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【人間関係】嫉妬される人は被害者なのか?――嫉妬されやすい人の5つの特徴

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

「社内でこのような中傷をされた」
「同僚にこんな嫌がらせをされた」
「あの人との人間関係がうまくいかない」

そんな人間関係のトラブルの根幹にあるものは何か?

産業カウンセラーの川村佳子さんによれば、その多くは「嫉妬」だといいます。

川村さんのクライエントの多くは、「嫉妬されて私はとても困っているんです。だから、話を聞いてほしい」と必死に訴えてくるそうです。

たしかに、嫌がらせをされるのは、深刻な問題です。ただ、川村さんは、著書『嫉妬のお作法』の中で次のように論じています。

 嫌がらせをすることを肯定するつもりはいっさいありません。人に不快感を与えるなど、人間関係においてやってはいけないことです。
 ただ、嫉妬は、嫉妬する側だけに原因があるのかというと、私には、それだけではないのではないかという疑問がやはり湧いてきます。
 それは、同じような出来事に遭遇しても、嫉妬される人もいれば、されない人も、現実にいるからです。
――『嫉妬のお作法』より

では、この違いはいったい何なのでしょうか?

川村さんは、著書『嫉妬のお作法』の中で、「嫉妬されやすい人の5つの特徴」を挙げて、具体的な事例を交えながら解説しています。

①正直すぎる人、率直な人

 良くいえば正直な人、悪くいえば無神経な人といえるかもしれませんが、こういうタイプの人は、何も悪気がないため、すべてを正直に話しすぎる傾向があります。
 嘘をつけない正直者は、あった出来事などそのままストレートに話します。
 たとえば、こんな感じです。
「昇進が決まった! 努力した甲斐があったよ」
「うちの子供が某有名大学に受かったの!」
「この時計、彼氏に買ってもらったんだ。50万円だったの」
 本人の悪気のない正直すぎる会話が、相手にもよりますが、反感を買うことがあります。その内容が、相手にとって、手に入れたいものであったり、望んでいることであればなおさらです。
 しかし、正直すぎる人は、そのことにまったく気づいていません。
 嫉妬深い人は、自分のほうが優位でなければ気が済みません。どこかで常に自己アピールをしたがっています。当の本人も気づいていませんが、自己アピールの機会を常にうかがっているので、いつも嫉妬の炎を燻(くすぶ)らせているのです。
 そんな状態の人にあまりにも正直に話すことは、火に油を注ぐようなものです。
「すべてをごまかせ」とは言いませんが、時と場合、相手によっては、「知らないふり」をしたり、「上手に煙に巻く」ことが求められます。
 小さなごまかしかもしれませんが、正直すぎる人には自分の身を守るために必要です。
 また、率直な人も、思っていることをズバズバとはっきり言葉に出してしまうため、嫉妬心を買いやすい傾向にあります。
「この大きな計画を成功させることができたのは、僕が寝ないで仕事していたからです」
「私、男性にいつも告白されるので、誰とお付き合いしようか、いつも悩んでしまうんです」
 言っている内容は、本当のことなのかもしれません。本人はいっさい悪気がなく、事実をそのまま言っているだけかもしれません。
 ただ、そこに1つ足りないものがあります。
 それが、次に挙げる2つ目の特徴です。

②相手は嫉妬するかもしれないという想定が足りない人

 そんな正直すぎる会話が、人の反感を買うかもしれないという想定ができない人です。相手や聞き手がどう思うだろうという想像力が欠けている人ともいえます。
 知り合いの開業医の先生が、以前こんなことを言っていました。
「開業する前は、患者さんが来なかったらどうしようという心配もあるけど、開業して病院が混んだら混んだで、人の反感を買う可能性もあるよね。そのどちらも考えないといけない」
 先を見越して、「もしかしたら」の想定ができる。そして、物事の表と裏の両面を見られる。
 このような客観的な視点が大切なことであることを教えてもらった気がします。
 人の見方は、それぞれです。
 1つの事柄も、A面から見る人もいれば、B面から見る人もいる
 この考え方を日頃から持っていれば、仮に誰かから嫉妬をされたとしても、「想定範囲内」であって、結果オーライです。自分の気持ちを乱さずに済みます。
 もちろん、不意に飛んでくる嫉妬の火の粉に遭遇することもあるでしょう。しかし、「嫉妬されるかもしれない」という想定する力を身につけておけば、おのずと言動も変わっていくのではないでしょうか。

③自慢せずにはいられない人

 最近巷では、格付けせずにはいられない人のことを、「マウンティング女」「マウンティング男」と呼んでいるようです。
「僕は、男の中でも優れている男」「私は、女の中でも優れている女」
 このようなアピールで、少しでも他者より優位に立ちたい。そういう気持ちが心のどこかにあるため、自慢せずにはいられないのです。
 このタイプは、きわめて他者からの嫉妬心を買いやすい人といえます。
 また、何か少しでも優位に立ちたいがゆえに、無意識なマウンティング行為がクセになっている人もいます。
 普通に自慢すると、嫌われてしまう可能性があるので、場の空気を読みながら自虐的な表現方法をさりげなく使っているのが特徴です。
 たとえば、こんな感じです。
「仕事が忙しすぎて、今年彼女に何度振られたことか」
「俺は行きたくなかったんだけど、あまりにもみんなが俺に期待するからさ〜」
「いやぁ〜、お金が飛んでいって参ったよ。車もこれで5台目」
「私、すごい胸が大きいから、太っているように見えるのが悩みなの」
「私はすごく反対したんだけど、夫が5000万円のマンションはそんなに高くないって言うから~」
 いずれも、本人は控めに振る舞い、他者には自慢していることがバレていないと思っていますが、多くの人にはバレバレの行為です。
 もちろん、自慢と思わない人も世の中には大勢いるでしょう。ただ、そういう人は、男女関係なく、同じ土俵に立っている人や似たような立場や環境にいる人です。
 もし同じ土俵に立っていない人、またはそこに行きたくて仕方のない人にとっては、小自慢以外の何物でもありません。
 相手の反感を買い、嫉妬される要素が満載のマウンティング行為。無意識に格付けし、自慢せずにいられない人は、実に自己顕示欲が強い人といえます。
 しかし、自己顕示欲は決して悪いものではありません。
 でも、表現の仕方によっては、相手から嫉妬される可能性が高くなることを忘れてはいけません。そのリスクを覚悟の上で言うのであれば問題ありませんが、そのようなリスクを負えない人は、アピールのさじ加減が必要です。

④無頓着・無自覚な人

 ①〜③まで見てきて、お気づきの方がいるかもしれませんが、自分が起こす言動にあまり気にかけない無頓着な人、無自覚な人は、嫉妬されやすい傾向があります。
「まったく悪気がないのに……」「自分らしく、ありのままでいただけなのにどうして……」と納得できない人もいるかもしれません。
 しかし、まさにその無自覚さこそが、時に嫉妬を買ってしまう場合があるのです。
 こんな話があります。
 優子さん(仮名)は、宝飾品や衣類を扱う会社の販売員です。店頭に立ってお客様に接客し、商品の販売を行なうのが主な業務です。
 その仕事も5年目に入ったとき、ある出来事が起こりました。
 優子さんが私の相談室を訪れたのは、12月の暮れのことでした。お客様からクレームが入り、上司に呼び出されたとのことで、とても落ち込んでいる様子でした。
 詳しく話を聞いていくと、クレームの相手は、クリスマスに優子さんが接客したお客様のようでした。
 そのお客様は、12月24日にカップルで来店し、彼女へのクリスマスプレゼントを選びに来ていました。優子さんは、いつもどおり丁寧に接客し、商品も購入していただき、帰り際までしっかりとお見送りするという、問題のない接客サービスを行ないました。
 ところが、優子さんの態度がたいへん不愉快だったと、そのカップルの女性からクレームが入ったというのです。
 優子さんには思い当たる節が何もなく、最初はとても困惑したそうです。しかし、クレームの内容を聞いてみると、次のようなものだったのです。
「胸元が開きすぎた洋服で男性に接客し、販売員が色目を使って商品を買わせている。そんな販売員は不愉快なのでクビにしてほしい」
 優子さんは、たまたまその日、クリスマス限定のネックレスが入荷したため、それを身につけて店頭に立っていました。その限定のネックレスがより際立って見えるようにと、胸元が大きく開いたカットソーを着ていたのでした。
 そこに、当のカップルが来店し、女性が不愉快になったというわけです。
 服装について、今まで以上に気をつけるようになったようですが、そういうクレームはその後も続き、優子さんは上司から何度も厳重注意を受けたそうです。
 優子さんは決して悪気がなく、むしろ良かれと思ってやっていた行為なのですが、嫉妬を買ったわけです。
 そんな無自覚が引き起こしてしまった1つの例といえます。
 私の相談室に来る方の中にも、「なぜ嫉妬されるのか、よくわからないんです」という方がいますが、それは、無自覚であるがゆえに、人から不要な嫉妬を買っている場合が多くあります。
 自分の言動が相手にどのように映るのかという想像力を、適度にはたらかせる必要があります。

⑤存在感のある、目立つ人

 なぜか惹かれる、どうしてもその人に目が奪われる。
 もちろん、スタイル抜群で、おしゃれなファッション、そんな容姿端麗な人にも目がいくかもしれませんが、それだけでは説明できない不思議な魅力を持っている。
 年齢・性別に関係なく、そんな存在感のある人がいます。オーラというのでしょうか、生まれ持った天性の魅力を備えた人です。
 私の相談室にも、たまにそういう方が来られます。ある女性は、明らかにそのタイプで、誰もが惹かれてしまうオーラ全開の人なのですが、本人はまったくその魅力に気づいていません。むしろ、心ない女性から一方的に妬まれ、小さい頃から陰湿ないじめに遭っていたと言います。
 存在感のある人、目立つ人は、何かと目立つため、変に特別視されたり、もめごとに巻き込まれたりしてしまう場合があります。魅力があるがゆえに、嫉妬の矛先を向けられやすいともいえます。
 その魅力を再度自覚した上で、社会に入っていくことが重要になってきます。

いかがでしたか?

嫉妬は、する側だけでなく、される側にも、何かしらの理由があるんですね。それが何なのかをいったん見つめ直し、意識していくことが、心の安定につながるポイントなのかもしれません。

川村さんの著書『嫉妬のお作法』では、

◎第1章 嫉妬の正体
◎第2章 嫉妬する人、される人
◎第3章 男の嫉妬、女の嫉妬
◎第4章 人の嫉妬から自分を守る方法
◎第5章 嫉妬したときの対処法
◎第6章 嫉妬をプラスに変える技術

※今回は、第2章の一部をご紹介しました。

という構成で、嫉妬という感情との正しい付き合い方を解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。

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