【女子の人間関係】社員より立場が上!? 勤続30年パート界の「女子ボス」の生態
こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
このnoteでも数回にわたってお伝えしている、「女子の人間関係」のキーマンである「女子ボス」。職場やママ友、学校、ご近所さん、趣味サークルなど、あらゆるコミュニティで存在するようです。
女性の人間関係に詳しく、多くの相談やアドバイスをしてきた産業カウンセラー・川村佳子さんの新刊『「女子ボス」のトリセツ』の中から、前回は、趣味サークルの「乗馬クラブ」での「女子ボス」ハラスメントの実態についてご紹介しました。
今回は、職場(パート先)でのハラスメント事例です。
同書の中から、上司であるはずの男性社員よりも実権を握る、スーパーマーケットに長期勤続のパート「女子ボス」の生態について、一部編集して公開します。
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勤続30年パート界の重鎮
30代前半のれいこさんは、大手スーパーマーケットで働くことが決まり、これまでの職歴を買われ、正社員として子ども服売り場に配属になりました。
しかし、売り場のパートさんたちとの人間関係に悩み、相談室を訪れました。
その子ども服売り場には、60代後半の女性パート職員が1名、70代前半の女性パート職員が1名、20代前半の男性アルバイトが1名いました。
れいこさんは、パート職員の女性たちから「これからは、私たちのことを頼むわね!」と言われ、れいこさん自身も仕事を教えてもらいながら頑張っていこうと強く思って仕事をスタートしましたが、徐々に嫌がらせが始まりました。
最初は、シフト表の締め切り日を教えてもらえないなど、「うっかり忘れてしまったのだろう」と思えるものでしたが、「会議の日が変更になった」と嘘を言われる、在庫管理表を隠されるなど、「自分だけが情報を知らない」という状況が、日に日に増えていきました。
そして、挨拶を無視される、休憩室に行くと、大きな音を出して扉を閉められるといった無言の攻撃が続き、れいこさんは精神的にどんどん疲弊していきました。ひどいときは、わざと体当たりでぶつかってくることもあったと言います。
20代の男性スタッフに事情を聞こうと話しかけると、そそくさと逃げていく始末。たまりかねたれいこさんは孤独感を強め、直属の上司に相談。しかし、返ってきた答えは、残念なものでした。
「若い子が来ると、自分たちが追い出されるのではないかという危機感があるみたいで、毎回ああいう態度なんだよ。あの人たち、30年以上前からここのスーパーにいるし、僕よりも社歴が長いから……。我慢してもらえる?」
という、全く頼りにならない返事でした。
集団による挨拶の無視、1人だけ情報を与えないなどは、ハラスメントの典型例である「人間関係からの切り離し」です。
また、わざと体当たりでぶつかってくることが継続して行なわれた場合、身体的暴力にも該当します。れいこさんは異動願いを出すことにしました
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いかがですか?
このような「女子ボス」を存在させ続けているのは、実は上司だったり、男性社員だったりするわけです。著者の川村佳子さんは、先日ゲスト出演した下記のVoicyでも、「女子ボス」ハラスメントに悩む女性はもちろん、男性や中間管理職の方にもぜひ読んでいただきたいと言います。
女子が3人以上集まると発生するといわれている「女子ボス」。そんな女子ボスハラスメントからどのように自分の身を守ればいいのか?
「ハラスメントの駆け込み寺」として人間関係に悩む、多くの女性の心を救ってきた産業カウンセラーの川村佳子さんが、数多くの事例を交えながら「女子の人間関係」のキーパーソン「女子ボス」の生態と対処法をわかりやすく解説した新刊『「女子ボス」のトリセツ』は、全国主要書店やネット書店で発売中です。興味のある方はチェックしてみてくださいね。
▼『「女子ボス」のトリセツ』の「はじめに」「目次」「第1章」全文公開している記事はこちら
〈著者プロフィール〉
川村佳子(かわむら・けいこ)
産業カウンセラー。北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)がある。
本記事のヘッダーイラスト:くにともゆかり
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