【読書日記】科学的に幸せになれる脳磨き | 「脳を磨く」6つの方法|
幸せというのは「心」で感じるのか?
それとも「脳」で感じるのか?
どうも
あなたのキャリアを失敗させないコンサルタントのタルイです。
週一でnote更新してます。
▼今回ご紹介する本はこちら
ここでちょっと本書を手にした
きっかけを書きます。
私はキャリアコンサルタントとして
キャリアに悩む方の幸せについてを考えるために
心理学を学びました。
そして心理学を勉強する過程で
ある疑問が生まれました。
幸せというのは「心」で感じるのか?
それとも「脳」で感じるのか?
結局のところ
心とは脳にあるのか?
それとも心臓か?
体中に存在するのか?
などと小学生みたいなことを考えて
検索していたら本書にたどり着いたのです。
本書でわかったことがあります。
●幸せには脳の「島皮質」が関係している!
●脳の島皮質を鍛えれば幸せを感じることが出来る
著者の岩崎一郎さんは
エビデンスにもとづいた島皮質を鍛える脳の使い方を、私は「脳磨き」と呼んでいます。
例えるならば
虫歯にならない歯の磨き方のように
不幸にならない脳の磨き方があったのです!
「脳の磨き方」の結論を書きます。
以下の6つです。
◎感謝の気持ちを持つ
◎前向きになる
◎気の合う仲間や家族と過ごす
◎利他の心を持つ
◎マインドフルネス(脳トレ坐禅)をする
◎Awe(オウ)体験をする
先に謝っておきます。
この先の説明は、いつもよりちょっと長いです。
(大体6〜8分ぐらい)
それではいってみましょう!
◆著者の岩崎一郎さんはどんな人?
※システムブレーンさんより画像をお借りしました。
岩崎一郎さんは25年以上にわたり
ノースウェスタン大学医学部脳神経科学研究所など
米国を中心に世界最先端の医学脳科学研究に従事してきた
脳科学者・医学博士です。
ここで岩崎さんのちょっと凄いところを紹介します。
幸せに生きる方法について
過去に多くの哲学者や宗教家、経営者、著名人が
著書やセミナーで述べています。
普通だったら
「なるほど、そうかもしれない」
と聞いて満足してしまうかもしれません。
しかし、岩崎さんは違います。
「なぜその方法で幸せになれるのか?」
そこにエビデンス(科学的根拠)を求めたのです。
そんな岩崎さんはエビデンスを探すべく
最新の研究論文も含めて
全部で255件もの論文を調査しました(凄っ!)
そしてそれらをまとめたのがこの本なのです。
◆そもそも脳はどこで「幸せ」を感じるのか?
私たちがまず知っておかなければいけないのは
虫歯の原因が歯垢であるように
不幸の原因はエゴであるということです。
「幸せになろう」とか「幸せになりたい」など
エゴ剥き出しで幸せを追い求めることは
幸せから遠ざかる結果になるのです。
なぜならば
人間の脳はエゴ(自分のことを考えている)よりも
セルフレス(他者のことを思っている)のときのほうが
幸せを感じることが出来るからです。
そして
脳をセルフレスな状態に近づけるためには
脳全体をバランスよく使う必要があるのです。
その鍵となるのが
脳の中の「島皮質」という部分です。
▼島皮質とはこちら
※画像はwikipediaより
ご覧の通り「島皮質」は脳の他の部位に覆われて
外見から見えないこともあり
これまであまり注目されてきませんでした。
しかし
この10年くらいの間に
研究者たちの間でにわかに注目を浴びています。
◆島皮質は脳と心を結ぶハブ(中継基地)
脳では
各部位でそれぞれの役割担当が
決まっています。
島皮質が担当する分野はかなり幅広いです。
また島皮質に障害が起きると
無気力になり
口にしたものが腐っているかどうかの
判断ができなくなります。
島皮質のもっとも大きな特徴は
脳の「ハブ(中継地点)」のような役割です。
つまり
脳全体をバランスよく使うには
島皮質を刺激すれば良いのです。
●幸せな人とは「島皮質」が厚い人でした。
イギリス・スターリング大学のルイス博士らの研究では「ウェルビーイング(幸福の概念)と島皮質の厚みは正の関係にある」という結果を出しています。
幸せな人というのは「島皮質」が厚いのです。
そして
「島皮質」を厚くする方法は
筋トレして筋肉を厚くするのと同じで
鍛えたい部分をよく使うことで強化されるのです。
つまり
島皮質を鍛えるには
島皮質を厚くなるような
脳の使い方を
意識的に多く増やしていけばいいのです。
おまたせしました。
ここで本書の結論と繋がります。
◎感謝の気持ちを持つ
◎前向きになる
◎気の合う仲間や家族と過ごす
◎利他の心を持つ
◎マインドフルネス(脳トレ坐禅)をする
◎Awe(オウ)体験をする
以上6つの思考と感情と行動を意識することで
島皮質を刺激して
厚くすることができます。
ではここより6つを書いていきます。
より詳しい説明を求める方は
本書をお買い上げになるか
引用先のリンクより
岩崎一郎さんが書かれたコラムが見れます。
◆脳の磨き方①感謝の気持ち
韓国・ヨンセ大学のキョン博士らの研究では、被験者に「感謝のワーク」を行ってもらい、そのときの脳の状態を調べました。その結果、感謝しているときには脳内で複数の領域がプラスに繫がり、脳の活動が活発化しました。〈東洋経済オンライン〉
感謝の心を持つことは
一般的にも知れ渡っていますが
注意が必要です。
著者の岩崎一郎さんは
感謝を2種類にわけて違いを説明してます。
●恩恵的な感謝
これは誰か人から親切にされたり
良いことがあった時などにする感謝です。
●普遍的な感謝
感謝の気持ちをいつも感じている
心のあり方のことです。
特別なことがなくても、
生きていることや
家族がいてくれることなどに
感じる感謝の気持ちです。
(恩恵的感謝も含みます)
岩崎さんは
恩恵的感謝だけをしているとエゴが強くなり
長期的にはうつ傾向が強くなることもある
と指摘しています。
だからこそ
普遍的感謝の気持ちを持つようにすることが
人生の幸せにとっては大切だということです。
● 本書の内容とは別にちょっと補足します。
普遍的感謝には
「試練にも感謝する」が含まれます。
「人は支援と試練の間でしか成長しない」
という言葉があります(読み人知らず)
他人から支援ばかりを受けていると
知らず知らずのうちに傲慢になっていきます。
なんでも自分の力でやったと過信するからです。
山本五十六の言葉で部下に対する権限委譲の言葉
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
この「感謝」とは普遍的感謝であると推察しています。
部下の成長を願うなら
支援するだけでなく、時に厳しい試練も
見守る必要があるということです。
あと一応、念の為に書いておきますが
女王様にムチで叩かれて感謝するのは
普遍的感謝ではなく、恩恵的感謝です。
◆脳の磨き方② 前向き
気持ちが前向きだと、脳は活性化され
脳全体が働きやすくなります。
一般的に
やる気があるから⇒できるようになる
と考えられています。
しかし
脳科学では逆で
できるようになるから⇒やる気になる
そして
出来たことを続けるから⇒もっと上手くできるようになる
なのです。
「やる気が起きる」とき、脳の中では、大脳基底核という大脳の一番内側で中心にあたるところの脳回路の活動が高くなるということがわかっています。
▼私も以前に記事にしました。
またネガティブなフィードバックはやる気を削ぎます。
スペイン・マドリード大学のマーチン・ローチ博士らの研究では、「ポジティブな言葉」と「ネガティブな言葉」を投げかけられたときの人の脳波を測定しました。その結果、ポジティブな言葉を投げかけられた場合には、脳全体が活性化したのに対して、ネガティブな言葉の場合、脳のアクセルはあまり活性化が起こりませんでした。〈東洋経済オンライン〉
以上2点が
ねちねちした上司がいる職場だと
仕事の生産性は上がらないし
幸せになれないことのエビデンスでした...笑
◆脳の磨き方③ 気の合う仲間や家族と過ごす
やっぱり、孤独は脳にとって『毒』でした。
アメリカ・シカゴ大学のカチオポーロ博士らの研究によると、孤独の状態が続くと、新しく脳細胞を生み出す脳内ホルモンの生産が減り、また、他の脳内ホルモンや神経伝達物質も減少することがわかりました。〈東洋経済オンライン〉
そして
孤独な中年時代を過ごす人は、
脳機能の衰えが激しく
寿命も短くなるというのです。
温かみのある、心をひとつにできる人間関係をずっと持ち続けられていることが、幸せで豊かな生活を送っている人の共通要素である。
● 本書の内容とは別にちょっと補足します。
「心をひとつにできる人間関係」を求めすぎると
エゴ(自分のことを考えている)につながり不幸になります。
「私は私。あなたはあなた」で60%の関係が
より良い人間関係維持につながるでしょう。
◆脳の磨き方④ 利他の心を持つ
「まずは自分」と考えるのではなく
「まずは他者」のことを考える。
これが「利他の心を持つ」ことです。
そして利他の心とは、
共感に基づくものと
共感に基づかないものに分かれます
●何かをしてくれたそのお礼として何かをしてあげる
●見返りを期待して何かをしてあげる行動
この場合「お礼」が共感となっており
共感にもとづく利他の心は幸せ反応がありました。
スイス・チューリッヒ大学のハイン博士らの研究では、共感にもとづく利他行動をした人は、脳内で島皮質と前帯状回、線条体という3つの部位がうまく繫がって活動したことが確認されています。〈東洋経済オンライン〉
もうひとつ
●「人に何かをしてもらったとき」
●「人に何かをしてあげたとき」
このどちらも幸せを感じるという結果が出たのです。
ところが
「人に何かをしてもらったとき」の幸福感は
プレッシャーやストレスに
簡単に打ち消されてしまうことがわかりました。
つまり
人に何かしてあげたときに
自分の幸福感は長続きするのです。
普段から「自分に何かできることはないか」と
簡単なことでいいので考えてみることが大事です。
● 本書の内容とは別にちょっと補足します。
利他の心とは儒教の教えがルーツですが
今風にいうとギバー(giver)です。
アダム・グラントの大ベストセラー
「GIVE&TAKE」では
人生で成功する人は他者志向型ギバーで
人生でもっとも損をするのは自己犠牲型ギバー
であると説いてます。
自己犠牲型のギバーの特徴は
●自己犠牲を美徳と考える
●テイカーに搾取されている
の2点です。
私の経験上、ネットでもリアルでも
儲け話を持って、いきなりすり寄ってくる人は
100%テイカーです。
(そもそも本当に儲かる話は他人に話しませんよ)
くれぐれも
自己中心的なテイカーとは
関わらないほうが懸命です。
◆脳の磨き方⑤ マインドフルネスを行う
Googleをはじめ、ビジネス界でも
注目を集めるマインドフルネスも
脳にいい効果をもたらします。
アメリカ・ハーバード大学のガード博士の研究では普段からマインドフルネスを実践している人たちは70歳になっても45歳のときの脳機能のままでストップしていたことがわかりました。〈東洋経済オンライン〉
● 本書の内容とは別にちょっと補足します。
マインドフルネスの定義は
「今、意識がここに在ること」だと考えます。
そのために特別
座禅をしたり、
呼吸だけに集中しなくても大丈夫です。
私は散歩しながらマインドフルネスとか
食事しながらマインドフルネスとか
ながらマインドフルネスが
日常で習慣化しやすいと考えます。
◆脳の磨き方⑥ Awe体験する
果てしなく広がる空の下この広大な宇宙に比べたら
自分は何てちっぽけな存在なんだろうと思いませんか?
大自然に圧倒されて「謙虚な気持ち」を持つことを
脳科学ではAwe(オウ)体験と言います
Awe(オウ)とは直訳すると「畏敬の念」という意味
カナダ・トロント大学のステラー博士らの研究では、「Awe体験は自分を最小化し、それが謙虚になることにつながる」という仮説を立て、それを延べ977人の被験者の協力のもとに検証しています。その結果、被験者が「Awe体験によって世界が違って見えた」「Awe体験によって生かされている感じがした」と答えるなど、Awe体験をすると自分の自我(エゴ)を少なくし、謙虚な気持ちを起こすことがわかりました。〈東洋経済オンライン〉
登山をして頂きに立ち
360°に広がる空の下で
他の山々たちのつながりや
雲海を見渡しちっぽけな自分を感じる
「自分を小さい」と感じるとき
人は非常に謙虚な気持ちになり、
そして素直に感謝の気持ちを持ちます。
このAwe体験をしている時
その人の脳はとても活性化していることが
多くの研究から明らかになっています
また普段の日常からでも
小さなAwe体験を
積み重ねることはできます。
オランダ・アムステルダム大学のフォンエルク博士らは、大自然の広大さ・美しさが感じられる動画を見ることでも、軽微なAwe体験ができるとしています。
わたしもコロナ自粛が明けたら
ワーケーションを再開して
Awe体験したいです。
◆タルイ的まとめ 永遠に幸せを感じる方法は唯一「他人のために何かしてあげること」
まとめです。
幸せとはエゴではなくセルフレスから生まれる。
幸せな人というのは「島皮質」が厚く
島皮質を厚くする方法が脳磨きで
方法は6つある。
脳磨きの6つの方法はどれもシンプルですので
実践のハードルは低いですが
6つに共通しているのは「感謝」です
まずは普遍的感謝について
毎日小さなゴールを設定して実践する
スローステップがおすすめです。
私にとって
やっぱり一番の脳磨きは
noteの更新でした。
私のnote記事は
不特定多数の方にむけて書くよりも
特定の人に向けて記事を書くことで
そのために
文字と図で伝える技術を学んで
チャレンジしたり
成長を感じたり
コメントでフィードバックをもらって報われたり
それらが更新するモチベーションになってます。
つまり
noteを更新することで
私の「島皮質」が厚くなるようです...笑
もしもあなたが記事にとりあげて欲しいテーマや
紹介してほしい書籍があったら
リクエストしていただけると本当に幸せです。
というわけで
この記事は「脳と仲良くする方法を知りたい」
とリクエストしてくれたSeoさんに捧げます。
Seoさん、ありがとうございます。
書き終えた今、私は幸せな気分です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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