「売れない」と悩むハンドメイド作家が知らない「売れない7つの理由」
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
約2000万人のハンドメイド作家が存在する中で、そのなんと9割が「売れない」といわれるハンドメイド業界。
なぜ売れないのか?
月商100万円超の人気ハンドメイド作家にして、数々のハンドメイドクリエイーターを輩出してきたbon bon cherryハイジさんは、8月22日に発売された新刊『「ハンドメイド」で稼ぎたくなったら読む本』の中で、「あなたのブランドがうまくいかない7つの理由」を挙げています。
ダメな7つの理由は、次のとおりです。
新刊の中では、それぞれの理由について、その原因と解決策を、具体的に事例を交えながら解説していますが、今回は上記7つの理由のうち、「【ダメな理由3】狙うターゲットに向けたブランディングができていない」を一部編集して公開します。
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【ダメな理由3】狙うターゲットに向けたブランディングができていない
「売れない」と悩む主婦ハンドメイド作家さんたちから繰り返し聞く言葉があります。毎度同じ言葉なので、最近では驚かなくなりました。
「本当はおしゃれをしたいけど、勇気が持てない主婦が対象です」
「もっと大胆に装いたいけど、職場で悪目立ちしたくない女性が対
象です」
なぜストレートに「おしゃれを楽しんでいる主婦」や「大胆に装う目立ちたい女性」が対象ではないのでしょうか?
このように言う作家さんたちの問題は2つあります。
◎遠回しで、わかりにくい呼びかけをしている。
◎結局は、一番分母が多いターゲット層を狙っている(=ライバルが多いレッドオーシャンで戦おうとしている)。
このように考える人たちは、勇気がないのに欲張りだと思います。ターゲットをグッと絞ることが怖いため、「分母が多いほうを含んだほうが、両方から買ってもらえるかも」と考えているからです。
そして、そのように言う人が作る商品は、まるで判で押したように同じです。「個性的なモノを作っています」と見せられた作品は、昨日も一昨日もどこかで見たような作品ばかり……。
これは、競合のリサーチ不足と才能の過信が原因だと考えられます。自惚れというより、小さな子供に近い状態です。少し辛口かもしれませんが、一生懸命作ったものが形になったことがうれしくなり、「1人でできた! お母さん、見て、見て!」と言う子供と同じです。
多くのハンドメイド販売初心者さんは、他者の作品との比較をしないまま、いきなり販売をスタートしてしまいます。比較していないから、自分の作る物にはそれなりの自信を持つのです。
そして、販売してみたら思うように売れず、「何が間違っているのだろうか?」と不安になります。焦って値段を下げて販売しても、やっぱり売れない……。そして、「もっと難しい技術が必要なのか?」
「講師の資格を取ったらいいのか?」と考えて、悩みに悩んでどんどん深みにはまっていきます。厳しいようですが、リサーチも準備もせずに、戦略もなく売り始めた当然の結果だと思います。
狙うターゲットを決め、価格を設定し、ブランディングを発信
売上目標を月商10万円、50万円、100万円と決めたら、自ずと1商品の価格が設定できます。そして、その価格で買ってくれる人たちをターゲットに定め、情報発信をするのです。
具体例を挙げると、ボールペンを1本300円で買う人と、1本1万円で買う人がいたとします。300円というと、コンビニや一般的な文房具屋で取り扱う価格ですが、1万円というと、裕福な暮らしをしている方や経営者などが、百貨店などで購入するイメージを抱くでしょう。
つまり、300円でボールペンを購入する人と、1万円でボールペンを購入する人とでは、思考や行動そのものが異なるのです。
このように架空のユーザー像や人物モデルを立てることを「ペルソナ」と言いますが、より具体的なターゲットを定め、ブランディングをすることで、欲しい人のもとに情報を届けることができます。
ペルソナに訴求する情報発信のコツ
ペルソナを立ててターゲティングしたら、その人たちが使う言葉で呼び寄せ、訪れる場所に発信をしていきます。
前述したボールペンを例に、ターゲットとなるお客様がインターネット上でどのような検索をかけるのかを探り、キーワード選定していきます。
このとき、一人の頭では思いつく言葉も限りがあります。そういうときはキーワード候補を抽出してくれるツールを使います。無料で利用できるものも多いので、いくつか試してみて、用途や目的に合ったものを選びましょう。
おそらく自宅の電話横に置くようなメモを取るボールペンには、1万円をかける人は限りなく少ないでしょう。贈答用や結婚式場、社長室など、人目にも付く、ふさわしい場で使用される可能性が高いと考えます。
ターゲットの動線上に商品を並べるか、検索してもらって来てもらうのかを決める必要があります。検索の場合は「ボールペン 贈答用 プレゼント」などのキーワードが使われます。
さらに、そのキーワードを組み合わせ、ターゲットの動線上であなたの商品を訴求し続け、ターゲットに刺さる確率を高めます。そして、「結婚式のサインボールペンと言ったら〇〇」「贈り物用の高級ボールペンと言ったら〇〇」など、〇〇にあなたのブランド名が入るようになれば、ブランド認知は完璧です。
また、ターゲットを決め、ブランディングが整うと、もう1つ起こる現象があります。それは、ターゲットではない層で商品が売れることです。
ターゲットとは異なる人が購入すると、
「ターゲット設定が間違っていたのかもしれない」
「今からでもターゲットを変更するべきか?」
などの新たな悩みが生じますが、心配する必要はありません。
ターゲティングとは、自分が商品を発信するときの指針になるもの。呼びかけの言葉やキーワードを決めるためのものです。
その結果、たとえ狙ったターゲットではない人が購入したとしても、すぐに方針を変える必要はありません。逆に言うと、ターゲットにきちんと刺さっているからこそ、多くの人の目につきやすくなり、上下左右、前後の人たちに訴求したのです。
もちろん、単純に目論見が外れて別のターゲットが購入してくれることもあります。それはそれで良いことですから、慌てずにそのまま売りながら、次の戦略を練っても大丈夫です。
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いかがでしたか?
もしかしたら、
◎「ブランディング」はどのようにつくっていけばいいの?
◎「ターゲット」はどのように決めればいいの?
◎適正な「価格設定」って、どう算出すればいいの?
といった疑問が生まれてくるかもしれません。そこは、新刊『「ハンドメイド」で稼ぎたくなったら読む本』の中で、別途詳しく解説しています。
今回は「売れない7つの理由」のうちの1つをご紹介しましたが、それ以外の6つの理由についても、それぞれ1つずつ、原因や問題点を抽出し、具体的な解決策を提示しています。
ハイジさんの新刊『「ハンドメイド」で稼ぎたくなったら読む本』では、売れない7つの理由の徹底解説以外に、「ここまで書いちゃっていいの?」と思えるぐらい徹底的に「自分のハンドメイド作品をどのように売っていくか」にコミットした思考法&実践法を凝縮して解説をしています。趣味レベルを超えたい、副業として、本業として、本気でハンドメイド作家として稼ぎたいと思ったら、必ずお役立ていただける内容が満載です。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
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