【会社経営】社長としてお金の流れを把握すべき範囲は?
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
社長として、自社のお金の流れを把握しておくことは重要なことは言うまでもありません。ただ、社員がいる場合、特に経理担当がいる場合は、その経理担当に任せっきりになってしまう社長が多いようです。
自らも140億円の負債から自立再生を成し遂げ、1500社以上の中小零細企業の社長を救ってきた経営アドバイザーとして知られる三條慶八さんは、社長としてお金の流れを絶対に把握しておくべき、3つの数字があると言います。その数字を把握しておかないと、思わぬミスや事件が起こる可能性もあるようです。
今回は、三條さんの新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』の中で、社長としてお金の流れを把握すべき範囲について詳しく解説している該当箇所を全文公開します。
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社長が知っておくべき3つの数字
会社を経営するにあたり、お金の流れを把握することはとても重要です。ところが、これをきちんとしない社長が多く見受けられます。
特に多いのは、税理士が持ってくる試算表を見て、最後の数字が黒字だったら安心してしまう人です。
そんな社長は、あとで痛い目に遭います。どこから入金があって、どんな支出があったのか。それを知っておくことは社長の必須の仕事です。
しかし、すべての数字を見る必要はありません。
税理士が知っておくべき数字と、社長が把握しておくべき数字は異なるからです。
社長が最低限知っておくべき数字は次の3つです。
◎営業利益
◎売掛金のチェック
◎先月末と今月末の残金の差とその理由
もちろん、一番大切なのは「営業利益」ですが、注意が必要なのは「先月末と今月末の残金の差とその理由」です。
具体的には、銀行の残高と現金を合わせた金額がどれだけ増えたのか、どれだけ減ったのか。また、その増減の理由は何なのか、ということです。
減った理由としては、「借入金の返済が始まった」「営業車を買った」「パソコンを買った」などが考えられます。
このように、お金が増減する理由はいろいろとあります。合計金額だけでなく、増減の内容を知ることが大切です。そして、不明なお金があったら、100%わかるまで原因を追求してください。
中小企業にとって、資金繰りがとても大切です。だからこそ、いくら利益が出ていても、毎月キャッシュアウトしていれば、先行きは不安しかありません。
だから、なぜ減ったか、増えたかの理由が必要です。
商売と経営の基本は、「なぜ?」です。
なぜこの3つをしっかり把握する必要があるのか?
では、なぜ、その作業が大切かをお話ししましょう。
中小企業の出入金は、経理担当一人で管理していることがよくあります。この手の経理担当者にとって、数字を操作することは簡単なことです。
どんなに真面目な人でも、目の前に操作できるお金があれば、つい出来心が芽生えても不思議はありません。実際にお金を流用された、という話はよくあることです。あまりにいい加減な社長には、「この会社の経理をやらせてよ」と私は冗談を言っています。それほど簡単にお金を流用できる会社だと訴えています。
社長が経理と一緒に出入金に目を通すことで、犯罪を防止することができます。むしろ、経理一人に任せることが無用な犯罪を招く原因とも言えます。
せめて半年に一度でいいので、すべての通帳の残高をチェックしてください。準備ができないように、抜き打ち的に行なうのがおすすめです。
これは、国税局のマルサが教えてくれた方法ですから、間違いがありません。
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いかがでしたか?
今回紹介した新刊『1500社の社長を救った虎の巻 経営の極意』の著者・三條慶八さんは言います。
「失敗する社長ほど、この基本を軽視する」
そもそも経営の基本を知らない社長もいれば、知っているふりをしている社長、知っていても実践していない社長が失敗したり、再生できないと言います。
同書では、中小零細企業の社長なら絶対知っておきたい101の項目に対して、自らも140億円の負債から自立再生を成し遂げ、1500社以上の中小零細企業の社長を救ってきた経営アドバイザーとして培った経験・知識・知恵・テクニックから導き出した全ノウハウを【Q&A形式】でズバリ答えています。
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