【会社経営】「無借金経営」が危ない理由
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
会社経営において、金融機関から借入をすることなく、自己資金と内部留保で経営する「無借金経営」は、すこぶる健全な経営手法だと思いがちです。
ただ、「無借金経営」は、中長期的な経営において決して健全とは言い切れない、それなりのリスクのある経営手法であると主張する人がいます。
自らも140億円の負債から自立再生を成し遂げ、1500社以上の中小零細企業の社長を救ってきた経営アドバイザーとして知られる三條慶八さんです。
三條さんは、新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』の中で、無借金経営の危険性について詳しく解説しています。今回は、その該当箇所を全文公開します。
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無借金経営のリスク
無借金経営という言葉があります。銀行などから借入れをせずに、自己資金と内部留保で行なう会社経営のことです。
借金がないわけですから、一見、健全経営のように思えますが、私はおすすめしていません。
考えてみてください。日本は災害が多い国です。東日本大震災や阪神淡路大震災のような大きな災害がいつ起こるかわかりません。
そんなとき、復興のために新しい設備が必要になります。工場を復旧・修復しなければなりません。社員に給料を払わなければなりません。どんな会社でも巨額のお金が必要になります。銀行の助けがどうしても必要になります。
こんなときに、銀行は誰にお金を貸すでしょうか。
物を言うのは、これまで積み上げてきた実績です。借りた実績、返した実績が銀行に対する信用なのです。銀行は、長年付き合ってきた会社にお金を貸したいのです。
銀行が大切にするのは、今まで金利を払ってくれた会社、商売させてくれた会社です。いくら儲かっていても、突然、飛び込んできた新規の会社にお金など貸してくれません。
これは災害時だけではありません。会社経営をしていれば、ピンチのときがあります。どうしても、まとまったお金が必要だ。そのときに助けてくれるのも、いい付き合いをしている銀行なのです。
借金は返済するものではなく、活用するもの
中には「借金をするのが怖い」「借金を返すことを考えると不安になる」という社長さんがいます。そんな人に対して、私は「借金は返済するものではない。活用するものだ」とお伝えしています。
自分で貯められる資金は、高が知れています。
銀行からお金を借りて新規事業に挑戦し、借りたお金をきちんと返して、また次のチャンスを狙う。これが健全な会社経営です。
借金は返済すると思うから苦しいのです。借金は活用するものだと思えば、苦しくはないはずです。
ソフトバンクの孫社長は、まさしくその典型的な経営者です。
まず初めにびっくりしたのは、携帯電話事業をソフトバンクが買収したときです。何兆円という金額でした。そんなお金で買って大丈夫かなと多くの方が思ったことでしょう。今考えると、安かったぐらいの価値です。
借金を活用して、何倍もの価値を生み出したからです。商売とはそういうものです。
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いかがでしたか?
今回紹介した新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』の著者・三條慶八さんは言います。
「失敗する社長ほど、この基本を軽視する」
そもそも経営の基本を知らない社長もいれば、知っているふりをしている社長、知っていても実践していない社長が失敗したり、再生できないと言います。
同書では、中小零細企業の社長なら絶対知っておきたい101の項目に対して、自らも140億円の負債から自立再生を成し遂げ、1500社以上の中小零細企業の社長を救ってきた経営アドバイザーとして培った経験・知識・知恵・テクニックから導き出した全ノウハウを【Q&A形式】でズバリ答えています。
どんなに厳しい状況でも、中小企業の経営者が生き残るために必要不可欠な「経営の極意」を厳選して詰め込んだ新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』は、好評発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。
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