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どんな相手でも手玉に取って攻略する!実践心理テクニック5選

フォレスト出版編集部の寺崎です。

今日は実践心理テクニック5選シリーズの最終日です。

これまでご紹介したテクニックは実際に試されたでしょうか。

今日のテーマは「どんな相手でも手玉に取って攻略する」です。相手がどんな人物であろうと、この心理術を駆使すれば、なんのことはなく攻略できる。

そんなスゴ技をご紹介します。

「プライドのやたら高い人」を攻略する方法

 プライドの高い人は、人を寄せつけないオーラを放っています。
 周囲を見下していますから、孤立を余儀なくされることでしょう。
 そう言う人には、誰もモノを頼みたくありません。
 うかつに近づいて、お願い事をしても、「何でオレがそんなくだらないことに付き合わされなきゃいけないんだよ」などと言われて却下されかねないからです。
 プライドが高い人というのは、自尊心が極端に高いからですが、実績なり、能力なりにそれなりの自信をもっているせいでもあるでしょう。
 しかし、そんな自分の有能さに対する周囲の評価が、いまひとつ低いというのがジレンマにもなっているのです。
 つまり、本当に自信があったら、プライドなど振り回さなくてもよいわけです。
 プライドが高い人と他人から思われるのは損なのですが、本人は気づいていません。
 それどころか、「オレをもっと敬えよ」とばかりに、偉そうに振る舞っています。
 こういう人を手玉に取るのはカンタンです。
 優越感を、たっぷりどっぷり味わわせてあげればよいだけだからです。

 お願い事をする時には、「助けてください」とすがりついてあげましょう。徹底的にへりくだってお願いされると、自尊心が満たされ、優越感から、相手の申し出をつい引き受けてしまうからです。
 プライドを振りまわしている人を見つけたら、うまく手玉に取って利用することを考えるべきでしょう。

イラストレーション:前田はんきち

「ほめられ慣れている人」を攻略する方法

 男性は、美人を前にするとドキドキします。官能が刺激されて、セックスを意識するからです。「ハロー効果(本書104ページ参照)」に幻惑されて、エッチしたい願望が無意識(本能)に宿ります。そして、緊張のあまり「おきれいですね」「可愛いですね」などとベタなセリフにつながりかねないのです。
 いつも、キレイとほめられ慣れている人は、「美人ですね」とほめられて、嬉しくないわけではありませんが、当然とも思っているので、「またそのセリフか、いいかげん聞き飽きたなー」と傲慢な心理にも傾きがちです。単なる「自己確認」にすぎないからです。
 そんなセリフで口説こうと思っても、その他大勢の人たちと同じになってしまいますから。心動かされることはあまりないのです。
 ほめられ慣れている人をほめる時には、ベタなセリフを使わないことが大切です。
 美人やイケメンなど、外見をほめられ慣れている人には、それ以外の部分、たとえば内面をほめてあげるべきです。「センスがいいね」「感覚がシャープですね」「気遣いが素晴らしい」「メンタル面が安定していますね」「話し方に説得力がありますね」などです。
 つまり、「自己拡大」が図れるセリフなのです。
「そのセンスを生かせばスゴイことができそう」「その考え方なら成功しそう」――など、未来に向かって自己の可能性が開かれる要素が感じられる言葉に嬉しくなるのです。
 この人は、私の可能性を見出してくれる人——となれば、その他大勢から抜け出せます。
 では、肩書などが立派な人たちは、どうほめてあげるのがよいのでしょうか。
 すでに自分に一定の「権威」が備わっていることを十分認識している人たちです。「上場企業の部長さんでスゴイ」「大学教授とはサスガ」「お医者さんてステキ」――。
 こんなセリフは、聞き飽きているのです。
 こういう人たちには、「自己拡大」を図れるセリフも悪くはありませんが、むしろ、今の立場や権威をもつに至った「プロセス」での苦労を讃えてあげたほうが喜ばれます。
「組織をまとめていかれるのは大変でしょうね?」「難しい学問を志されたキッカケは何だったんですか?」などです。上手に転がしてあげると、一目も二目も置かれます。

「ほめ上手な人」にコロッとやられない方法

 ほめ上手な人は、聞き上手な人です。
「へーっ、なるほどー」「そりゃあ、スゴイ!」「驚きましたね」「それでそれで?」と、上手に相づちを打ってくれ、こちらの話を前のめりになって聞いてくれます。
 あからさまなおべんちゃらでなく、当意即妙に反応したほめ言葉で、こちらを「いい気分」にさせてくれるのですから、こういう人は好かれます。
 ところで、ほめというのは、不思議なもので、「お世辞」を言われているな──とわかっていても、だんだん気分がほぐれていくものです。
 フランス皇帝にまでなったナポレオンは、お世辞嫌いで通っていたものの、部下から「閣下は、お世辞がお嫌いなので事実のみ報告いたしますが、閣下の人気はパリではうなぎのぼりです」などと言われると、頬が緩み、すっかりやにさがっていたと伝えられています。
 ほめは、お世辞であっても十分効くのです。
 ほめを繰り返されると、麻酔を打たれたように、神経が弛緩していき、「いい気分」になってしまいます。すると、余計なことをペラペラ喋ったり、相手の要求をうっかり承諾してしまったりするのです。
 ゆえに、ほめられても乗せられないよう、警戒しなければなりません。
 ほめの攻勢に対抗するには、ほめられているなと思ったら、すかさず相手にほめ返しを行うことです。相手のほめを言下に否定するのではなく、「それはありがとうございます」と受けとめて礼を述べ、「それはそうと、○○さんこそ〜」と始めればよいのです。

先方
「岡本さん、それはすごいですねえ。びっくりしましたよ。やり手なんですねー」

当方
「 いやあ、おほめにあずかって恐縮です。ありがとうございます。それはそうと山本さんこそ、プレゼンの名手と伺ってますよ。プレゼンの要諦を教えてくださいよ」

先方
「えへ? プレゼンの要諦ですかー。それはですねー、まずは、ペラペラ……(饒舌)」

 ほめ返しが、見事に効いた瞬間というわけです。

「時間に厳しい人」を攻略する方法

 時間に厳しい人は、自分に対しても、他人に対してもそうです。
 待ち合わせ時刻には、必ず5分〜10分早く到着するようにしています。
 相手が、5分〜10分遅れてくると、言葉に出して「遅いじゃないか」と非難する場合もあれば、言葉に出さなくても表情がむっつりして、明らかに不機嫌であることを隠そうとしなかったりします。時刻通りにジャストで現れるか、あるいは、それより少し早く来ているぐらいが当然だ――と考えているからです。
「いやあ、申し訳ない。電車が遅れちゃって……(汗)」などと謝っても、電車が少々遅れたぐらいがなんだ――と思っているので、理由を聞かされても表情はほぐれません。
 こっちは、5分〜10分電車が遅れることまで想定し、待ち合わせ時刻より早く来ているのになんだ――という思いがあるからです。
 対等の関係であるべきなのに、待たされるという「従属の心理」が不愉快にさせます。
 こんな時間厳守の人と待ち合わせをする場合に限らず、待ち合わせ時刻よりも、早く到着していることは、心理学的にもおすすめの行動になります。「先手必勝の法則」です。
 こちらの到着よりも、相手が先に来て待っているケースを想像してみてください。
 時刻通りに、こちらが到着した場合でも、何だか焦ってしまうでしょう。
「お待たせしました」と、つい口に出てしまいます。時刻ちょうどに来ているのにです。相手に負い目を感じる心理は、その後の交渉にも無意識に影響を及ぼされるのです。
 相手より優位に立って、主導権を握りたければ、とにかく相手より先に着いて待っていることなのです。相手がもともと早く来る人であれば、それ以上に早く行くことです。
 ところで、早く着こうと思って早めに出発したのに、不可抗力で遅れてしまう場合もあります。そんな時には、携帯を使ってすぐにも相手に連絡しなければなりません。
 しかし、遅れる時間が10分〜15分の見込みなら、20分から25分遅れると多めに伝えるべきなのです。ギリギリの時刻を伝えて遅れれば、さらに怒らせることになるからです。
 相手は待たされれば待たされるほど「従属の心理」がはたらいて不愉快になります。しかし、伝えられた時刻よりも早く到着すれば、その心理は解消に向かうからです。

「絶対儲かりますから」と絡みついてくる人を攻略する方法

 宝くじは、買えば買うほど貧乏になる仕組みですが(1枚300円の宝くじが1等に当たる確率は約1000万分の1)、買う人が大勢いて、行列ができる売場さえあります。
 年間売り上げは約1兆円で、配当金(当選金)に回るのは、そのうちの約45%です。
 宝くじは、買わなければ絶対当たらないから買うのだ――という人たちの心理を、さらに分析していくと、面白いことに気づきます。
 ほとんどの人は当たらないけれど、もしかすると自分だけは当たるかもしれない――という自分だけに都合のよい心理がはたらいているからです。
 人は、不快なことを考えるとストレスになりますから、自分だけは交通事故に遭わない――などと思っています。そして、自分にだけはいつか幸運が舞い降りてくるかもしれない――などと、虫のよいことだけを考える傾向があるのです。
 これを心理学では「認知バイアス」と呼んでいます。「認知バイアス」はさまざまなところではたらきますから注意が必要です。
 とりわけ危ういのが「儲け話」の類です。
「未公開株」やら「投資ファンド」といった詐欺商法に、毎年恒例のように数十万人規模の人たちが引っかかって泣いています。自分はラッキーと欲をかいた人たちなのです。「確実な話で絶対儲かります」などと赤の他人の話を信じた結果、虎の子の老後資金を全額パーにされるのですから悲しすぎます。
 儲け話を聞かされたらこう言い返しましょう。

「 そんなに儲かるなら、誰にも教えず自分一人でやってなさいよ」

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さて、いかがだったでしょうか。

5回にわたって計15点の心理テクニックをご紹介しました。新刊『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』(神岡真司・著)には、このほかに計101点もの心理テクニックが収録されています。

毎日の生活に役立つ知恵が詰まっています。
ぜひ、お手に取ってみてみてください。


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