマーサーの違いって何なんですかね?

松村:そうですね。ライバーでいくと、その人たちにファンがついている方が多いですよね。知名度やタレント性で食べている方ですよね。なので、そこに対しての応援とか、好きっていう意味で投げ銭を出すんですけども、コマーサーってどういうお話しをするかと言うと、“ジャパネットたかた”さんがやはり近いですよね。商品の魅力をしゃべられたりだとか、「この商品はこれだけ研究をして、これだけの想いを込めてつくっていますよ」っていうところでいくと、他の方は例えば「この紙コップってどこでつくられたのか」がわからなかったりすると思うんですけども、想いを伝えることによって売れる。これがコマースのコマーサーっていう、“売る人”っていう意味で、ライバーのタレント性のある方とは違うっていう感じです。

森上:なるほどね。そういう意味ではライブコマースでライブを実施するにあたっては、それぞれ特性が必要だっていうことですよね。そこは強みが違うっていうことですね。

松村:そうですね。

森上:求められる資質というか、スキルというか。タレントさんだからいいってわけじゃないっていうことですよね?

松村:そうですね。タレントさんはあくまでも視聴者数を取ってくれるっていうところが強いと思うんですけども、ただ、その人は商品をつくった人でもなければ、想いを込めている人でもなかったりするので、そういう部分が弱いですよね。

森上:なるほどね。本の中でもいろいろとお書きになられていますけど、「ライブコマースには3人の登場人物がいる」っていうことをお話しされていましたが、その3人を挙げていただいてもいいですか?

松村:そうですね。そこでいくと1人目が「天の声」さんっていう、「スッキリ」(日本テレビの朝の情報番組。2023年3月31日に終了)の山ちゃんみたいな、ライブを回す人。で、2人目が「コマーサー」の方、3人目が先ほど言った「ライバー」の方とか、タレントの方が多いですね。これが「ライブの型」と言われていますね。
それぞれがどういう役割を果たすかというと、テレビショッピングってなんで売れるかってお話したほうがいいと思うんですけど、そこに出すと、もう何千万、何百万PVがつくじゃないですか? そこに“ジャパネットたかた”さんっていう売る人、コマーサーが出てきて、商品が「本日、ここで買うとお得」みたいなものでテレビショッピングは成り立っているんですよ。ただ、ライブコマースの難しいところが、「ライブやりますよ」って言っても見られないんですよね。なので、視聴者を確保するためのタレントの方、ライバーとかそういう方々。そして売る方、コマーサーの方とか、“ジャパネットたかた”さんとかではなく、いわゆるブランドの方とか、それこそ製品開発の方とか、そういった方が出てくることが多いです。
で、天の声がなんでいるのかってなると、ライブって先ほどお話ししたように、相互コミュニケーションじゃないですか。その中で、ライブを回したり、こういうコメントが拾えていないっていう時に促してあげるとか、あとはライブなので撮って後で編集することができないっていうところから、タイムキープとか。例えば、コマーサーの方とか、タレントの方がセリフをど忘れしてしまったときにカバーしてあげるっていうのもすごく重要なので、本当に合いの手に近い形ですよね。っていうとこで、3名で成り立つことによって、売れるスキームができてくるんじゃないかなと思います。

森上:なるほど。それこそ、テレビで見ていたものが、このスマホのデバイスで見られて、しかも双方向性があるっていうところが、テレビショッピングとの大きな違いって考えてよろしいですか?

松村:そうですね。あとは付加価値的なところで言うと、テレビショッピングって出る人が決まっていたりだとか、言い方はよくないかもしれないですが、旬が終わってしまったタレントさんが出ているイメージがあるじゃないですか。

森上:はいはい。

松村:それよりもライブコマースって、フォロワーという、人気度が数字として可視化されている人だとか、最近はユーチューバーの方とかも結構やったりとかしているんですけども、やはり今が旬の会いたい人に会えたりするんですよ。だいたいテレビショッピングって、“たかた”さんにしか会えないんですけど、その人たちに会えて、なおかつ自分がファンの人にコメントを拾ってもらえるっていう顧客体験というところですよね。そこもファンにつながってくるんですが、そういった部分が変わってくる部分なのかなって思います。

森上:なるほどね。そういう意味では距離が近いというのもあるかもしれないですね。双方向だし。しかも旬な人、自分が好きな人。例えば、何か質問したらそれを拾ってくれる。そこでコミュニケーションが取れる。確かにそこはかなりのエンタメ性を感じますね。

松村:そうですね。なので、ここで僕が森上さんに僕のコメントを拾ってもらってうれしいという感動と一緒ですね。

森上・松村:(笑)。

メーカーや企業が番組を持つ時代/令和版のカリスマ店員が登場

森上:なるほど(笑)。今は一回波が終わって、そしてパンデミックが会社を設立するぐらいのきっかけになったということで、爆上がりしているわけじゃないですか。市場というか、ニーズが。

松村:そうですね。

森上:クライアントさん名は伏せた方がよろしいかと思うのですが、例えば、ジャンルとか、業界的にはどんな業界がライブコマースを使うことが多いんですか?

松村:そうですね。そこでいくとコスメとかアパレルとかはやっぱり多いですよね。そこに対して、最近のおもしろいところでいくとお菓子メーカー、和菓子屋さんだとか。あとは商業施設さんとかもあったりしますし、使い方も、ライブコマースとは言わないかもしれないですけれども、車のイベントに合わせて、試乗会申し込みに流すためのライブコマースをやったりすることもあるんですけれども、すごく多種多様に使えるというか、商材を選ばないっていうところもおもしろいですね。

森上:なるほどね。例えばファッションとか美容とかコスメとかっていうと、インフルエンサーとか。例えば“ゆうこす”さんっていう有名な方がいますけども、あの方はライバーでもあり、コマーサーでもあるって感じですかね?

松村:おっしゃるとおりですね。僕もそこはすごく思っていて。日本で言うと、ライブが上手な方ってあんまりいらっしゃらないので、そういった部分でいくとライブコマーサー、ライバーであり、コマーサーの方なのかなと思っています。

森上:なるほどね。あの方が1番わかりやすくて、実際にコスメとかを紹介したりしているわけですよね。今、お話をお聞きしていて、これは本の中でもお書きになられた部分だとは思うんですが、お菓子っていうのはどんな感じのライブコマースをやったんですか?

松村:そこの会社さんがテレビCMをやっていたんですね。ただ、テレビCMって15秒でしか伝えられなかったりとか、そのお菓子メーカーさんってすごく有名なところだったりとかしているので、よりファンというか、視聴者の方とコミュニケーションを取っていきたいとなって、今までの広告媒体みたいなもの、例えばYouTubeでもテレビでも交通広告でも、企業が伝えたいメッセージしか伝えられてなかったじゃないですか。

森上:はいはい。一方的ですよね。

松村:そうですね。なので、ライブ配信で、テーマを決めて「この会社のこのお菓子っていつできたと思いますか?」っていうクイズをやったりとか、そういうところでブランドロイヤリティを高めていって、最後に「ここで商品が売っていますよ」みたいなことをして、買わせたりとかしちゃうんですけど、そのライブを見ていると、その商品がめちゃくちゃ食べたくなっちゃって、終わったあとにみんな、コンビニに買いに行っているっていう。

森上:なるほど(笑)。ライブコマースで、そのまますぐに数字に直結するというよりも、むしろ新たな広告媒体として考えて、エンタメ性、クイズみたいなものを入れ込みながらメーカーが番組を作っているという感覚ですかね?

松村:おっしゃるとおりです。なので、イメージすると、「ABEMA TV」みたいなものを自社内で持ち始めるっていう感覚ですよね。僕はそういう時代になっていくんじゃないかなと思うので。

森上:すごいですね。つまり、メーカーがもうテレビ局というか、番組を持つ時代だと言っちゃってもいいという感じですよね?

松村:はい。

森上:それはすごいな。すごい話ですよね。あともう一つ気になったのが、なんとなく想像はつくんですが、施設さんというのは、いわゆるショッピングモールとかそっち系ですか?

松村:そうですね。

森上:それはライブコマースでどういうことをやったんですか?

松村:そういう商業施設ってリアルなお客さんが来るっていうのと、別にECをやらなくてもリアルで売れていくっていう、そこが資産というか、強かったりする部分でもあるんですけど、逆にそれが会社のリスクっていうところもあって、逆にEC化ができていなかったりするので、このコロナ禍において売り上げが下がってしまうことがありますと。そこに対して新しい販路を見つけるためだったり、そういう番組を通して来店させるという、2つの目的でやったんですけども。商業施設さんって、いろんなアパレルとか、化粧品メーカーが入っている中で、店員さんたちが1つ1つ番組をつくって配信をしまくって、いわゆるそこでチャンネルが1つできているっていう感じですね。

森上:すげえ! なるほど。その商業施設の中のテナントさん、それぞれの販売員さんが、コマーサーというか、ライブ配信者になっているっていうことですか?

松村:そうですね。

森上:すげえ! なるほど!

松村:なので、おもしろいのはそれを見て来店する方がいたりだとか、ある店員さんがしゃべるとすごく売れるみたいになったりとか、ある一種のファンになっていますよね。僕はこれですごく思い浮かんだんですけど、それこそ2000年代の109のギャル店員の時代があったじゃないですか。

森上:はいはい。

松村:そのカリスマ店員みたいなものに、デジタル起点でなっているなと思っていて。その人たちに会いに来るとか、その人たちに聞くから、すごく理解ができて買いたいとかっていうところで1つ、ファン経済がそこで成り立ってきたなと感じましたね。

森上:なるほど。形を変えて、いわゆるカリスマ店員というのがまた出てきているという感じですね。

松村:そうなんですよね。そこでおもしろいのが、自社の中でテレビをつくったりだとか、新しい形でカリスマ店員の時代が来ているっていうところもあるので、時代が逆行しているなと僕は思っていて。

森上:なるほど(笑)。でも、使うツールは最新のものを使って、ということですもんね。

松村:そうなんですよ。なので、それこそ今までできなかった人たちの声を届ける、であったりだとか、物の本当の良さを伝えるっていう、いわゆる商売の本質を出せるものだと思っているので、今後、遅かれ早かれライブで物を売る文化っていうのは根付き始めるんじゃないかなと思っています。

森上:なるほどね。今、出ているのは、だいたいが大手さんのイメージがありますが、中小零細企業とかでもいけるんですかね? こういったライブコマースというのは。

松村:そうなんです。むしろチャンスのところもあって、大企業さんって資産はめちゃくちゃあるんですけども、縦割りがすごくて、こういうことやりたいけどできないみたいなところとか、時間がすごくかかるっていうところもあります。ただ、中小零細企業さんは早かったり、いろんなことができたりとかするので、例えば、一つ例を挙げると、離島でつくっている化粧品メーカーがあって、栽培している段階、次に研究者が「こういうところをこういうふうに研究してます」みたいなもの、その次に生産者の想いを伝えて、商品ができるまでをずっとライブ配信で1週間ごとに出していったんですけども、もうファンがついているので、売ったタイミングで結構売れているっていうことになって。

森上:その研究所の製作過程の全部を何回かに分けて見せていくわけですね。

松村:そうですね。

森上:それでちょいちょいかかわっている人のインタビューとか、想いとかっていうのを話してもらうと。

松村:そうですね。なので、今までの商売はメーカーさんがつくって、世の中に出ていたんですけども、その人たちの声を織り交ぜながら商品をつくっていくので、ある種、その人たちがブランドの製作者になる核を与えられるというところもあって、物の購買につながっていくんだろうなとは思います。

森上:なるほど。それで、プッシュで売ろうと思った最後の回、全5回の5回目のところでクロージングしようと思ったけれども、もうすでに売れているというか。ファンになっているから、購買も上がっていくと。

松村:はい。

森上:なるほど。それこそお話を聞いていて思いましたけど、こだわりを持っているイチゴ農家の方がライブ配信なんて最高かもしれないですね。

松村:それはすごく最高だと思います。プラス、こういうデジタルみたいなものって日本は遅いじゃないですか。なので、そういう農家さんたちもスーパーに卸すことができなかったんですけども。スーパーに卸した後に、消費者が手に取るときに生産者がどういう想いでつくっているかなんて絶対わからないじゃないですか?

森上:わからない。

松村:そこをこういうデジタルっていうところで、想いを伝えられる媒体が出てきたので、各地方の方がつくっている想いを伝えて、なおかつ全国各地に届けられるようになったという時代を考えると、日本はこれを通じて、消費大国になっていけばいいのかなと僕は思っています。

森上:なるほど。それこそ、こだわりを持って、いわゆる職人的な商品をつくっているメーカーさんはチャンスかもしれないですね。

松村:そうですね。

森上:それはすごいわ。むしろ、そういったところに有名な方が「ファンです」って、ファンとしてついてくれて、その人と一緒にライブコマースなんてやったら最高ですよね。視聴者数も取れるし。

松村:想いも伝えられるっていうところもあるので。

森上:夢が広がるわー。だって、今まではそれこそテレビ広告を出すというところで、やっぱり資金力がないところは出せなかったですからね。それがなくなったっていうことですもんね。

松村:そうですね。

森上:いや、すごい。土屋さん、こんな感じなんですけど、土屋さんから、何か質問とかありますか?

土屋:そうですね。初心者的な質問で……、皆さん聞いている方も初心者だと思うんですけども、企業で導入できるっていうことだったんですけども、導入するときにコマーサーだったり、天の声だったり、そういったものは誰でもできるものなんですか?

松村:そうですね。基本的にはこういう人がいいっていう定義はあるんですよ。例えば、コマーサーの方でいうと、人前で話すのが得意であったりだとか、あとはブランドにどのくらいかかわりがあるかっていうところもあるので、例えばブランドマネージャーとか、販売の方が向いていますというのと、人に伝えるのが得意な方がコマーサーに向いているなと思っていて、最後のところはどういう意味かっていうと、ブランドを突き詰めたりとかする方、製品開発の方とかでいくと、知らない単語を出してきたりとか、製品開発者じゃないとわからない単位を使って、例えば0.03ビットみたいなものが出てきて、何がすごいのかわからないこととかもあるので、伝え方が上手な方が向いているのかなと思います。ただ、そういう企業さんも「私にできるのかな?」っていうところがあるので、そのために僕たちは研修をやったりすることも多かったりします。

森上:なるほどね。では、ちょっとお時間がきてしまいましたので、まだいろいろとお聞きたいんですけども……。

土屋:そうですね。もっとお話をお聞きしたいところなんですけれども、お時間になってしまいました。今日ご紹介した書籍、『売れる「ライブコマース」入門』のURLをチャプターに貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。また松村さんは明日もゲストにお越しいただけるということで、明日は「実際にライブコマースを実施する際に押さえておきたいポイント」について詳しくお聞きしたいと思います。皆さん、ぜひ楽しみにしていてください。ということで本日ここまでとなります。松村さん、森上さんありがとうございました。

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松村・森上:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)

 

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