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【個に対しての料理人】の時代に向けて。


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久しぶりのnoteへの投稿です。
私は料理人として独立するにあたって、今後の自分の立ち位置やこの業界の行く先についてを会社員の頃よりも多く深く考えるようになりました。

実店舗の外観もしっかりと整えられてきて、これから一生懸命頑張るぞ!と言った時にこんなことを考えるのは少し逃げ腰のような気もしますが、

事は単純な算数から始まりました。


飽和状態で人手不足な飲食店


2021年度の全国での飲食店の数はざっと見積もって144万店舗

日本の人口が約1.5億人だと仮定し、日本人の人口が全国的に均等に分布、
飲食店もまた均等に分布していると仮定し、飲食店自体の規模も全てが比較的同じ大きさだと仮定すると、

一つの飲食店に対して約100人のお客様を割り振ることができます。

この設定の中には貧富の差もなければ年の差もないため、データ上では赤ちゃんからお年寄りまでみんなが通うという無理矢理なシチュエーションです。

実際には好みもあればお金の余裕もあるので、飲食店はそんな【個人差】も含めるとこれよりももっと少ないお客様の数でなんとかしていくか、競争相手を蹴落として顧客を確保するかの二択になるのです。

何が言いたいかと言うと、飲食業は日本において分母が多すぎるがあまり【選ばれ放題】に陥っていて、その分ニーズを増やすための【価格競争】が発生しやすい状況に陥っています。

その分競争意識の中から価値の提供を高めるために首都である東京が世界的にも【美味しい店】が多くなっていることも事実ではありますが、

こういった需要と供給のバランスが国民総人口に対してオーバー気味な現状が飲食業の今です。

給料や働く人の平均年齢の問題もありますが、そこら辺は皆さんがもうご周知の通りだと思います。

これから先、飲食店を開業する、もしくは開業を目指す人の目にはこのような状況が悪化する事は簡単にわかるので

基本的にワンオペで回すことのできる仕組みや、より価値を上げての高級至高に舵を取るのはみて取れます。


これからは【個に対しての時代】


以前Sioの鳥羽シェフが本当に興味深いツイートをされていました。


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正直に言うとこの考え方は本当にこれからの核心をついていて、


今までは不特定多数に向けての再現性を考えたレシピが主流で、多くの料理人はそれを考えることで【SNS的な考えの拡散】を目指していました。

それはつまり飲食店を開業して【人を選ばずに誰かれかまわず来店してもらえるような’’滑らないメニュー開発’’】ことにすごく近くて、

ものすごく多くの人に心地のいい浸透圧だった料理が、

マニアックではあるけれどもプロの料理人による【あなただけのために考えたレシピ】に変わることで、コミュニティー自体は狭くなるのに、とても高い付加価値と満足感を作り出せる。

本来料理人なら多くの人が昔持っていた【あの人のために作りたい】という根源的な欲求が大人になっても成立することですごく温かみのある料理に変わる。

そんな考え方だと思います。

びっくりするくらい考えている事が同じだと思った矢先のツイートで、やっぱり発信力の強い人は最終的にこんなところに目が向くんだなぁーと勝手にシンパシーを抱いていましたが、

大きくなった恒星が収縮して小さなブラックホールになり、その集中の密度や引き付ける重量でなおも魅惑的な天体になるようだと思いました。

ブラックホール自体は星の最期での現象なので決して鳥羽シェフが最後というわけではないのです!!
急に【あっ、読んでもらいたいなー】と思ったので発言の言い訳をしてしまっていますが、、すみません

ここまで沢山の飲食店があり、人の興味を惹くのに四苦八苦する中で、

広がりを限界まで見せたこの業界が今後どのような方向に向かっていくかは、鋭角でピンポイントでマニアックに向けた質の高い【側に居る】なのかなと僕は思います。

誰にでも ではなく、あなたに というスタイル。

人それぞれに違ったニーズがある中で、その大まかなカテゴリーをボヤーッと満たすのではなく、

欲しいにあった答えを用意できるレストラン。


それは思っている以上に技術が必要で大変なものかもしれないけど、
1人の幸せを作り出せて、1人しか満足に出来ないけど、楽しく奥深い考え方。

広がりすぎた料理人の視点はこれからもっと【ポジティブに狭く、もっと心満たされる】サービスに変わっていくのかもしれません。

数はこなせないけど、一人一人の満足をしっかり満たすから信頼される。

そんな本当の意味のプロフェッショナルな仕事に進んでいくのかなと思いました。


今までの【個の時代】から
これからは【個への時代】へ

大きな発信ができる人が個人を見てあげれるカッコいい料理人の世界へ。

そんな1人に優しく、結果的にみんなに優しい料理人の世界ができると

張り合わなくても焦らなくても
みんなが幸せになれる世の中になると思います。

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働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。