原理原則
どんな原理でその場が動いているか、これは教育の中ではとても大切なテーマだと思います。
ある日のサークル対話を振り返る
11月から新しいスタッフも迎えて、新しい風が吹いているかのこです。
全然合理的じゃないことを私がやっていて、
これでもあり?と素朴にきかれて、「全然あり!」むしろなんで思いつかなかったんだろう~なんていうことが起きたりしています。
新しいスタッフがグループリーダーをしてくれて、
たまたま翌日にその話ができる機会に恵まれました。
あの時、どんな進め方のバリエーションがあっただろうか、と。
方法はすぐに思いつかなかったのですが、
その場の様子を思い出していました。
二人の子がサークルの内容と違う話題を展開している場面でした。
その二人は、レギュラーメンバーというよりは、レスパイト(休憩)利用のメンバーさんたちの姿でした。
その二人を思い出しながら、
かのこの原理原則があまり彼らには浸透しきっていないかもしれないと感じました。
言い方が乱暴になってしまいますが、わかりやすく言えば、
怒られないから何やっても平気、という感覚のよそ事です。
レギュラーメンバーでもよそ事をしていることは多々あるので見分けはつきにくいのですが、そこには原理原則の違いがあるように見えました。
パワーオーバーかパワーアンダーか
パワーの行使にはいくつかの様相があり、
わかりやすいのは、オーバーかアンダーかです。
命令などで服従させ、それに従うか、または反抗するかと、
下手に出て、相手のやることにこちらが服従しているか。
パワーアンダーは続けていると、どこかで仕返しをしたくなり、結局のところパワーオーバーになり、アンダーかオーバーかを行ったり来たりすることになってしまいます。
そのどちらでもない状態が「パワーウィズ」。
かのこという場にある原理原則は、オーバーでもアンダーでもないよ、ということなんです。
言うこと聞かないとスタッフが怒りそうだから従って何かをするとかそういう話しでは全くないのです。
それがうまく伝わらないこともあるし、
スタッフも、パワーオーバーやアンダーの状態を持ち込んでしまうことも全くないわけではないです。
パワーウィズの原理が大切にされるフリースクールとして
参加し始めた当初、豆粒ひとつ落としただけで、スタッフの顔色を伺う子が居ました。
「怒る?怒らない?」と様子を観ているのです。
“あ、怒らないんだ、ほっ”という心の声が聞こえるようでした。
3日、4日過ぎて、次第にそういうことはなくなりました。
それに伴って、どんどん自分を出せるようになって声も大きくなったし、よく踊って見せてくれるようになりました。
成長したり、学んだりということは、この先にあるよねって想います。
だからパワーウィズであるということは学び成長の土台です。
この場に流れている原理がどこにあるか、
スタッフはそれをタガのようにして守っている必要があると思うのです。
それはほかでもない、スタッフ自身が自分を大切にしている状態にあることであり、スタッフ同士がお互いを尊重し大切にし合っているエネルギーの中でこそ実現するのだと思います。