「本づくりはバンドに似てる」というわけで、おすすめギタリストのYouTubeを紹介してみる。
フォレスト出版編集部の寺崎です。
今日は音楽に興味ない人にとってはどうでもいい情報かもしれません。すみません。
編集の仕事をしていて、昔から思っていることがあります。それは「本づくりって、バンドに似ているな」ということ。学生の頃、バンドを組んでいたので、これはなんとなくの感覚レベルですが、似てる気がするのです。お互いに「間合い」を計算して詰め合いながら、ひとつの作品を形にしていく過程に似たものを感じます。
ジャンルにもよりますが、ロック(死語?)を例にした場合、バンドはボーカル兼ギター、ベース、ドラムの3ピースが最小構成です。これにキーボードやピアノや管楽器が加わったりしますが、基本的には3~4人でできるのがバンド。
本づくりは「著者」「編集者」「デザイナー」「イラストレーター」「フォトグラファー」「印刷会社の担当者」「DTP」など、さまざまな人が関わりますが、本づくりの場合の最小構成(3ピースバンド)はどうかというと、「著者」「編集者」「デザイナー」でしょうか。
バンドのメインアクトたる「ボーカル」「ギター」の役割はまちがいなく「著者」ですね。ボーカルの主張をバック演奏で支えるのが編集者やデザイナーのイメージです。
ところで、ギターはものすごく古い起源を持つ楽器だそうです。木に弦を張って弾いて音を出す。そんな原始的な構造なのに、表現力の幅はとてつもない気がします。
というわけで、今回はおすすめギタリストの動画をいくつか紹介します(個人的好みなのでジャンルに偏りがあります)。
変幻多彩にテレキャスターを操る天才
まずは、現代ジャズギター界の最高峰ジュリアン・ラージ(Julian Lage)です。このナッシュビルで収録された演奏は、前述した「お互いに間合いを計算して詰め合いながら作品を作り上げる」という過程が、アドリブのかけあいで出来上がっていく過程がひしひしと伝わってくる演奏です。
この人はジャズミュージシャンですが、ロック、カントリー、ブルースなど、さまざまな音楽の要素が詰め込まれていて、まさに「音楽=音を楽しむ」の最右翼。フェンダーのテレキャスターという「一番扱いにくい」といわれるギターを縦横無尽に弾き倒すさまに圧倒されます。
こちらの「Ryland」で見せる超繊細かつ大胆なピッキングも感動もの。最初はすごーく静かに始まりますが、後半から激しく静かに盛り上がっていきます。2:13あたりで繰り出すチョーキング(ギュイーンという音)は鳥肌もの。
こいつがいなかったらストーンズも生まれなかった
ジュリアン・ラージのギュイーンの起源をずーーっとたどると、行きつく極地があります。
ブルース界のレジェンド、ロバート・ジョンソンです。
これ、全部ひとりで弾いて歌ってるんです。信じられないですよね。ギュイーンという音はボトルネック(ウイスキー瓶のボトルネック部分)を指にはめて出しています。
ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズが、ロンドンの街で二人ともロバート・ジョンソンのアルバムを抱えていて「あれ、おまえもロバジョン好きなの?」とのきっかけで友達になった話は有名ですね。
ロバジョンをお茶の間に持ち込んだ悪いヤツ
このロバジョンをお茶の間にまんまと持ち込んだ悪いヤツがいます。ギターの神さまエリック・クラプトンです。
オリジナルのロバート・ジョンソンの演奏より、ずっと食べやすい感じになってますね。さすがです。歌もクラプトン節で最高です。この動画で左の人が指にはめてるのが、ボトルネックです。ロバート・ジョンソンの時代と違い、さすがにウイスキー瓶のボトルではないです。
ベースがいないならギター2本でいいじゃん
先ほど、バンドの最小構成はボーカル兼ギター、ベース、ドラムと言いましたが、「ベースレス」つまりベースがいないバンドも存在します。その代表格がJon Spencer Blues Explosion。
ここまではかなりブルース寄りのギタリストばかりでしたが、日本発のかなり面白いギターバンドがいるので、ご紹介します。
副業でバンド活動続けてアツいファン形成
その名も「toe(トー)」です。インスト・バンドなのですが、とにかくこのライブ映像を観てみてください。
どうですか?ヤバないっすか?
このバンド、すごいのが、全員バンドは副業で、みなさん本業を持ちながらの活動歴20年。活動すべてを自分たち独自でやっているそうなのですが、海外にコアなファンが多く、海外のライブも余裕でソールドアウトするくらい人気だそうです。
最後に副業バンドといえば、吾妻光良 & The Swinging Boppersですね。
こちらはなんと活動歴41年。いまやコアなファンががっつり付いてます。本業を持ちながらやっているバンドが40年以上続くなんて、素敵なことです。「会うと喧嘩するから」との理由で、メンバーは数年に一度しか会わないそうです笑
結局、最後はブルースに戻ってしまいましたが、コアなファンががっつりついてて、ギターの演奏もヤバいのは、このお方。岡村靖幸。
こんなギターの弾き方ができる人はなかなかいないです。もうほとんど打楽器ですよね。岡村靖幸はこの動画でも弾いているOvationというメーカーのギターを昔から愛用しています。Ovationのギターは弦高が低いので普通に弾いてもベシベシした音がするのを、岡村ちゃんは逆にうまいことパーカッシブに表現しています。天才です。
以上、「本づくりはバンドに似てる」というわけで、おすすめギタリストのYouTubeを紹介してみました。