クレーム教育でのマニュアル効果とは?
クレームを減らすための対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
一番簡単なのは、クレームを起こしてしまった本人を目の前にして注意することです。
しかし、これでは根本的な解決になっていません。
何故なら、同じ事例には対応できるでしょうが、少し違う場面やシチュエーションでは応用できません。
根っこの原因対策を教えていないからです。
「挨拶がない、お客さんを無視してると叱られた」
→お客さんが近づいた時のみ、挨拶するようになった・・・
→入店時の挨拶ができていない→叱られる・・・
→お客さんが“ご馳走様”と言ったが無視→叱られる・・・
これでは、モグラ叩きが延々と続きます。
一人一人に個別指導していては、きりがありません。
そこで一気にサービスレベルの向上に役立つのがマニュアルです。
マニュアル作成には、手間がかかりますが一度作成できれば大きな効果があります。
マニュアル作成の効果1:サービスの標準化ができる
サービスについては、残念ながら個人個人のこだわりがあり内容はバラバラです。
まず、この標準サービスラインを決める必要があります。
車に例えると、輸出市場において日本車がアメリカで評価されたのは、標準化による品質管理の効果です。
同じ車種の車でも、故障までの走行距離で5万㎞~15万㎞と性能がバラバラなのと、
どの車を買っても、10万㎞走っても故障しないのでは、満足度が大きく違います。
マニュアル作成の効果2:サービスが安定化する
お客様にいつ、何時にいっても安心して利用してもらうには、サービス品質を安定化しないといけません。
安定化とは、朝のラッシュだろうが、昼のランチピークだろうが、夜の会食だろうが目的に合ったサービスをすることです。
昼のランチでは、食事時間が制限されています。この制限時間でいかに満足できる食事を提供できるかです。
問題なのは、二交代などのシフト制をとっている場合に、スタッフとチームの入れ替えがあることです。
スタッフが替わっても、同一のサービスが提供できないといけません。
高級店に例えると、どんなに良いサービスを仲居さんから受けても、
受付での応対が悪ければ、全体印象が低いのと同じです。低い方に評価されてしまいます。
マニュアル作成の効果3:動画教育万能の勘違い・・・初期教育向け
社員教育のコンサル会社にいた経験から、マニュアル以外の教育ツールとして、動画教材も数百本という単位で販売してきました。
ツールとしては、VHSテープから始まりレーザーディスク、DVD、オンライン動画と様々開発してきました。
そこで得た経験から言えることは、“動画は初期教育にとても適している”ことです。
動きのある映像のインパクトは大きいです。
ところが、“大きな欠点は一度見てしまうと・・・もう分かった” となり、二度三度見返すことはしません。
マニュアルは、サービスの振り返りや反省材料として、活用することができます。
厨房にある調理基準書が一例です。
新メニューの調理について、ポイントを動画で一連の流れをチェックして学習します。しかし、2回も3回もみません。
後は、厨房にレシピーを掲示してチェックするだけです。調理に迷った時に動画をみる暇はありません。
動画の欠点は、瞬間性やスピード対応できない、一覧性に欠ける点です。
最初から動画を見て調理するようなスタッフは、一人もいません。
サービスで有名なリッツ・カールトンホテルが、“クレド”と呼ばれる指針で毎日ラップミーティングしています。
それは、紙に書かれているサービス指針を実現できているかどうか、毎日追求しているからです。
教 訓:
◉クレームを撲滅させるため、クレーム対応・ハンドブック(冊子)を作ろう
◉その場主義で叱っても、永遠にクレームが減ることはない
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