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「嫉妬心」をプラスに変換できる人がやっていること

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

喜怒哀楽に続く「第5の感情」といわれる「嫉妬」

嫉妬心は、付き合い方次第でプラスにもマイナスにもはたらく、とてつもないエネルギーを持っていることは、皆さんもご存じですよね。

嫉妬がマイナスにはたらけば、「相手の足を引っ張ってやろう」「困らせてやろう」という思いから、ネガティブな言動に移ることになるでしょう。一方、嫉妬がプラスにはたらけば、自己成長のきっかけ、やる気の源泉になるものです。

いずれにせよ、嫉妬のエネルギーがどれだけ強力なのか?

産業カウンセラーの川村佳子さんは、著書『嫉妬のお作法』の中で、歴史学者の山内昌之さんの著書を引用しながら、嫉妬のとてつもない強力なエネルギーを紹介しています。

 嫉妬のエネルギーは、とても強力です。
 それは、時には、政治や歴史まで変えてしまうほどのパワーを持っています。
 イスラム地域研究、国際関係史に詳しい歴史学者・山内昌之さんは、著書『嫉妬の世界史』で、伊東甲子太郎と近藤勇、徳川慶喜と勝海舟、東条英機と石原莞爾、ヒトラーに愛されたロンメルなど、古今東西における歴史を動かした「嫉妬」にまつわるエピソードを交えながら、嫉妬が持っている強いエネルギーについて解説・論評をしています。
 山内さんは、この本の中でこのように語っています。
「男女間の嫉妬はせいぜい家を崩壊させるくらいである。しかし、男同士の嫉妬は、すぐに権力の問題と結びつき、国を滅ぼしかねないのだ」
 湧き起こる嫉妬心を原動力にして、人間はここまでやれるのかがよくわかります。
――『嫉妬のお作法』より

嫉妬が国や歴史までを変えてしまうほどのエネルギーがあるとは驚きです。こんなやっかいな感情、できるだけ避けたい、取り除くことができないものか、と思ってしまうものです。ただ、残念ながら、私たちは嫉妬心を避けることはできないようです。

 嫉妬心を心の中から取り除いたり、無視してしまうことは、残念ながら不可能です。自分を大切にしていないことと一緒です。
 喜びも、楽しさも、怒りも、悲しみも、すべて感じてこそ人間です。喜びを感じることができるから、悲しみも乗り越えていけるのです。
――『嫉妬のお作法』より

ただ、川村さんは続けて言います。

「嫉妬心と上手に付き合い、自己成長のエネルギーに変えることができるのは、私たち人間だけです」

嫉妬心とうまく付き合い、プラスのエネルギーに変えて、自己成長を図る。そして、心穏やかな人生を送る――。

嫉妬は、歴史を動かすほど、とてつもないエネルギーを持ち合わせているのかもしれませんが、そのエネルギーをプラスのエネルギーとして扱っていくか、それともマイナスのエネルギーとして扱っていくかで、その後の人生が大きく変わっていくわけですね。

どうせなら、嫉妬をプラスのエネルギーに変えていきたいものです。実際、成功者と呼ばれる人たちは、この嫉妬心の取り扱い方が上手で、プラスのエネルギーに変えているといいます。

「ライバル心」「競争心」がその代表ですが、嫉妬心という猛烈なエネルギーをプラスに変えていくことができます。成功者の多くは、この嫉妬心をプラスのエネルギーととらえて付き合っています。
(中略)
 世の中で成功している人は、嫉妬心を取り扱うプロです。他者からの嫉妬心も、自分が抱く嫉妬心も、プラスのエネルギーへと転化させることができます。
 他者から不要な嫉妬心を買いません。
 その秘訣は、謙虚な姿勢そのものにあります。自己アピールをしすぎない、ひけらかさない、他者を攻撃しない。
 そう振る舞うことができるのは、陰で積み上げてきた努力のもとにできあがった自分を信頼する揺るぎない力を持っているからです。
 仮に、誰かに嫉妬心を抱いたとしても、その悔しさをすばやく努力に変えています。自分を磨く時間に変えているのです。
 まさに、嫉妬心を取り扱う達人です。
 その代表として、元メジャーリーガーのイチロー選手がいます。
 以前、テレビ番組でこんな話をしていました。
「僕にはまだまだ悔しさが足りないんです」
 完全なる実力の世界で生きるイチロー選手のすべてが、この言葉に凝縮されています。
 すべてを自己向上のパワーに変える。第一線で活躍し続けたイチロー選手は、まさに嫉妬心や悔しさをプラスに転化している真の人です。
――『嫉妬のお作法』より

自分を信頼できるようになるぐらい努力する。
言い換えれば、「努力が自分への信頼をつくる」わけですね。

となると、嫉妬心を自己成長のパワーに変えるためには、とにかく努力すれば、それでいいのでしょうか?

川村さんは著書の中で「嫉妬心をプラスにつなげる5つのポイント」を挙げています。

 嫉妬心を自己成長のパワーに変えるためには、ただ努力すればいいというものではありません。それにはいくつかポイントがあります。

①他者の嫉妬による障害や妨害も乗り越え、自分自身に集中する。
②嫉妬心を抱いたら、その悔しさを目標達成の「動機や原動力」に変える。
③誰かと自分を比較して、自分が劣ってしまうように感じたら、自分自身を見直して、人とは違う自分らしさで勝負する。
④嫉妬している時間があったら、憧れの人に会いに行く。
⑤合言葉は「チャレンジ」「リベンジ」「チェンジ」。


 嫉妬心を抱いたら、自分が目標を達成する上での「立派な動機」に変えてしまいましょう。「よし、あの人よりも数倍努力しよう」とあなたの目標達成のための動機に転化させるのです。
――『嫉妬のお作法』より

5つのポイントのうち、どれが参考になるかは人それぞれかと思いますが、個人的には⑤の「合言葉は「チャレンジ」「リベンジ」「チェンジ」」がとてもストレートで、つねに頭の隅に置いておきたい言葉だなと思った次第です。

では、嫉妬された場合はどうすればいいのでしょうか?

 もし嫉妬されたら、それはあなたの魅力であり、強みであり、武器でもあります。とにかく自分自身に集中し、それを原動力として自分の価値を磨いてください。
「嫉妬されることは、認められている証拠」です。
 決してひけらかさず、謙虚に自分自身を磨き続けてみてください。嫉妬のパワーは、自分の「成長と向上」のために昇華させましょう。あなたの揺るぎない自信へとつながります。
――『嫉妬のお作法』より

川村さんは、恋愛などの愛情関係も同じといいます。

 たとえば、自分と別れた恋人が、その後自分よりも魅力的な人と付き合った。自分より先に、前の恋人が結婚してしまった。四六時中思っていても、叶わない恋をしてしまった……。
 とてもショックで、そんな自分が情けなくて、悔しい気持ちでいっぱいでしょう。愛する人の気持ちが自分以外の人に向けられたとき、気持ちの行き場がなくて、たまらなくつらい思いをするでしょう。胸が張り裂けそうなくらい、折り合いのつけられないジレンマとともに過ごすことでしょう。
 愛情関係に、嫉妬心はつきものです。
 時には嫉妬心に火がつきすぎて、相手に危害を加えたり、相手を奪った人に矛先が向けられたり、最悪な事件に発展してしまうケースも、残念ながらあるのが現実です。
 しかし、セーフティーネットと自己肯定感を高く持っていれば、決して相手を攻撃したり、傷つけたりするのではなく、この嫉妬心をも自分を成長させるパワーに使うことができます。
 たとえ愛を失ったとしても、自分の魅力を見失ってはいけません。
 カウンセリングで出会った女性との会話で、次のような言葉があります。
「フラれたから死ぬほど悔しくて。相手の新しい恋人なんか想像して嫉妬してしまって……。でも、私は今以上にもっと努力して、絶対ステキな女性になります!」
 悔しさを原動力に変え、どんどん努力していく人は、男女問わず、とても魅力的です。
 嫉妬も涙も悔しさも、「努力」につなげる。
 セーフティーネットで自分を信頼しながら、もっと魅力的な人間へと成長していけるのです。
――『嫉妬のお作法』より

たとえ失恋しても、次の恋愛に踏み出し、新たな相手を見つけられる人は、自分の魅力を見失うことなく、それを信じて(信じるために努力を惜しまず続けて)、嫉妬という感情をプラスのエネルギーに変えているのかもしれません。

嫉妬心との付き合い方次第で、人間関係はもちろん、人生も大きく変わることを、あらためて感じます。

川村さんの著書『嫉妬のお作法』では、

◎第1章 嫉妬の正体
◎第2章 嫉妬する人、される人
◎第3章 男の嫉妬、女の嫉妬
◎第4章 人の嫉妬から自分を守る方法
◎第5章 嫉妬したときの対処法
◎第6章 嫉妬をプラスに変える技術

※今回は、第6章の一部をご紹介しました。

という構成で、嫉妬という感情との正しい付き合い方を解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。

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