人はなぜ選択肢を2つに絞るのか
そもそも選択肢って2つ?
私たち人間はどの業界において大小さまざまな選択を迫られることがよくあります。
白黒つける
大小
上下
高低
Yes or No
Good or Bad
正義と悪
この言葉の通り、私たちは目の前の問題を無意識のうちに二択にて処理しています。
でも本当でしょうか?
平均値とは一番高い値から一番低い値までの合計をその対象の数で割ったものです。
そのデータの中には間違いなく中間層も存在しています。
実は意外とこの「中間」というものが世の中の大部分を占めていることを私たちは見落としています。
そして世の中の商品やサービス、テクノロジーはこの「中間層」に向けてつくられることが多いのも事実です。
そしてこれら二択以上の事象が存在しているのにも関わらずに人は物事を二面的な目線でしか処理しないので選択肢の中に幅が生まれずに自由な人生を送ることが難しくなります。
私たちは二者択一法の考え方で人生を損する。
世の中には「雇用者」と「労働者」が存在します。
このうち生活の中で起こりうる選択を2択で解決してしまうのは常に「労働者」側です。
この記事を見てくれている人の大半がどこかの会社に勤めている「労働者」だと思います。
「労働者」が選択を2択にしてしまいがちな理由は
考えることをしなくていいから!!
です。
人間の脳は元来複数の事象を並列して考えたり、様々な可能性を考慮して行動に移すという事にとても不向きにできています。
そして脳は楽な選択をしたがる器官でもあります。
これはマインドセットの練習や訓練によって克服することが出来るのですが、義務教育課程や高校大学の過程ではそんなことを教えてくれる人はなかなかいません。
二者択一ではないかもしれませんが、学校のテストでも「正しい回答を次のうちから一つ選びなさい」などという、あらかじめ答えが用意されていることがほとんどです。
社会に出ていない約18年の間に植え付けられたマインドをなかなか疑問に思う人はいないし、疑問に思っても「周りと違う」ことを「誤り」だと決めつける学校教育課程の中ではなかなかその意思を成長させていくことは難しいかと思います。
こうやって成長していった人間が大学を卒業し、教師となり学校に戻るシステムの教育業界では考え方の変化が起きるわけはありません。
この学校での選択肢をうばうやり方を今回否定するつもりはありませんが、
ただ一つはっきりしているのは
選択肢を与えている人間も存在しているという事です。
二者択一法はセールストークや恋愛の場面でも使われることが多く使用者が選択者の意思をコントロールすることが出来る方法でもあります。
料理人としてもっと羽ばたけるように
このように与えられた選択はそれ以上には広がらない未来をもたらします。
しかし前述したとおり、物事にはいろいろな選択や事象が存在し、その分だけの未来があります。
いつまでも人に選択肢を与えられていたらいつまでたっても自分の人生を歩むことはできないし、人生は豊かにはならないでしょう。
私たち料理人の給与が低い理由もきっとこの毎日の作業をただこなすロボットのようになってしまい、いつの間に「考える力」をなくしていっているからかもしれません。
世の中には同じ料理業界で働いている人の中にも、自分の力で道を開き、成功を収めている方々がたくさんいらっしゃいます。
本来は私たちも自身の価値を創出してこのような方々のいるステージに立ち仕事が出来る存在ではあるのかと思います。
私自身全く成功しているわけではありませんが、この「なぜ?」と考える思想を持つ前と持った後では働く姿勢や目指すべき目的へのプロセスが大きく変わっていきました。
目の前に頻繁に出てくる課題に対して様々な角度から考えて答えを用意する。
それだけで今まで見えなかった世界が見えてくるし、夢も膨らみます。
料理人は普段狭いコミュニティーの中で生活しているからこそ、自分の世界も縮こまってしまいがちです。
そのために脳の視界も制限され、いつも用意された答えに流されてしまいがちですが、
答えを出す前に自分の頭で一度物事をしっかり理解し、自分なりの考えを持つことが、AIが進化していく今後の世界ではとても重要なスキルになると思います。
2019/12/28