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野菜を食べるのは偉くない!? 日本の野菜はメタボ植物!?

先週の記事では、少食をおすすめするショートスリーパー堀大輔さんが、さまざまな食材で「ばっかり食い(1カ月間1日1食)」をした結果、1カ月野菜生活が深刻な不調を生み出したことを紹介しました。むしろ、1カ月間松屋の牛丼並盛生活が最もパフォーマンスが上がったと。


この結果を意外に思われる方も多かったはずです。
そこで、今回は堀さんの野菜に対する見識を、『食べない人ほど仕事ができる!』の中から本記事用に一部抜粋・改変してご紹介しましょう。

ただし、1点ご注意いただきたいのは、この文章は週3食~1日1食などの「少食になりたい人」向けに書かれているという点。とくに食生活を変えたいわけではない人にとっては、当てはまらない部分があることを留意してお読みいただければと思います。

食物繊維に栄養はない

 週3食の少食のルールでは、食材やメニューに制限を設けていませんでした。とはいえ、実際に週3食に挑戦しようと決心したとき、やはり食材やメニューは気になるはずです。
 おそらく、多くの方は食事の回数が減るのだから、せめて栄養の偏りがないように、そしてできるだけ野菜を食べようと考えるのではないでしょうか。食べすぎが主流になっている現代において、確かに野菜をとることはやせることにつながります。
 しかし、少食をしているときに、野菜を意識的にとろうとするのはおすすめしません。
 野菜には食物繊維が豊富であることはよく知られていることです。食物繊維とは、「人の消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分の総称」(ウィキペディアより)とのこと。最近では、デキストリンという名前で売られている場合もあり、特保のお茶などは、このデキストリンを含有させているだけのものも少なくありません。
 2010年に第六の栄養素としてカウントされるようにもなり、良い印象を持たれている食物繊維ですが、じつは栄養はほとんどありません。そもそも食物繊維を消化する酵素は人体にはないのです。よって、栄養はまったく吸収されずに排出されることとなります。あくまで食物繊維は、ほかの食材とのバランスを調整する役割であり、整腸作用や有害物質のデトックスという効果がメインとなります。重金属やダイオキシンといった発がん性物質を体外へ排出する効果もあるので摂取することにメリットがないということはありませんが、栄養云々の観点とは別の排出作用限定におけるメリットというだけです。
 しかも、食物繊維の中でも、不溶性食物繊維は、食物繊維自体がミネラルを吸収してしまうため、人体にミネラルが浸透することを阻害することがあります。少食で活動している場合、条件によっては逆に人体に害悪となってしまうこともあります。
 大切なことは作用をしっかりと理解することです。一長一短を把握したうえで、今の自分に必要な食事をとることが重要となります。
 少食で活動する場合や、肥料を多分に使用している現代の野菜を摂取するのであれば、食物繊維はなるべくとらずに、ミネラルやたんぱく質、脂質をとることをすすめます。

メタボの原因はメタボ植物

 野菜を食べれば太らないというのが通説になっています。しかし、肥料や肥やしすぎた土壌によってできたメタボな野菜を食べることによって、身体にどのような影響が起こるのか、現代の科学では研究されていません。
 植物は、根から養分を吸います。日本の農業は、馬糞や動植物の屍、化学肥料によって土壌に大量の微生物や栄養を発生させます。土壌のバランスが微生物過多になっていると、植物は根から、大量に発生した微生物や成分を一旦吸収して、その土壌の成分を平均に保とうとします。野菜自身としては、自然の摂理を遂行するために反射的に行っている作業です。良かれ悪しかれもありませんし、精神論などありません。植物は置かれた環境において、物理どおりの事象を行います。結果として、土壌に微生物が多く存在している場合、非常に大きく育ちます。
 この大きくなりすぎたメタボ植物を、「立派に育った」と解釈して、現代人は好んで食べるようになりました。メタボ植物に栄養や味が多くあるわけではありません。むしろ無農薬の小ぶりな植物のほうが、味が濃縮されていて美味しいという評価を受けることが多いようです。
 このような栄養の少ない、水分や見た目ばかりが大きくなっている植物を食べて、健康だと認識しているのが現代です。結果として、そういった野菜で余剰なカロリーを摂取し、体格だけが大きくなってしまっています。メタボ植物を食べている人たちの多くが、肥料を与えられた植物と同じような体型になっています。
 もちろん、すべての肥料を否定しているわけではありません。堆肥といった有機肥料もあり、現代の安定した食事のために、肥料をなくすことは不可能です。
 お伝えしたいことは、「野菜だけ食べていれば健康になれる」といった安易な考え方にならないこと、ひいては「野菜を食べなければならない」といった強迫観念に縛られすぎなくてもいいということです。

野菜が身体にいいは食べすぎている人の理論

 野菜の水溶性食物繊維は糖質の消化・吸収を抑制し、血糖値の急上昇を防ぐ効果、余分な脂質を体外へ排出するといった、身体への糖や栄養の吸収を抑制する作用があります。したがって、食事量が多い人にとって、食物繊維を食べることは、食べている量の割に身体に残らない=太りづらいということになるため、重宝することになります。
 また、不溶性食物繊維には、腸内環境の改善とデトックス効果があるといわれています。
 そして不溶性食物繊維が多い食品は、よく噛まなければならないものが多く、食べすぎを防いで満腹感を得られやすいという特徴がありますし、不溶性食物繊維自体が物理的に膨らみ、満腹感を得ることができます。
 前菜という、食事の初めに野菜を食べる習慣も、食べすぎを予防するために人間が発見した知恵です。最近ではベジファーストという洒落たネーミングで、血糖値の急上昇を抑えたり、ダイエット効果があるとして、日常的に健康に気を使っている方や、ダイエットをされている方に推奨されています。
 要は、初めに吸収されにくい野菜を食べておくことによって、体内に大量に栄養が吸収されることを防ぐわけです。そのような意味で、いつも大量の食事を食べることができる現代においては、野菜を抜いて食事をとることは、体重や脂肪の増加という点において非常にリスキーとされています。
 しかし、水溶性食物繊維も、不溶性食物繊維も、どちらも以上のように、そのメリットを強調する場合は、野菜以外の食べ物や、糖や油を食べすぎていることが前提となっています。
 本書で推奨しているような1日1食〜週3食の人の場合は、そうしたメリットを受けられません。前述したように食物繊維そのものが何かの栄養になるというわけではありませんし、不溶性食物繊維自体がミネラルの吸収を阻害します。わずかな食事からでも栄養を吸収したいと願う少食実践者からすると、本末転倒のような事態が起きるわけです。
「不溶性食物繊維は究極のジャンクフードだ。消化も吸収もされず、栄養もまったくない」と言っている学者もいるほどです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 石黒)

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