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「質の高い読書」をしている人が、読書する前にやっていること

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
なぜ、同じ本を読んでも、欲しい情報を吸収できる人、できない人がいるのでしょうか?
 
「本を読んでも、まったく内容を覚えていない」
「家の本棚にある本を見ても、どんなことが書いてあったのか思い出せない」
「読んでいる途中で、以前にも読んだことがある本だと気づいた」
「『最近読んだ本』や『オススメの本』を聞かれても、何も思い浮かばない」
 
なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか?
 
情報クリッピングの第一人者にして、Instagramで人気の「名もなき読書家」さんいわく、その原因は、あなたの「理解力が足りないから」「記憶力が悪いから」ではないといいます。
 
では、何が原因なのか?
 
「名もなき読書家」さんいわく、
 
読書で失敗するのは、ズバリ、「読む前にキーワードを設定していないから」。
 
何か調べたいとき、ネットの検索エンジンの検索ボックスに「キーワード」を入力して欲しい情報を手に入れる。「情報をとること」と「キーワードを入力すること」は常にセットだといいます。
 
それは読書も同じ。
 
本を読む前に「キーワード」を設定して、それを「検索するような感覚」で本文を読めば、欲しい情報がとれるというわけです。
 
では、どのようにキーワードを設定し、どのように読めばいいのか?
 
名もなき読書家さんがそのノウハウを体系化した究極メソッドが「キーワード読書術」です。
 
その「キーワード読書術」の重要エッセンスをまとめた1冊が、8月25日(Amazonでは8月23日)より発売されるんです。
 
書名はずばり、
 
『失敗しない読書術』
 
です。

書影をクリックすると、Amazonページに飛びます。

そこで今回は、同書発売に先立ち、このnoteで特別に、同書の「はじめに」「目次」を全文公開します。


はじめに

なぜ同じ本を読んでも、欲しい情報を「とれる人」と「とれない人」がいるのか?

 あなたは今までに、次のような経験をしたことはありませんか?
 
 ・本を読んでも、まったく内容を覚えていない。
 ・家の本棚にある本を見ても、どんなことが書いてあったのか思い出せない。
 ・読んでいる途中で、以前にも読んだことがある本だと気づいた。
 ・「最近読んだ本」や「オススメの本」を聞かれても、何も思い浮かばない。
 
 これらは、本書を手に取っていただいている方なら、きっと一度は経験しているであろう、「読書あるある」ではないでしょうか。何かと忙しい日々の中で、貴重な時間を費やして読書をしたのに、まったく情報がとれない。実にもったいない話です。
 なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。
「理解力が足りないから」「記憶力が悪いから」というのは、正解ではありません。
 本を読んでも情報がとれないのは、ズバリ、「読む前にキーワードを設定していないから」。
 普段、何か調べたいことがあるときは、Google で検索しますよね。いわゆる「ググる」という行為ですが、これは検索ボックスにキーワードを入力することで、欲しい情報をとっているわけです。キーワードを入れなけば、当然、何の情報も表示されません。
 Google の画面を開いた瞬間に、何を検索しようとしたのかを忘れてしまった……。たまにこういうことってありませんか?
 よくやらかしてしまう私は、いつも「自分はいったい何が知りたかったんだろう……」と気になってモヤモヤするのですが、キーワードがわからないことにはその先の情報に辿り着けない。
 つまり、現代においては、「情報をとること」と「キーワードを入力すること」は常にセットになっているのです。
 これを読書に当てはめて考えると、本を読む前に「キーワード」を設定して、それを「検索するような感覚」で本文を読めば、欲しい情報がとれると思いませんか?

設定されたキーワードから記事を漏れなく探し出す世界

 まあ言いたいことは何となくわかるけど、「なぜそこまでキーワードにこだわっているのか」と、疑問に思われているかもしれません。その理由を説明するために、ちょっとここで自己紹介をさせてください。
 私は「クリッピング」という仕事をしている40代の会社員です。クリッピングとは、「新聞・雑誌の中から必要な記事を探し出すこと」を言います。
 たとえば、あなたが2023年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(W B C)を見て、大谷翔平選手の大ファンになったとします。投げて良し、打って良し、ルックス良し。圧倒的な実力と、どんなときも楽しそうにプレーする姿に魅了されて、メジャーリーグでの今後の動向を逐一チェックしよう! と決めました。
 でも毎朝、新聞を読んで記事を探したり、切り抜いたりするのは時間と手間がかかりますよね。二刀流で、ほぼ毎日のように試合に出るため、露出もかなり多いです。そんなとき、自分は何もしなくても、自宅に大谷選手の記事が送られてくるようなサービスがあったら、便利だと思いませんか?

「大谷が圧巻の奪三振ショー! ファンも絶賛、鳥肌が止まらない!」
「大谷が飛距離150メートルの特大ホームラン! なんてスイングだ!」
「大谷が爽やかな私服で球場入り! ベストジーニスト賞くるぞ!」
「大谷が睡眠の大切さを語る! 質はその次、まずは量を確保!」

 など、世の中で発行されている新聞・雑誌に掲載された大谷選手の記事をすべて集めて、あなたの元に届ける。これが「クリッピング」という仕事です。なんとなくイメージできるでしょうか?
 その人に似合う〝服装〞を選ぶのがパーソナルスタイリストなら、その人が必要としている〝記事〞を選ぶのがクリッピング。「情報収集の手間を肩代わりする作業」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。私はこの仕事を17年間続けてきた、
〝プロの調査員〞(=クリッピング業務をしている人のこと)です。
 調査員の一日をひと言で表現すると、「ひたすら新聞と雑誌を読む」だけ。毎日、朝から晩まで活字の海に溺れそうになりながら、依頼された記事を一生懸命探します。仕事の相手は、〝人間〞ではなく〝活字〞。石原さとみさん主演の「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」というドラマがありましたが、あの校閲部のオフィスの雰囲気(地味で、とても静か)と少し似ているような気がします。
 これまでに私がクライアントに提供してきた記事は、合計で25万記事以上。その対価として、給料をもらってきました。私にとって、情報をとることは生活の手段。とれたらいいな(want to)ではなく、絶対にとらなければならない(have to)ものなんです。

キーワードがそこにあるから、人は頑張って探し、情報がとれる

 クリッピング会社は、クライアントが欲しい情報に含まれる「キーワード」で注文を受けます。
 ①どのような記事を集めたいのかを聞いて、②適切なキーワードを設定し、③調査員はそのキーワードが入っている記事を探します。
「そこにキーワードがある」から人は頑張って見つけようとするし、「そこにキーワードがある」から情報がとれるわけです。
 私たちは、目が見えるからといって、すべてのものが視界に入っているわけではありません。
 たとえば、あなたの家の一番近くにある ①歯医者、②郵便ポスト、③公衆電話。これらがどこにあるか、すぐに答えられますか?
 しょっちゅう目の前を通って、実際には見えているはずなのに、関心がないときは見えないでしょう。歯が痛いときに「歯医者」。年賀状のシーズンが到来したときに「郵便ポスト」。スマホが壊れたときに「公衆電話」。
 これらのキーワードが頭に設定されて、意識して見るようになって初めて、「こんなところにあったんだ」と気づくんですよね。
 これは、脳科学の世界では、「脳の焦点化」と呼ばれるそうです。
 この「脳の焦点化」の原理を読書に当てはめると、なぜ今まで情報がとれなかったか、おわかりいただけると思います。
 目の前の本にはきっと欲しい情報が載っていたのに、そしてその部分は確実に読んだ(見た)はずなのに、あなたにはそのフレーズが見えなかった。なぜなら、頭の中に「キーワードが設定されていなかった」からです。
 人は、自分が見ると決めたものしか見えない――。
 だから、本を読む前には必ず何を見るか、「キーワード」を決めておかなくてはなりません。キーワードを制する者は読書を制する。タワーレコード風に言えば、「NOKEYWORD, NO READING」です。

欲しい情報を手に入れ、忘れない「失敗しない読書術」大公開

 キーワードを設定するか否かで、得られる情報量ががぜん変わってくることはおわかりいただけたと思います。
 ただ、キーワードを設定するにも、そのキーワードから欲しい情報をしっかり拾い上げるにも、いくつかの重要なポイントやコツが存在します。
 本書では、私が17年に及ぶクリッピング業務で培ってきた〝キーワード〞を駆使した「失敗しない読書術」(=欲しい情報を漏らさない本の読み方)のノウハウを余すところなくお伝えしていきます。
 まず第1章では、なぜ今までは「欲しい情報」がとれなかったのか、その3つの原因を詳しく解説します。
 第2章では、「読む前に知っておくべきこと」として、〝自分のキーワード〞の見つけ方や、〝センスの良いキーワード〞とはどういうものかを説明します。自分を知ることや、自分の好きなことを深めるためにも、お役に立てる内容になっています。
 第3章では、「失敗しない本選びの方法」として、自分の欲しい情報が載っている本の選び方を説明します。SNS全盛の令和の時代に合ったレビューの見方や、選書のセンスを磨くためのヒントもお伝えします。
 第4章では、「どんな本を読んでも失敗にしない技術」として、読書中に設定したキーワードが出てこなかった場合や、キーワードを著者に否定された場合はどうすればいいのか、具体例を交えながら対処法を説明します。
 第5章では、「読書でさらに情報を吸収する」ために、キーワードと並行して頭の中に設定しておいたほうがいい「テーマ」を5つ紹介します。キーワードとテーマ、2種類のアンテナを縦横無尽に張り巡らせることで、より多くの情報がとれるようになります。
 最後の第6章では、アウトプットの場として、Instagram で読書記録をつけることのメリット、テキストの書き方、ハッシュタグの付け方、多くの人に見てもらうための上級テクニックなどを解説します。
 私自身、Instagram で「読書記録専用アカウント(@no_name_booklover)を運用しています。投稿頻度が高いので注目されたのか、おかげさまで今では数多くの出版社の公式アカウントからもフォローしていただけるようになりました。ここでフォロワ
ーとのやりとりを通じて学んだことや、投稿した本の著者や出版社(版元)からどんなリアクションがあったかなど、体験談を余すところなくお伝えします。
 同じ本を読んでも、欲しい情報を〝とれる人〞と〝とれない人〞がいます。繰り返しになりますが、両者のたった1つの違い、それは「読む前にキーワードを設定しているかどうか」。
 読書は1ページ目から横一線でスタートするのではなく、実は読む前に大きな差がついているんです。
 本には金言がたくさん詰まっているのに、「事前準備」が足りないがために、それを掴み取れないのはあまりにももったいない!
 本書を読めば、あなたも〝情報がとれない人〞から〝とれる人〞に、つまり「失敗しない読書ができる人」に劇的な変化を遂げられるはずです。

【目次】

はじめに

第1章 なぜ、今まで「欲しい情報」がとれなかったのか?

◎「クリッピング」と「キーワード」
◎情報を「とれる人」と「とれない人」は、何が違うのか?
◎「キーワード」を意識して、欲しい情報をキャッチする練習
◎欲しい情報がとれるようになったたった1つの理由
◎「ビジネス書」と「小説」は読み方が違う
◎自分の体調やコンディションが整っていない――欲しい情報がとれない原因①
◎情報過多の時代は、刺激が多すぎて読書に集中できない――欲しい情報がとれない原因②
◎情報過多時代に読書に集中するための2つの対策
◎「名もなき読書家」オススメの読書中のBGM
◎「悩み」や「願望」が明確になっていない――欲しい情報がとれない原因③
◎「キーワード」というズーム機能で、ピントを合わせる

第2章 読む前に知っておくべきこと――「キーワード」を設定する方法

◎欲しい情報を分解して、「キーワード化」する
◎その本におけるあなたの「AND検索のキーワード」は何ですか?
◎「他人のキーワード」を通して、自分のキーワードを見つける
◎検索エンジンの「サジェスト機能」で、「他人のキーワード」を収集する
◎「読書」のサジェストキーワードを五十音順に見てみる
◎収集した「サジェストキーワード」をグルーピングする
◎「情報収集」のサジェストキーワードを五十音順に見てみる
◎知らないと確実に損をする「ラッコキーワード」――関連キーワード取得ツール
◎今後の読書の方法
◎「ラッコキーワード」を使って、好きなことを徹底的に深める
◎狙っている「キーワード」があるから、省エネが可能になる
◎ビジネス書における「休憩ポイント」はどこ?
◎「自分株式会社」が必要な情報を、自分でクリッピングするような感覚で読む
◎「センスの良いキーワード」とは?
◎スキマ時間に「キーワードの洗い出し」をしておく

第3章 失敗しない本選びの方法

◎阪神ファンの渡辺謙さんにふさわしい「スポーツ新聞」は?
◎「飲み会の幹事」と「本選び」の意外な共通点
◎リストアップしたキーワードを、「読書サイト」で検索する
◎Amazonのレビューがまったく信用できない3つの理由
◎レビュー検索で最も有効な方法――本のタイトルの「ハッシュタグ検索」
◎さらに読書の成功確率を上げるための3つの注目ポイント
◎おもしろい本と高確率で出会っている人がやっていること

第4章 どんな本を読んでも失敗にしない技術

◎時間をかけて本を選んでも、期待どおりにはいかないこともある
◎設定したキーワードは出てきたが、著者に否定されてしまった場合――パターン①
◎「目指すゴール」が同じなら、投げ出さずに粘る
◎設定したキーワードが全然出てこない場合――パターン②
◎頭の中にたくさんの「潜在的なキーワード」を抱えておく
◎想像した内容とは違ったけど、これはこれで良かったと思えた2冊
◎読み進めるうちに、気になるキーワードが出てきた場合――パターン③
◎「途中で読むのをやめた本」は失敗!?
◎クリッピングの現場で「キーワード」が出ないとき、どう対処しているのか?

第5章 読書でさらに欲しい情報を吸収する秘策

◎2種類のアンテナを縦横無尽に張り巡らせる
◎初めて知った知識を吸収する――テーマ①
◎今すぐ真似できそうな著者の行動を吸収する――テーマ②
◎小説で行動を真似する方法――グルメ小説を読んだあとに、同じものを食べてみる
◎自分の主張の「お墨付き」をストックする――テーマ③
◎絶妙な比喩表現、言われたらうれしいセリフを吸収する――テーマ④
◎自分の「心の声」が言語化されているフレーズを吸収する――テーマ⑤
◎あなたの〝心の声〟に著者から「いいね」をもらえる
◎「抜き書き」という圧倒的な人生の味方をつくる

第6章 読書記録を残して、資産にする――Instagram 読書記録のすすめ

◎読書で集めた情報を「備忘録」として残す
◎Instagramで読書記録をつける「3つのメリット」
◎本の要点をキーワード化して「ハッシュタグ」にする
◎ハッシュタグをつけるときの注意点
◎テキストを書くとき、写真を撮るときの注意点
◎Instagramで人気の「読書アカウント」の2つの特徴
◎他人の投稿を「自分の読みたい本探し」に利用する
◎「投稿時間」ではなく「投稿日」を意識する――上級テクニック
◎タレント本の投稿をするときのポイント――パターン①
◎「おもしろいタレント本」と「つまらないタレント本」は何が違うのか?
◎アスリート本の投稿をするときのポイント――パターン②
◎小説も「試合当日」に投稿!?
◎映画の原作本の投稿をするときのポイント――パターン③
◎タイトルの「季節」や「時期」に合わせて投稿――パターン④
◎タイトルの「曜日」や「日付」に合わせて投稿――パターン⑤
◎「記念日」「今日は◯◯の日」に合わせて投稿――パターン⑥
◎読むときは「一人クリッピング」、読んだあとは「一人マーケティング」

おわりに
本書で取り上げた全75冊


【著者プロフィール】
名もなき読書家(なもなきどくしょか)

情報クリッピングマスター。京都市生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。2005年から現在まで、クリッピング業務(=新聞・雑誌から必要な記事を見つけて切り抜くこと)に従事。「文章を読むプロ」として17年間、毎日朝から晩まで「アンテナを立てて、情報を漏らさず、大量の活字を読みまくる生活」を送り、クライアントに25万点以上の記事を提供してきた実績を持つ。プライベートでも“無類の本好き”で、これまでに4,800冊を読破。読んできた文字数の合計は、公私を合わせると「35億字」を超えている。これまでの経験・知識・知恵から導き出したノウハウを「キーワード読書術」として完全体系化。
◎Instagram:「名もなき読書家」(@no_name_booklover)
◎Voicy:「名もなき読書家のホントーク!」(https://voicy.jp/channel/2972

いかがでしたか?
 
今回ご紹介した、超一流の「情報クリッピングマスター」が、【必要な情報を吸収し、自分を成長させる】新しい読書術を大公開した新刊『失敗しない読書術』(名もなき読書家・著)は、Amazonでは8月23日から先行発売、全国書店では8月25日より順次発売されます。興味のある方はチェックしてみてください。

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