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メルカート

我が家は夫が買い物担当なので、ここのところしばらく週一の露天メルカート(朝市)に足を運ぶことがありませんでした。 プーリアでもワクチン接種は進んでいるものの陽性者数はなかなか減らずロナ禍の先は見えません。レッドゾーンの外出規制(住居地の街を超えた移動禁止、夜間外出禁止)や食料品店、スーパーマーケットなどの入店制限は続いています。衣類や雑貨を含め数キロに渡り道路を閉鎖して繰り広げられていた街の青空マーケットはいまだに野菜や食料品販売のみです。
午前9時、人手は以前同様と思われましたが、売り手も買い手も例外なくマスクをしています。もうこれがデフォルトというかの様に平然としたものです。

青空マーケットでは近郊の生産者や農家が自ら店を出しているケースもあれ
ば、卸売市場から商品を仕入れてくる八百屋の店もあります。基本まず全ての店を覗いて品定めをし、やっぱり最後は馴染みの店で買うことが多いです。我が家では大体自分の土地を一人で耕している地元の農家のおじさんのところから買う様にしています。とは言っても我が家の畑をで採れるものも多いので、季節の野菜は買うに及びません。ジャガイモとかにんじん、玉ねぎなど沢山使う野菜を買うくらいです。

今はファーヴェ・ノヴェッレと呼ばれる生食用そら豆とカルチョッフィ(アーティチョーク)が主役です。ファーヴェは1kg2ユーロ前後、アーティチョークは10個で3ユーロが相場です。ファーヴェもカルチョッフィも自前のものがありますので、素通りです。

久しぶりにメルカートに来て少し驚いたのは、以前は夏にならないと出てこなかったココメロと呼ばれるプーリア特産の丸い瓜やどじょうインゲンなどがこの時期に並んでいたこと。よく見るとこの辺ではあまり見なかった皮の厚いきゅうりもありました。ハウス栽培ものが増えている事と流通が便利になった事の証拠かと思います。ズッキーニやなす、トマトなどは以前から一年中ありました。これらは露地物が出回る夏とそれ以外の季節では値段が結構違ったのですが、今日見たところでは違いがありませんでした。我が家ではズッキーニは夏になると飽き飽きするほど食卓に上るので今の時期わざわざ買って食べようとは思いません。個人的にはハウス栽培の夏野菜より今が旬の北イタリアの白アスパラがあったら嬉しいのに、と思いました。

一年通して安定供給できる野菜の種類が増えるというのは、とても素晴らしいことの様に聞こえますが、それはどちらかと言うと売る側の考えでしょう。買う側としても種類や値段など色々とチョイスがあるのは楽しいしありがたい事でもありますが、食物は他の商品とは違います。
太陽の光を浴びた野菜の味や食物の季節感がわからなくなるというのは、何時でも何でもある事の代償としては味覚的、文化的に大きな損失と思えます。地球規模の気候変動や環境汚染の問題を考えると実際はそんな悠長な事を言っている状況ではないのかも知れませんが、プーリアの片田舎の我が家ではとりあえず毎日何かしら畑から採りたての野菜が食卓に上る事を有り難く感じています。

大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人の
ジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、
レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストラン
のビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した
超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業した
ビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を
授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考
え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したので
す。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家
農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽
しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報
発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っておりま
す。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が
惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報を
お届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺り
がプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダ
プーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日
本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人
のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464
106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という
方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農
家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料
庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウ
をはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山ありま
す。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地
で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係に
あります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、
飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア
料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好き
なアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子


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